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ポルノグラフィティ『ミステーロ』感想

ミステーロ

ミステーロ

  • ポルノグラフィティ
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

先に発表されていたアルバム先行配信曲『Ohhh‼︎!HANABI』に良い意味でも悪い意味でも衝撃を受けたことで新アルバム『RHINOCEROS(ライノセロス)』に期待と不安が入り混じっていましたが、完全にこの『ミステーロ』によって期待100%へと振り切れました。『サウダージ』『アゲハ蝶』など過去の名曲と比べてもなんら遜色のない楽曲。だからなおさら『俺たちのセレブレーション』とか『ワンウーマンショー』をシングルに持ってきて『ミステーロ』をアルバムの一曲に置いておくあたり、もうちょっと売り方考えたほうがいいのになぁと思いました。

 
曲自体は最近のポルノグラフィティのマイブームらしき『俺たちのセレブレーション』『ワンウーマンショー』『オー!リバル』から続くサビ始まりのメロディから展開される新藤晴一の真骨頂である意味の分からない歌詞、あれだけ滑舌が良いのに歌詞が聴き取れないほどの畳み掛けるようなメロディ、この初聴ではまずなにが言いたいのか伝わらないというのがポルノグラフィティの最大の魅力ですが、それが存分に堪能できる一曲でした。ちなみにタイトルの『ミステーロ』とはイタリア語で「神秘・謎」という意味。ラブソングを匂わせながら、他にも意味があるのではないかと思わず勘ぐりたくなる歌詞の内容でした。ラストのセリフもポルノの楽曲では珍しく、最後の一音まで楽しむことができます。
 
ポルノグラフィティの楽曲を聴いていていつも思うことが、並のアーティストなら例えば「あなたが好き」という曲を書くときに「こうこうこういうところがあなたの好きなところ」と書くところをポルノグラフィティ、特に新藤晴一は「こうこうこういうところがこういう理由でこうなっているからあなたのこうこうこういうところの魅力なんだよ。つまりこうこうこういう〜」といかに「好き」とか「愛してる」を使わずに表現できるかに重きを置いている節があるのです。この『ミステーロ』に関して言えばメッセージソングというよりも、曲の持つ空気感を最大限に伝えられる言葉を散りばめているようでした。「うんこしたい」っていうときに「うんこしたい」と歌わずに「暴れ出した獣たちの濁流が押し寄せる〜」と綴るのがポルノグラフィティです。(そんな曲はない)
 
こういった二文字を伝えるために千文字を使うスタンスが大好きなのです。たしかにストレートに思いの丈をぶつけるのが一番相手に想いを伝えるうえでは有効な攻撃手段かもしれません。しかし、メロディに言葉を乗せられる「歌」ということに関しては一聴して意味が理解できなくても、ある言葉、フレーズが耳に引っかかっていてそれが何度も何度も聴くことによってある日突然本当の意味で自分の中で理解できたとき、それはストレートな言葉を遥かに超えて心に響くものになると思います。
 
そういう側面を感じさせてくれるポルノグラフィティの新曲、うんこいや、『ミステーロ』、発売日まで何度も聴き込みたくなる名曲でした。
 

 

RHINOCEROS

RHINOCEROS