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シン・ゴジラのメイキングが最高だった。最高だった

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先日、映画『シン・ゴジラ』のブルーレイが届いた。あのスクリーンの興奮がいつでも味わえるだなんてまさに喜の極み、Thanks!!TOHO.

 

本編がいかに最高なのかは感想文のとおり。それに加えて特典映像が超絶に最高。もしも、あと1度しか「最高」という言葉を使えないとしたら、次の最高は「死」を意味するという宣告を受けたら、俺はシンゴジラのために最後の「最高」を口にしよう、そう決めた。

 

特典Ⅰはあらゆるプロモーション映像が収められた『プロモーション映像集』と『イベント記録映像集』。TVCMから舞台挨拶、発声上映の様子に至るまでほぼすべての映像が収められてる。

特典Ⅱは『現場メイキング』『現場アウトテイク 未使用テイク集』『現場アウトテイク NGテイク集』『現場アウトテイク 現場出しニュース・番組集』『プリヴィズリール集』『プリウィズ・特撮アウトテイク集』『VFXメイキング 〜Shin Godzilla Visual Effects Brekdwon〜』と映画『シン・ゴジラ』そのバックボーンのすべてを覗くことができる。

『現場メイキング』では、小道具の一つひとつであったりとか、ワンシーンワンシーンの作り方であるとか、どこまでが実際の撮影でどこまでが創作かなど『シン・ゴジラ』という作品がどういうふうに形作られているのか、それを肌感覚で感じることのできるほどの距離感の近さにただただ震えるばかりだった。ここまで見せてもらって逆にこっちが申し訳なくなるくらいにシンゴジラの裸体を、その尻の穴までもガッツリと拝ませてくれる。

 

そして個人的に一番興奮したのが『現場アウトテイク NGテイク集』。ご存知のとおり、シンゴジラは怪獣映画であると同時に「有名な役者がいっぱい集まってなんかよくわからない難しい言葉をすごい早口で長々と喋る」映画だ。

よくぞここまで集めた、ニッポンハイユウオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズが発売されたらほぼ全員プレイアブルキャラクターだろうというくらいのメンツ、長谷川博己は「チャオ!」と叫びながらとんでもない高さまでジャンプするし、ピエール瀧は両腕広げて高速回転してくるし、高良健吾はヨーヨーを自分の体に当てて突進してくる、石原さとみはBボタン長押しで自分のくちびるを巨大化させる、これはそんなやつらのいわば耐久大縄跳び。般若心経さながら呟かれる意味不明な長台詞、これはほのぼの日常系ラブコメディではない、聞き慣れない言い慣れない言葉がマシンガンのように飛び交う舌戦場だ。普通は絶対にお目にかかれないような、「この人がここでセリフ飛ばすか」というのがガツガツ映る。ワンカットもべらぼうに長い。それゆえ「NG後の空気感」が恐ろしく、みな笑ってごまかしてはいるが(また最初からやんのかよ…はぁ)というタイミングでNGが出たときの現場のパンパンに膨らんだ風船が破裂して萎んだような空気感が画面から伝わってきてこっちの胃が痛い。みなゴジラと戦っている役に負けないくらい命がけなのだ。

セリフが詰まったあとにペロッと舌を出す市川実日子や石原さとみの「も一回すいませんすいませんごめんなさいごめんなさいほんとごめんなさい」はかわいいが、なかでも特に印象に残ったのはNG集のラストに収められていたこのシーン。

「巨大不明生物の活動凍結を目的とする血液凝固剤経口投与を主軸とした作戦要項、長いですね」

「役所のすることですから」

「ゴジラ凍結作戦、というのも子供っぽいですから『ヤシオリ作戦』としましょう」

「わかりました」

「作戦の作戦運用は5段階、朝霞で詳細に詰めてあります」

「仮設路線と軌条の復旧作業、遠隔操作の訓練と爆薬の設置作業も終了しています」

「あとは実行のみです」

「ありがとうございます」

「礼はいりません…ごめんなさい…あーーーっ!失礼っ…」

じゅ、隼さぁぁぁぁぁぁぁん!!!! 

 

『現場アウトテイク 未使用テイク集』は映画で使用されなかったシーンや、使用されたシーンの別角度の映像が嫌というほど収められているのだが、ものの例えじゃなくマジで「嫌というほど」だ。

例えば、ゴジラの発生源がなんなのかが明らかになり巨災対メンバーのひとり、高橋一生演じる安田が「あーっ!あーっ!あーっ!!こんなんアリかよ!!」と声を上げ他のメンバーに事実を伝えるシーン。

また、ゴジラから出た放射能の影響がほとんどないとわかったときの市川実日子演じる尾頭ヒロミの「これで都内の除染に光明が見えます、はぁ…良かった」と安堵するシーン。

これらがアップ、引き、正面、真横、後部、あらゆる角度から10回以上連続で流れる。正気かと思った。

 

さらに未使用テイクでは、ゴジラ撃墜が失敗し失意のどん底で「考えろ!考えろよ!考えろ!生きたいんだよ!!」と官僚・政治家を叱咤する大河内総理大臣(大杉漣)の3分にも及ぶ顔芸および叫びを拝むことができるのだがこれは必見。アレをカットする庵野秀明という男の良い意味での底意地の悪さ。

 

そして極めつけは、『現場アウトテイク 現場出しニュース・番組集』『プリヴィズリール集』『プリウィズ・特撮アウトテイク集』『VFXメイキング 〜Shin Godzilla Visual Effects Brekdwon〜』。

『現場アウトテイク 現場出しニュース・番組集』はNHKと民放各局のゴジラ報道が収められているのだが、 1ミリも本編で使われることのないような映像がガッツリ作られている。

東京湾で水蒸気が上がった、巨大不明生物出現、避難勧告、名称『ゴジラ』に決定、被害現場への中継、大河内総理や東官房長官(柄本明)の緊急会見、赤坂大臣補佐官(竹野内豊)の臨時内閣発表、果ては被災中の嘘オリジナル番組、嘘作家の嘘インタビューや嘘お天気お姉さんの嘘天気予報、嘘テレビショッピングに嘘タレントの嘘旅番組、嘘バンドの嘘盗作疑惑ニュースまで、ここまでやんのかと、ここまでやってこその『現実 対 虚構』なのかと度肝を抜かれた。

 

『プリヴィズリール集』『プリウィズ・特撮アウトテイク集』『VFXメイキング 〜Shin Godzilla Visual Effects Brekdwon〜』はゴジラという怪物が誕生するまでのすべてが、野村萬斎のモーションキャプチャをはじめCG技術や各シーンの画コンテなど、もはや尻の穴どころかシンゴジラの繊維の一本一本まで見ているような気にさせてくれる。

 

 

これらをふまえて観る本編『シン・ゴジラ』はまさに「真ゴジラ」であり「新ゴジラ」であり「神ゴジラ」だった。そしてシンゴジラを観終えた私は「最高…」とつぶやきその人生を終えた。

 

 

P.S. KREVAどこだよオイ

 

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