「おつまみ」が好きだ。
ビールを飲む最大の理由は「おつまみ」が食べたいからだ。もしも世界からおつまみが消えたなら俺はビールを飲むことをやめてしまうだろう。おつまみをつまみにビールを飲んでいるのではなく、ビールをつまみにおつまみを食べていると言っても過言ではない。
そんなおつまみ依存症、おつまみジャンキーの俺が選ぶビールに合う、うまいおつまみランキング発表します。
50位 おしゃぶり昆布
味わえば味わうほど海の広さ、そして深さを感じる。自分の抱えていた悩みなんてちっぽけなものだと教えてくれる。おしゃぶり昆布を一口、そしてビールを口に運ぶ。ピアノ線のように心にずっと張り詰めていた糸がほつれ視界が広がっていく。
49位 イカ納豆
イカと納豆、相容れないふたつのものを混ぜあわせるという発想。これを考えた人は紛れも無く「天才」という奴なんだろう。僕は天才にはなれないかもしれない。でも納豆のように粘り強く、イカのようにゆったりと生きていたい。今はそう思える。
48位 塩キャベツ
太陽の光を目一杯浴びて育ったキャベツ。キャベツの甘みと塩ダレの出会いはまるでアダムとイヴのよう。目を閉じれば浮かんでくる、広大な大地に燦然と輝く彼らの姿が。
47位 キムチ
舌先にビリビリと残る痺れはまるで劇薬のようだ、そこにビールで潤いを加える事によって一気に体内に流れ込む。全身がカーッと熱くなっていくのがわかる。自分が自分ではなくなるような感覚。誰かに止めてほしい、でも止められたくない、そんな矛盾をはらませながら夜は更けていく。
46位 春巻
パリパリの春巻はまさにこの厳しい時代を生き抜くために身につけた心の盾か鎧か。その覆われた衣を脱げば本当の自分があらわになる。
45位 野菜スティック
野菜本来の旨味、それはまるで生まれたての赤子のように純粋で愛おしさすら感じる。そこに酸いも甘いも噛み分けたビールを流し込む、ああ僕は人間なんだと感られる一瞬のひととき。
44位 白身魚フライ
サクサクとした食感に口に入れた瞬間に広がる魚の凝縮された旨味、ソースをかけてもタルタルソースをかけても良し。油っこさも逆にビールとの相性を引き立てる。いつも白身魚フライを食べるたびに思う。果たして揚げられているのは白身魚なのか、僕たちなのか。
43位 カマンベールチーズフライ
濃厚なチーズの旨味をギュッと閉じ込めフライにした、まさに至高の逸品。外はサクサク、中はトロトロ。まるで心までとろけてしまいそうなその味に自我を失いそうになるのを必死に抑える日々だ。
42位 あたりめ
食えるもんなら食ってみろ、そんな挑戦状を叩きつけられたような気がする。上等だ、やってやろうじゃないか。勝負はこれから、夜はこれからだ。
41位 おかき
日本という国が生み出した米菓子、外国の飲料ビールと一緒に味わえばうまいものには国境などないんだと強くとても強く思う。
40位 もろきゅう
あの夏の日に白いワンピースを着た彼女と食べた採れたてのキュウリ。田舎の母からもった味噌、そしてビール。その三つが組み合わさったとき、思い出とともに涙が溢れる。あの日に帰れたならもう一度あの微笑みに会いたい。
39位 ローストビーフ
熟成された肉とビールが合わないわけはない。それはこの世の真理であり、唯一無二の絶対なる存在。生まれながらの王の資質を持つ者に出会ったときも同じ感覚だった。
38位 串かつ
豚肉、玉ねぎ、ソース、衣、四位が一体となった時、ひとつの物語が生まれる。まるでイギリスのリヴァプールで生まれたカブトムシという名の最高にクールな四人のロックバンドのようだ。
37位 スルメ
派手じゃなくていい、噛めば噛むほど味の出るスルメのような男になりなさい。そんな母の言葉を大切にして生きてきた。小さかった近所のイタズラ小僧ももう大人。自宅で飲む缶ビールの横にはいつもスルメがある。母さん、僕はスルメのような男になれていますか?
