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ポルノグラフィティ『オー!リバル』感想

 本当にここ数年、いやポルノグラフィティの全楽曲の中でも相当気合の入った曲。コナンの映画に合うかどうかはともかく、ポルノグラフィティの名曲のひとつになっていくのは間違いないでしょう。マジで待ち焦がれてた恋人に出会えた気分。

正直ここ数年のシングル曲はイマイチ芯食ってないというか当たらないような曲が多かったんですけど、今回は「やっと俺の声が届いたか」とめちゃめちゃ嬉しくなりました。発売前ラジオで解禁された時からこんなにエンドレスリピートしたのは「2012spark」以来。だが、この「オー!リバル」はまさに一発でガツンと釘バットで頭を殴られたようなパンチのある曲に仕上がってます。

楽曲について補足すると、「アゲハ蝶」「ジョバイロ」などポルノグラフィティの代表曲と呼ばれる楽曲たちを彷彿とさせるようなラテン調のメロディに公式発表でもあるようにピッコロ・ガットギター・アコーディオンの音色が足されmそこにtasuku編曲のEDM要素が加わったいわば過去と現在のポルノの悪魔合体。ラテンとデジロックがここまで相性がいいとはリバルを聴くまではおよそ見当もつかなかったんだが、全編通して吐くほど良い。

 

特に一番の聴きどころは、二番終わりの

「む〜しばぁむ〜ときがくることうぉ〜〜〜〜(ピョ〜〜〜〜〜〜ピョオオ〜〜〜ッロロロロロロピョッピョピョピョピョピョ(オーレオレーオー)ピョビ〜〜〜〜〜ヒョロロロロ(デーデッテデーデッテ)ピョロロロロ(オーレーオレーオー)デーデッテデーデッテ(オーレーオレーオー)ピョロロロロ(デーデッテデーデッテ)オーレーオーレーオ(ピョロロロロ)デーデッテデーデッテ(オーレーオーレオー)ピョロロロロ(デーデッテデーデッテデデデデデデッダーン!!!」

はい、ここ。ここのグルーヴ感でおもらしします。ありがとうございます。

 

ちなみに作詞は新藤晴一で作曲は岡野昭仁。この組み合わせは「今宵、月が見えずとも」をはじめ「2012spark」「天気職人」「ライン」「ギフト」「瞳の奥をのぞかせて」と打てば当たる組み合わせとして最新ポルノの鉄板とも言えますがここまでセールスにも直結したこれまでのクリーンヒットはなかったので、ポルノグラフィティファンとして逆・脱腸の思いです。

 

また、ラジオ『カフェイン11』において晴一はこの曲を初オンエアするにあたってこんなコメントをしていました。

普段自分だけで、ヒラから曲を作るときに発想しきれなかった、逆に言うと縛りにもなるかもしれないことをあえて自分に課してみて新しいものが作れないかなと思うわけ。

例えば今回は「リバル」「ライバル」なんだけども、このコナンの今回の(映画)が「ライバル関係」なわけじゃないですか、コナンと怪盗キッド が。これって「ライバル関係」のことを歌詞にすることなんてヒラで自分が考えたら歌詞になりにくいし、使わんわけ。やっぱりこう「恋愛モノ」だとか「明日 は良い日さ」って書くほうが歌詞になりやすいし。

でもこういう機会があるから、コナンっていう映画と一緒にやれるからあえてあまり歌詞のテーマになってないような、俺達のようなジャンルの歌手の歌詞のテーマに挑戦できるし、きっと聴いてもらったらラテン調というか、それもこういう映画の世界観みたいなことで挑戦できるというか、自分ら的には相乗効果をもらっていると思うんですけど

このコメントを聞いても、ポルノ側にとっても挑戦した一曲だということがわかる。歌詞を改めて読んでもわかるように表現というものにかなりプライドを持って書いている彼。ワンフレーズワンフレーズ丁寧に、下手な英語詞に逃げるんじゃなく、きちんと「日本語」というものと向き合って書いたんだろうな、というのが詞の節々から感じることができます

さらに今回の歌詞は「ネオメロドラマティック」を彷彿とさせるような歌詞の詰め込み方で、内容もコナンと怪盗キッドという二人の「ライバル関係」をテーマにしているとあって一番サビの部分

肌を焦がすような南風が吹いた

言葉は意味を無くし 熱で感じ合う

嵐呼ぶロンド

もっと別の場所で 何気ない場面で

もし会えていたならどうだったろう

手と手を取り合えたかな

さらに二番サビの

お前は誰でもない 鏡の向こう側

この姿を映してる ありのままにただ 演じているだけ

心の中に棲む 弱さを恐れてた

ウイルスみたいにいつかこの身を 蝕む時が来ることを

という歌詞を見ても分かる通り、容姿が瓜二つで性格もどこか似ているのコナン(工藤新一)と怪盗キッドの関係性を凄くうまく表していて面白い。かと言って、そこまでコナンよりの歌詞というわけでもない。二番の歌詞は「お前はだれでもない 鏡の向こう側」と歌っているように「ライバル」を「自分自身」としているようにも思えるし、ラストサビの

ギターが刻むのは踊り子のステップ

銀の髪飾りを揺らしながら どこへと我を誘う?

というこの部分は、異性を表しているようにも思える。

ただ正直、オー!リバルを「なんの曲なんだよ」と聞かれても「いや…概念?」としか言いようがない。歌詞を読んでも、一人称も曖昧(「我」て)で自分に向けてのメッセージなのか相手に向けてのメッセージなのか、友情の曲なのか恋愛の曲なのか、さっぱりわからん。マジで「ライバル」という概念を抽象的に歌詞に落とし込んだこれまでの音楽のなかでもまったく新しいタイプの曲、化物。

 

カップリング曲もかなり充実していて「デザイア(岡野昭仁作詞作曲」は激しいデジタルロックの曲でセクシーな歌詞が特徴、「空が青すぎて(新藤晴一作詞作曲)」はギターのカッティングの爽やかなメロディに切ない歌詞が特徴的の失恋の曲。どちらも高いの個性が出ていて、1枚通して聴くとより「ポルノグラフィティ」というアーティストの幅の広さ、音楽性の高さを堪能することができる。今のポルノファンはもちろん、最近はポルノ聴かなくなったという元ファンも音楽のペガサス流星拳に正面から殴り殺される一枚。

  

オー!リバル

オー!リバル

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