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アニメ『言の葉の庭』感想

新海誠監督のアニメ映画「言の葉の庭」友達がやたらと薦めてくるので前から気になってはいたんですが、その熱量がどうにも鬱陶しく今まで未視聴だったんですがGYAOで動画配信されてるとのことでようやく観ることができました。簡単に感想を言えば「おい、まだ終わるな、それで終わったら台無しだぞ、終わるな、終わるな、おい、終わるな、終、あー終わったー嗚呼あー」って感じでした。

gyao.yahoo.co.jp

途中までは本当に「言の葉の庭」の美しい世界観と今にも壊れていしまいそうな儚げな雰囲気に惹きこまれていたのですがラスト10分、男(名前忘れた)がキレて女の部屋から出て行ったところあたりから急に雲行きが怪しくなって、女(名前忘れた)が追いかけていったことろで「まだ、まだ挽回できるぞ」と思い、男が喚き散らしてるところでまた「やばい、やばい」とハラハラして「まだ行ける大丈夫だよー、そっかそっかー辛かったんだよねーわかるわかるよー、でももう時間ないから巻きで行こうね、一回、一回部屋戻ろ?ね?巻きで、ま、まだ、あ、嗚呼ー秦基博の曲が鳴ったー、あー、嗚呼ー、あ嗚呼ー」と落胆しました。それで再生時間を観たらクレジット挿入されたところでまだ4分弱あったんで「ま、まだ、まだギリギリやり直せる、最後大事よ、まだだまだ終わらんよ!」と自分を鼓舞しながらただただスタッフロールを見つめていました。が、予想していた最悪のエンディングと共に物語は終わりを迎えるのでした。

ただ、それまでは凄い良かった。都会の喧騒から「庭」の画のギャップの見せ方はため息が出るほど美しい。いままで観たアニメの中で「これ一番です」って自信持って言える作品になる予感はしていました。そしたらいきなりエロいお姉さんが朝から金麦飲んでるんですよ。「会ってるかもね」とか言ってとにかくお姉さんがめっちゃエロい雰囲気を醸し出してるんですよ、こんなん絶対期待するでしょ。しかも、中盤の「足のくだり」なんか男は平静装ってますけどよく見たら股間下町ロケットでしたから、もちろん弊社のバルブシステムは全部手作業でやっております。

俺は「ここまでして、これラストぼかしやがったら承知しねえ」とか思ってたんですけど、まだこの時点では「どうなるかわからないドキドキ感」を楽しめていました。名前も顔も知らない二人を繋ぐものは「雨」だけなんですよね、まぁそう思ってるのは僕と男だけだったんですけど「この二人だけの時間、二人だけの秘密の共有」っていうのがどうしようもなく二人を引き寄せていくのです。

が、ここまで妖艶に女を描いたにも関わらず結局ぼかしやがりました。今日び15の高校生の前でビール片手に憂いを帯びた目で遠くを見つめながら髪掻き上げてんじゃねーよ。年離れてんのかは知らねえけど、さんざん思わせぶりで部屋にまであげといでなんも起きないとか状況わかってんのか。連続アニメじゃねえんだぞ、たった45分だぞタラタラやってんじゃねーよ巻けよ交われ。

俺がアニメのいまいち気に入らないとこはこういうとこなんですよね。一番大事な描写を逃げるじゃないですか、申し訳程度にお色気シーンとか入れたり、何も起きないくせに下ネタやたら連発する糞アニメ、糞漫画ありますけど、主人公が気持ち悪いほど理性的なんですよね。テンプレみたいに顔赤らめてアワアワのたまってはいますけど、なんで女の股間が顔の数センチ前まで迫ってきてるのに手出さないの?女に触れると首についた輪っかが爆発すんの?っていう。実際人と人が物理的にも精神的にも繋がったって実感できることなんて交わる以外ないと思うんですよね、千の言葉を交わそうが、一回交わらないことには結局互いの気持ちなんてなんもわかんないんですよ。100万回「愛してる」言われても気が狂うだけですから。

この「言の葉の庭」こそ序盤の嘘のみたいに美しい「庭」を描いたんなら、尚更最後は人間の生身の汚い「欲」の部分を描かないとダメだと思いました。こんなの毒にも薬にもならないじゃないですか。別に前戯から細かく全部描けって言ってるわけでも、エロアニメやれっていうわけでもなくて。昔の少女漫画よろしく男か女かのどっちかが押し倒すとこまで描いて、あとはキラキラシャボン玉描写で誤魔化しても良いから「二人がちゃんと繋がった」っていう描写がほしかった。

ただ、単に「言の葉の庭」は俺が求めてたものとは違ってただけでとことん「綺麗な世界」を描いたこの作品が良いアニメだったということに変わりはありません。45分っていうダラダラ引き伸ばさない潔さは好感が持てましたし、作画グッチャグチャのドラゴンボール超を観た後ということもあってなおのこと映像には心奪われたので、無料配信で観られたので全然時間の無駄とかでは無かったですけど、この感想文にちょっとでも共感してくれる人がいたらラスト10分は目を瞑ってましょう。それまでは最高でした。

 

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