36位 プロセスチーズ
「Process」より「Result」が大事だ。そう耳にタコができるほど言われてきた。でも僕は過程にもこだわりたい。このチーズのように過程にもこだわったからこそこんなにも濃厚な味わいを生み出すことができるのだから。
35位 クラッツ
これは革命だ。クラッカーとチーズのレボリューション。こんなものがビールと合わないわけはない。時代はいつも変わりゆく、歴史はその進化を止めることはない。
34位 生ハム
ワインと相性が良いことで知られる生ハムはビールとの相性ももちろん抜群だ。肉の繊維一本一本が食欲と酒欲を刺激し、まるで稲妻のように身体中を駆け巡る。己の中の野性が目を覚ます。
33位 たこわさ
ツンと鼻をつんざくワサビとタコのコリコリとした歯ごたえ。昨日を忘れさせてくれる、今日を生きる活力になる、明日への希望になる。
32位 焼き肉
「ジュワジュワ」そんなハーモニーを奏でながら食の音楽祭が始まる。もちろん指揮者はビール。「ゴクッゴクッ」指揮者のリズムに合わせながら肉は歌い出す。そこにあるものが永遠だと信じるかのように。
31位 生ウニ
海という地球が生み出した宝石、ウニ。口に含むたびにその煌めきを感じ、感動のあまり足がすくむ。ビールを口に運ぶ、地球の神秘に心から感謝。
30位 ちくわ
その空洞から覗きこめば何が見えるのだろう。希望か絶望か。何も飾らないその味は我々を常に無へと導いてくれる。
29位 ポップコーン
「サクッ、サクッ」一度口に運べば、トオウモロコシ本来の旨味がまさに爆発(ポップ)する。そしてビールを口に流し込む、上手い。もはや口内はビックバン状態だ。
28位 えびせん
海老の風味にサクッとした歯ごたえと一瞬で口の中で無くなる口溶けはまさに雪のように心に染み渡る。
27位 長芋の磯辺焼き
長芋も粘り気とサクサクとした食感、そして甘しょっぱい醤油。そのどこか懐かしい味はどこまでも続く一本道、田畑、川、犬の泣き声、祖母の笑い声。そこに幸せはあった。
26位 チーズかまぼこ
かまぼこの中に閉じ込められたチーズが弾ける。心が解放され、身が軽くなり笑顔が溢れる。一点の曇りもないあの日のような笑顔に出会える。
25位 焼き鳥
網の上でワルツを踊る鳥達は何を伝えようとしているのだろうか。社会という狭い檻の中に閉じ込められた僕らにも翼はあるんだよと囁かれた気がした。
24位 貝ひも
気付かないうちに自分の限界というものを自分で決めてしまっていたのかもしれない。噛めば噛むほど味わいが増す貝ひもは食べるたびにそんな物思いに耽る。
23位 フライドチキン
どんなときも僕の心を躍らせ、血を滾らせてくれる、昨日の自分より少しだけ強い自分に出会うことができる。
22位 カニ味噌
苦味の中に隠された確かな旨味は、闇に葬られた真実。それは希望か絶望か。なにが待っていたとしても決して逃げたくはない。
21位 焼き鮭
あふれ出るその塩気は鮭の涙なのだろうか。悲しみの中にこそ希望が広がっている、そんな常套句はもう僕らには必要ない。ただ前を見て進んでいくだけだ。
20位 枝豆
まるで最初からそこにいたかのように僕らはそれを知っていた。決して主役にはなれない。影でいい、光がなければ影は生まれないのだから。
19位 ポテトチップス
さきのことなど考えず太く、短く生きていきたい。ポテトチップス、ビール、彼らにはそんな共通点があるのかもしれない。そんな彼らが負けるはずはない。
18位 餃子
滲み出る肉汁、ニラと豚肉の食欲をそそる香り。三日月を模したその形は僕らの足元をそっと照らしてくれる。
17位 肉巻きアスパラ
アスパラの瑞々しさと豚肉の猛々しさ、片方だけでは決して成し得なかった領域にたどり着いたその先に見えるのは光あふれる世界。一人じゃ何もできないかもしれない、でも二人なら。
16位 手羽先の唐揚げ
恥も外聞も捨てて素手で夢中でかぶりつく。そこには価値観も、理念も、政治も、宗教もない。ただうまいものを食べ酒を飲む。世界は決して一つになれないとリアリストは言ったが、この瞬間だけは一つだ。
15位 バタピー
少しの塩気、そしてバター。これだけあればいい、何もいらない。君がそこにいてさえくれればいいと言ったあなたのようにバタピーはそっと静かに微笑んでくれている。
14位 スモークチーズ
いぶされ、深みを増したチーズ、芳醇な香り。僕らには帰る場所がある、煙のように風に流されどんな遠くにいようと待ってくれている人がいる。
13位 ポテトサラダ
ポテトとマヨネーズ、酸味と甘みの絶妙なバランスは口の中でいつまでもその余韻を残しながら広がっていく。ドッシリとした面構えの中にたしかな温もりを感じさせながら。
12位 鶏の唐揚げ
その衣を噛みちぎれば目に浮かぶのは大空を自由に飛び回る鳥達の姿。溢れ出る肉汁は鳥達が生きたその証なのだろう。「生命」を食らう、その意味をグッと噛みしめる。
11位 柿の種
「ポリッポリッ」一粒、また一粒と食べるたびにその表情を変えながら僕達を飽きさせることはない。そこにビールを合わせることで更にその輪郭を変え、驚きの中に楽しさが加わる。
10位 チータラ
変わりゆくものと、変わらないもの、どちらが優れているだとかどちらが劣っているだとかそんなものはない。どちらもかけがえないのないもの。僕はチータラが変わらないでいてくれて本当に良かったと思う。
9位 スモークサーモン
脂の乗り切ったその躯体は彼が、彼女が生きてきた証、刻んできた時間。「ありがとう」食べる前にそっと呟く。
8位 ビーフジャーキー
親に隠れてつまみ食いしたビーフジャーキー。初めて口にした時の衝撃は未だに忘れることはできない。震える心臓。鳴り止まない鼓動、湧き上がる感動。生まれる衝動。
7位 ウインナー
簡単なものほど奥が深い、単純なようで難解、だからこそもっと深くまで知りたくなるんだ。
6位 湯豆腐
「ほっとする」「心まで温まる」そんな食べ物がこの世にいくつあるだろう。ツルッとしたのどごしはアルコールの進み具合をより一層加速させる。幸せな時間、湯気でけむる君の笑顔と共に。
5位 イカリング
口に入れた途端に未来が弾け道が広がる。麦芽と合わさることで柔と剛、善と悪が絡み合う。それはまるでメビウスの輪。
4位 フライドポテト
フライドポテトとビール、それはこの世そのものと言っても間違いではない。フライドポテトが人なら、ビールは人々が暮らす街。
3位 カルパス
それを知ってしまえばもう決して逃れることはできない。それはまるで呪縛のように私を捕らえて離さない。目を瞑り、噛みしめる。
2位 ピザ
トロトロのチーズ、トマトの甘み、カリカリのベーコン。ビールと共に口に運べば身体の中にアメリカが流れ込む。
1位 イカフライ
人類の英知の結晶。この地球(ほし)が生み出した奇跡。それがイカロス。希望の翼。
みなさんの好きなおつまみはなんですか?