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かんそう

かんそうブログ。20代後半男。札幌

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ポルノグラフィティアルバム『RHINOCEROS』全曲感想

ポルノグラフィティの10枚目のアルバム『RHINOCEROS』の感想です。

タイトル『RHINOCEROS(ライノセロス)』は日本語で動物の「サイ」という意味。すでに発売していた3曲のシングルの一応のコンセプトが「見んさい」「聞きんさい」「歌いんさい」っていうコンセプトからなるものだったのでその「さい」をとってこのアルバム名にしたという説明すると思わず赤面して顔を覆ってしまうような親父ギャグタイトル。そんなタイトルと反してアルバムはめちゃくちゃ格好良い一枚でした。ジャケットは最近のアルバムはメンバーの写真が派手に使われたりとちょっと購入しづらい感じだったのですが今回はドでかいタイトルに某ロックバンドのベストアルバムを彷彿とさせるようなサイの画像でシンプルな男でも買いやすい一枚です。

ポルノグラフィティのオリジナルアルバムで最高傑作といえばファーストアルバムの『ロマンチスト・エゴイスト』かセカンドアルバムの『foo?』だろというのが多くのポルノグラフィティファンの共通認識としてあるのですが、今回のアルバムは間違いなくその2枚に負けず劣らずの名盤だと思いました。昔と明らかに違うところは二人の振り幅の増した歌詞と曲もさることながら、忘れてはならないのが昭仁の歌唱力の違い。それこそ昔のアルバムを聴くと良くも悪くも一本調子でクセのない歌い方をしているのですが最近、特に今作では曲によってがらりと歌い方を変えています。アップテンポとバラードではもちろんですが例えば同じバラードでも「wataridori」「ワンウーマンショー」「AGAIN」と聴き比べると全然声が違っていてすげー面白い。昔より語尾下がりの癖が強い気がするんで、曲によってはちょっと聴きにくかったりもするのですが、ガチッとハマる曲はめちゃくちゃ格好良いです。

そもそも、一枚のアルバムが好きかどうかを決める判断基準って人それぞれだと思うんですけど、多くの人の評価対象になるポイントは曲順とかコンセプトとかみたいな言葉で言い表すのが難しい要素じゃなく単純に「好きな曲が多く入っているかどうか」だと思います。例えるなら、スポーツ漫画でよくある「帝」「王」「山」「神」が付くチームの考え方のそれで「エースで4番が9人いれば最強だろ」的なやつじゃないでしょうか。だから極論は自分の大好きな曲が14曲入ったアルバムがあれば「ぼくのかんがえたさいきょうのアルバム」で、だからエースで4番ばかりが収録されているベストアルバムが売れるのだと思います。

ただ、この『RHINOCEROS』は少し違っていて、1曲目の「ANGRY BIRD」でガッと心臓を鷲掴みにされ、続く近年の代表曲のひとつとなり得る「オー!リバル」の流れやアルバムのラストにシングル級の「ミステーロ」を持ってくるあたり、野球で言えば3・4・5番のクリーンナップを1・2・9番に持ってくるような確信犯的な曲順配置の仕方に完全にやられました。いままでだったら多分m-CABIとかパノラマポルノみたいに「俺たちのセレブレーション」始まりの「wataridori」終わりとかでそれじゃ定石通りで物足りなく感じてたかもしれない。

中盤の「Hey Mama」やインストの「螺旋」もすごい良いアクセントになっていて、1曲1曲が濃厚で、ともすれば少し綻べばバラバラになりそうな個性派が集まったチーム、いわば湘北高校、青春学園的アルバムを1枚のロックアルバムにまとめているあたりは、それこそエースを揃えた山王高校、氷帝学園的なアルバムの『ロマンチスト・エゴイスト』『foo?』に勝るとも劣らないアルバムでした。

「なぁ、樺地?」

「ウス」

というわけで全曲感想です。

 

1.ANGRY BIRD

ポルノグラフィティで一番好きな曲はその時々でコロコロ変わるんですけど、この「ANGRY BIRD」がめでたく単独一位となりました。「てめえなんでシングルで切らねえんだ」とスタッフを苦いお茶を飲ませながら小一時間問い詰めたくなるくらいに完成度の高い曲。「ラック」とか「煙」とかに近いゴツゴツとしたロックナンバー。

多くの人が抱く「ポルノグラフィティ」のイメージとはずいぶんかけ離れていて、手当たり次第ぶん殴ってくるヤカラのような攻撃的な曲なんですけど、それが恐ろしいくらいガッチリはまっていて、しばらくこの路線で進んでくれないかなと思った。

2.オー!リバル

最近のシングルの「狙って書いても当たらない感」はファンから見ていても感じていたのですが、この曲はタイアップから詞から曲から本当に「みんなのすきなポルノグラフィティ」の曲でした。「2012Spark」然り、昭仁曲晴一詞編曲taskuは今のポルノにおける最高の組み合わせだと思います。

好きなところを細かく挙げれば2番終わりの「蝕む時がくることを」のあとのオレオレーまでの高揚感がたまりません。

3.Ohhh!!! HANABI

編曲が大好きなSMAPの「free bird」のシライシ紗トリさんということで期待してたんですけど、解禁されたときから悪い意味で度肝抜かれてすげぇ嫌いな曲でした。サビの「ヒュルルドカン」「あ〜かあ〜おき〜んぎ〜ん」の糞ダサさとか「あでやかだねぇ〜〜〜っ」のTUBE前田感のある歌い方とか2番の「ハッとしてグッと」のトシちゃんオマージュ感は聴いていて恥ずかしすぎて聴いてられん。なのに一発聴いたら口ずさめるほどメロディーラインがキャッチーなのがまた鬱陶しい。これがこれからの盛り上げ定番曲になるのかと考えると白目剥くしかない。Ohhh!!! HANABI憎けりゃ袈裟まで憎い。

