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漫画『バジリスク〜甲賀忍法帖〜』めっちゃ面白い

今更ながら勧められて漫画『バジリスク〜甲賀忍法帖〜』を読んだ。忍者と言えばなんか忍たま乱太郎かNARUTOかみたいな風潮があるが、これからはこのバジリスクを推したい。

そもそも俺は忍たま乱太郎は天才てれびくん!が山崎邦正とリサ・ステッグマイヤーに変わったと同時に卒業したのだが忍者漫画・アニメとしてはとても高い完成度を誇っていると思う。忍者とはこうあるべき!という初心をつねに思い出させてくれるのだ。そういった点では「NARUTO」は愚の骨頂で俺はNARUTOはサスケだかサノスケだかが裏切ったところまでは読んでいたのだけど、途中からどんどん忍術というよりは魔法使いのそれになっていたので高校受験に失敗したタイミングで読むのをやめた。バジリスクは忍たまとナルト、この両作を掛け合わせたような絶妙なバランスの漫画だ。

この『バジリスク〜甲賀忍法帖〜』、内容は単純明快、伊賀と甲賀のスゴ腕忍者10人が忍法勝負という名目の殺し合いを始めるという北野武も三日間寝こむレベルのバトル・ロワイアルで見たところ20人中半分が「お前それ忍法か?」と言いたくなる忍法を持った忍者が多く、思ったほどニンジャニンジャしてるわけでもなかったのが意外だった。中でも特に意味がわからなかったのが陽炎っていう女忍者でその忍法が「欲情したら吐息が毒に変わる」っていうね。お前、それ、忍法じゃないだろ、体質だろ。しかも、陽炎は自分自身でその忍法「欲情したら吐息が毒に変わる術」を制御出来ないらしく、想い人である甲賀の党首・弦之介に迫るも思わず毒殺してしまいそうになり、弦之介の忍法「見た人間を自滅させる眼」で返り討ちにあう始末。おまえら身内で何やってんだとバトル・ロワイアルの灯台のみたいな展開が続く。

この陽炎然り、忍者同士の殺し合いに焦点を置きつつも忍者と言ってもしょせん一人の人間、家族もいれば趣味も色恋もある、というのが少しずつ見え隠れしていく。と言っても本編ではあまり一人ひとりの心情について描かれることはないのだけど、ちょっとしたセリフ回しの端々に忍者同士の絆や関係性が見て取れ、変に長い回想シーンを挟めなくても読者に感じ取らせるうまさには思わず唸った。特にグッと来たのがヒル女・お胡夷と兄である変身人間・如月左衛門のシーンで作中では二人は殆ど会話をすることはないのにどれほど絆が深かったのかが分かる。しかし、一人減り、二人減りとテンポ良く登場人物の数が減っていくのでこの一人のキャラに感情移入したり「つ、つえぇ…」と感嘆した次の瞬間には無様に殺されてたりして楽しめつつもかなり疲れる。ドジ負け、みたいな勝負が多く油断大敵という言葉がこれほど似合う漫画もない。

5巻っていう少ない巻数ながら読了感が凄まじく、それからしばらくは何も手に付かない状態が続いた。アニメもあるとのことなので観てみたいけど、その後の生活に支障をきたさぬようにバジリスクを観た後は必ずケイン・コスギを観てバランスを取りたい。

 

バジリスク~甲賀忍法帖~(1) (ヤンマガKCスペシャル)

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