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雪かきをしていたらじいさんが仲間になりたそうにこちらを見ていた

今朝、積もりに積もった雪をかき出していると、同じく前方で自分の家の庭の雪かきをしていたじいさんが仲間になりたそうにこちらを見ていた。じいさんの澄んだ瞳はさながらサファイアのようで、俺はそんなじいさんの眼差しを一心に受けながら雪かきを続けた。

仲間になりたそうにこちらを見ているじいさんの出で立ちは紺色のジャンパーに小麦色のシャカ、茶色の長靴にダックスフンドのような帽子をかぶり、軍手をしている。派手なファッション俺に羨望そんなシュチュエーション。こんなハイセンスな格好のじいさんは此処、北の大地・北海道では医師を投げたら坊主に当たるほどいるのでさほど珍しいことではないが、もし医師が外科医ではなく麻酔科医だった場合は大学病院内に限ってはじいさんよりもばあさんに当たってしまうことのほうが多い。という北海道ではゴミを「投げる」と言うレベルの北海道あるあるもこの大雪の中では白い雪山に埋もれてしまう。だが、そもそも医師を投げれば坊主に当たるということわざは結局のところことわざでしかなく、実際にはそんな状況に出くわすことのほうが稀なのだが、今回ばかりはそのことわざを思わず発したくなるようなじいさんの出で立ちに懐かしさと少しの違和感を覚えながらも雪かきを続けた。

しばらく雪かきをして流石に腰も疲れてきたので、ちょっと家に入って一休みしようかな。そんなことをブツブツと呟きながらじいさんが仲間になりたそうにこちらを見ながら雪かきをしているので俺はさっさと自分のテリトリーの雪かきを終わらせて、温かいブラックコーヒーでも飲もう。と言った。しかし降り始めた雪は足跡消して真っ白な世界に一人の私、風が心にささやくの、コートの上から抱きしめといてちょっと太った?なんて聞かないで。性格変えたほうがいいかもよ。そんな鼻歌を口ずさみながらする雪かきは秘密基地を作ると張り切って幼き頃に土を掘ったときのことを思い出す。こんな風にスコップをふるうことも久しぶりだな、と、じいさんがブツブツと言っているので俺は怖くなって雪かきを切り上げようとした。こう雪が降ってしまうと朝雪かきをしても昼にはまたツモり始めてしまうので、ソウソウ(二索)に雪かきをテンパイしたい。そう思い雪かきを止め、家へと足を運ぼうとすると仲間になりたそうにこちらを見ていたじいさんがこっちに向かって何かを叫んでいる。

オイオイ、悪いけど仲間にはしてあげられないよ、馬車は一杯なんだ。そう言おうとじいさんに近寄るとじいさんが一言、

「そこ、ウチの敷地!そこに雪投げないで!」

雪も「捨てる」んじゃなく、「投げる」なんですね。すいませんでした。

 

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