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映画『僕だけがいない街』感想(ネタバレ)

映画『僕だけがいない街』を観てきた。

原作は未読で、藤原竜也の絶叫と有村架純のかわいさ目当てだったのでそこまで期待はしてなかったけどきれいにまとまった良い映画だった。原作は読まなくて正解だと思った。

謎解きが大きなキモで犯人がわかってしまうと観る理由がそれこそ藤原竜也の絶叫と有村架純のかわいさしかなくなってしまう映画で、なるべく頭カラッポのほうが夢詰め込めるので楽しく観られる。ので、これから観ようかなと思う人はこれ含めネタバレになりそうなものには触れないほうがいいかもしれない。

 

と、一応注意書きはしたのでここからは何の躊躇もなくネタバレします。

 

面白かったけど、あー、まぁ、ここは、うーん、そうなるかー、仕方ないよねー、っていう部分もあった。

まず、肝心の藤原竜也の絶叫は、あった。母親(石田ゆり子)が殺され、部屋に駆けつけた藤原竜也もとい主人公・藤沼悟が介抱するシーンで「リ゛ハ゛イ゛ハ゛ル゛!!!お゛き゛ろ゛ぉ゛!!!!!」と絶叫していた。

最終的に悟は犯人・小学校の担任もとい及川光博もといミッチーと揉み合いの末、首にナイフがザクーッっと刺さって死んでしまうんだけども、そこは普通だった。俺はてっきり例によってDEATH NOTEの夜神月みたいに「く゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!な゛ん゛て゛た゛よ゛ぉ゛!!!!!と゛う゛し゛て゛!!!!!!と゛う゛し゛て゛!!!!!!死゛に゛た゛く゛な゛い゛!!!!!!リ゛ハ゛イ゛ハ゛ル゛!!!リ゛ハ゛イ゛ハ゛ル゛!!!お゛き゛ろ゛ぉ゛!!!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」とのたうち回り、絶叫しながら死ぬもんだと思っていたので、逆にそんな普通の藤原竜也は久しぶりで新鮮だった。

有村架純はいつもの如くべらぼうにかわいかった。有村架純が演じた片桐愛梨はスッと他人の心の壁を取り払ってしまうような天真爛漫な女の子だったので有村架純の殺しの笑顔と相まって少なくとも俺は完全に殺された。空に向かって両手でシャッターを切ったり、悟の胸を手でハサミを作りチョキチョキしたり、いちいち芝居臭いのも有村架純の魅力を倍増させるだけだった。でもあれは並の女優ならとても観られたもんじゃなかったと思う。

映画を観ていてまず一番最初に思ったのが「これ撮影大変すぎるでしょ」だった。主人公の藤沼悟(藤原竜也)の能力『リバイバル』を再現するのに、何回も同じシーンを繰り返す。まったく同じタイミングで全く同じ動き、会話を悟以外はしなくちゃならないわけで、観ている人がそこに違和感を少しでも感じたらもうアウト。そこをある意味ミリ単位の正確さで再現するっていうのは並大抵のことじゃないが、なんの違和感もなくリバイバルしてたので感動した。

母親(石田ゆり子)が殺されてから19年前にリバイバルする大事なシーンも悟役はじめ子供達がすごいしっかりしていたのでスッと入り込めた。ただ石田ゆり子はじめみんな北海道弁が下手とまでは言わないけど過剰でやたら「したっけ」を連発してたのだけは気になった。まぁそこは石田ゆり子がかわいいから許した。

あとは肝心の犯人がちょっと勘の良い人なら早い段階で目星がつくのが少し残念だった。これは日本の映画、ドラマの悪い部分だと思ってて、キャスティングの際に誰を犯人役にするかと考えた時、無名の俳優が犯人役になることはそうない。これは力が入ってる作品であればあるほどそうで、必然的にある程度名のある俳優になるのはもう仕方ないことでもある。だからいくらチョイ役を装って事件に関係ないフリをしても「なんでこの人がこんな役なんだろ」と違和感が芽生える。そしてこの『僕だけがいない街』で言えばただでさえ少ない登場済み人物の中に真犯人がいるとすれば、それはもう担任のミッチーしかいない。そこはもうちょい上手くやれなかったもんかなぁと思った。

終盤、悟がリバイバルで犯人を突き止め過去を変えたことで、母も雛月も助かり、悟の周りには友達がたくさんでき、漫画家としても大きく成功する。しかしその代償として愛梨とは何の関係もなくなってしまうのだが、また二人は偶然にも再び出逢うことになる。そのシーンはグッときた。

なぜなら有村架純の太ももがあらわになってめちゃくちゃ興奮した、のではなく、過去を大きく変えたことで成長した悟がリバイバル前には言えなかった自分の気持ちを愛梨に伝える。ちっぽけな自分でも大切な人を守ることができる、それを教えてくれたのは愛梨だった。ここからまた二人の物語が始まるんだ。ということを思って観ていたら、冒頭にも書いたように悟がミッチー先生に首をザクーッっと刺されて死んでしまうので良い意味でも悪い意味でも裏切られた。

さすがにそのシーンは「し!!?死゛ぬ゛の゛か゛よ゛ぉ゛!!!そ゛こ゛て゛リ゛ハ゛イ゛ハ゛ル゛お゛き゛な゛い゛の゛か゛よ゛ぉ゛ぉ゛!!!!!」と心の中で叫んだ。俺は基本的に物語の主人公死ぬエンドが大嫌いなので、せっかくここまで楽しく観てたのに最悪の終わり方かよ自分でもゲンナリするんだろうな、と思ったら意外とだいじょうぶだったので「あぁ、俺は絶叫するしないにかかわらず、藤原竜也の死に際の演技が大好きなんだな」と再認識できたので良かった。

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