ただ歌詞に関しては思い返してみると「ミュージックアワー」の恋するウサギちゃん然り「NaNaNaサマーガール」然りポルノの夏曲はダサいのが通説ということで血ぃ出るほど歯を食いしばりながら納得しました。あえてのダサさかよと。

4.wataridori

「むかいあわせ」「生まれた街」のような昭仁バラード。ただこの2曲と違うのは「曲が短い」というところでした。起承転結のあるはっきりとしたドラマチックなバラードなのにくどくない聴きやすい曲。

5.Hey Mama

「ウェンディの薄い文字」に続く、晴一歌唱の曲で前情報からものすごい人身事故になるのかと思ったのですが意外や意外、次曲の「俺たちのセレブレーション」に繋がるようなくさびの曲でしたって思ってたらラストの日本語で衝突した。

6.俺たちのセレブレーション

別にこの曲自体は特別好きじゃなくてむしろ初めて聴いたとき「おいやめとけ」ってなったシングルでした。ただ番組でやたら中居君が褒めてたことだけは覚えてます。

特に1番2番で作詞が変わっているせいなのかなんなのか曲全体のカオスな感じが気になってしょうがなかったのですが、アルバムの流れとして「Hey Mama」のあとに聴くとこのカオス具合がうまい具合に中和されている感じがしました。

7.Stand Alone

「Human Being」や「PRISON MANSION」のような騒がしい曲。Bメロのちぐはぐ感が癖になる面白い曲。サビ終わりの昭仁の高音どうやって出してんだ。 

8.ワン・ウーマン・ショー 〜甘い幻〜

僕はこの曲めちゃくちゃ好きなんですけど、死ぬほど評判悪いんですって。雑誌『ワッツイン』での晴一曰く「もう狙って曲書くのやめた」って。誰よ!新藤君の悪口言ったの!どう責任取るつもり!?夜空から始まって朝日終わる起承転結のはっきりした小説のような歌詞に昭仁の声によく合うメロディ、最高じゃないの!最後の囁きがいらねえ?知らないわよそんなの!

9.ソーシャル ESCAPE

SNS時代である現代を皮肉った曲で良くも悪くも「どこの若手バンドの1曲目だよ」と思いました。こういう曲もやる振り幅がポルノグラフィティです。 

10.バベルの風

9枚目のアルバム『PANORAMA PORNO』に収録されていた「カシオペヤの後悔」を彷彿とさせるデジロックナンバー。岡野昭仁という人間の声はアップテンポでもポップな曲よりなんだかんだこういうロック寄りの曲が合っている気がします。

11.AGAIN

俺はこの曲を失恋の曲だと思って聴いていたんですけど、別に具体的に2人の関係を示しているものは何もなくて。多分リスナー一人ひとり受け取り方が違ってくると思うんですけど、普通こんな書き方したら破綻するんですよ、なんの曲だよこれって。だって「AGAIN」しか言ってないんですよこの曲。結局最後まで「会いたい」とも「好きだ」だとも言わない。でもここまで胸に響く表現力たるや現代の小林一茶かと。

個人的には失恋とか別れの曲を書かせたらポルノグラフィティは日本一だと思っているんですけど、その理由はどっかの男とか女みたいに「まだ好きなのだから会いたいの」を歌にするときにそのまま「まだ好きだから会いたいの」って言わないとこです。いや、厳密には言ってるんだけどギリギリまで言わない。例えば、ドラマだって1話で「○○が大好き!」ってヒロインが言っちゃったら残り9話なにすんだよてめえって思うじゃないですか。女優はかわいいし、主演はどうせジャニーズだから適当にいちゃつかせときゃいいかもしれないですけど、それを歌でやっちゃったら俺は「つまらねぇ曲だな」って思うでしょう。

仮にそれが往年のベテラン、例えばウルフルズのトータス松本さんみたいにキャラも立っていて年輪も重ねて酸いも甘いも知り尽くした人が「イエーイ!君を好きでよかった」ってやるんなら一周回って心に響きますけど、そこまで達するのは容易じゃないので。ファンキー加藤にイライラする理由も多分そこから来てる。そういう「言わない妙」みたいなものがよくわかる曲です。やっぱりポルノは回りくどいのが合ってる気がします。

12.Good luck to you

まさかの新藤晴一ラップ。このギターがたまにCメロで突然歌い出す感じどっかで聴いたなーって思ったらB'zがたまにやってました。そんな悪くないのが面白い。それと「抱きたいか抱きたくないかだ」のあとなんて言ってんだ。

13.螺旋

どっちができたのが先かは知らないですけど、次の「ミステーロ」に繋がる異国感のあるインスト。

14.ミステーロ

「ANGRY BIRD」を聴くまではこの曲が一位でした。ずっと待ち望んでたこの歌詞の意味分からん感。『ネオメロドラマティック』『ジョバイロ』を彷彿させるような比喩アンド比喩。「神話の中に捨てた首飾り」「間違いだらけで作る可憐なドレス」は?

上の感想記事や「AGAIN」の感想でも書いたんですけど新藤晴一のたった数文字を表現するのに千文字を尽くすスタイルが大好きです。

 

 

ひと通り聴き終えての思ったのは、「見んさい「ANGRY BIRD」、聞きんさい「AGAIN」、歌いんさい「オー!リバル」だったら売上げ4倍だったろ」です。それでは。

RHINOCEROS(初回生産限定盤)(DVD付)

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