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ドン底にいた俺をパチスロだけが認めてくれたんですわ

パチスロ 化物語 [家庭用|中古パチスロ実機 コイン不要機セット]家庭用 中古スロット [おもちゃ&ホビー] [おもちゃ&ホビー]

 

二十歳そこそこの時、パチスロに超ドハマりしてました。 

あ、勘違いしないでもらいたいのが、俺がパチスロやってた理由って、他の連中みたいに「金儲け」だとか「暇つぶし」っていう理由じゃないです。全然違う。

パチスロってね…めちゃめちゃ「認めてくれる」んですよ…。

 

スロット台って、リールと簡単なランプだけのシンプルな作りの一般的なものと、液晶画面がついてアニメの映像なんかが流れるものとがあって、画面がついてるスロットは1/100とかの確率の「スイカ」や「チェリー」みたいないわゆる当選につながる『レア役』が揃うと大当たりしてるかどうかの演出映像が流れるんですね。

ミッション「敵を倒せ!」「告白を成功させろ!」「少女を救出しろ!」みたいな。

 

一応説明しておくと「倒せ!」「させろ!」って煽ってますけど、打ち手がやることって結局はただの『クジ引き』ですから、基本的に【コインを入れる→レバーを叩く→ボタンを押してリールを止める】しかない。しかも、映像が流れた瞬間には内部的に当たってるかどうかはもう決まってるんで、正確には

「敵を倒せるか倒せないかの映像を見るためにコインを入れてリールを回せ!」

ってことです。別に俺が回そうが、菅田将暉が回そうが、石原さとみが回そうが、結果は変わらない。でもね、変わらないのに、スロット台って徹底的に「アナタがスゴいから当たったんです!天才!神!」って讃えてくれるんですよね。

 

例:

レバー、ガシャー

リール、グルグルー

第1ボタン、ポチー

「ズガァァン!!」

第2ボタン、ポチー

「ズガガガァァン!!!」

台の横ビカー!

第3ボタン、ポチー

「ズガガガガガァァン!!!!ビコビコビコーーーン!」

女キャラ「すごいすご〜い!チャンスよ!!!」

 

ミッション『敵を倒せ!』〜敵を倒せばボーナス確定?〜(文字がキリン模様)

レバー、ガシャー

リール、グルグルー

敵キャラ「フハハハ!地獄に送ってやるわ!」

男キャラ「絶対にお前を倒す!」

第1ボタン、ポチー

男キャラの目元アップ、ドーン!

男キャラ、攻撃ズバーン!!

敵キャラ「ぐっ…!」

男キャラ「よし!行ける!!」

第2ボタン、ポチー

敵キャラ「こ、小癪な……」

第3ボタン、ポチー

NEXT!!

 

レバー、ガシャー

リール、グルグルー

第1ボタン、ポチー

「キュィン!!」

第2ボタン、ポチー

「キュキュキュキュィン!!!」

男キャラ「よっしゃぁ!!行くぜェェェ!!ウォォォォォオオ!!!」(赤文字)

台の上の部分ビカー!

画面横の剣のオブジェクトズガーン!!

第3ボタン、ポチー

ギュォォォォォォオオ!!ズガガガガガガガガ!!! ギュインギュインギュインギュインギュイイイイイーーーーーーーー!!!!!

画面グラグラグラグラ〜!!!

台ビカビカビカビカビカーーー!!!

 

字幕「気合を入れて『チャンスボタン』を押せーーーーーーーーー!!」※リールの下辺りに『CHANCE』と書かれたボタンがある。

 

チャンスボタン、ポチー!!!

 

ヒュン…

 

男キャラクター「ウァァァァァァァアアアア!!!!!……チ、チクショウ…ダメか…」

 

画面暗転

 

LOSE...

 

 

えぇ〜...。 目痛っ...。

 

は…?うっわ…ここまでしてハズレかよ…ハァ……

 

 

レバー、ガッシャー

 

 

…キュイキュイキュイキュイキュイーーーーーーーーーン!!!

 

台、虹色にビカビカビカビカビカーーー!!!

 

横の剣、画面にグッサー!!!

 

女キャラ「諦めちゃダメェーーーーーーー!!」(金文字)

 

男キャラ「負けてたまるかーーーーーーーー!!!」(金文字)

 

テ〜ッッテレ〜!!テッテ〜テテ〜♪(主題歌)

 

男キャラ「必殺!!絶対最強無敵超絶無限バーストアターーーーーーーーック!!」(金文字)

 

敵キャラ「グワァァァァァァァァ!!!バ、バカなぁーーーーーーーーー!!!」(金文字)

 

男キャラ「世界の平和は!俺が守る!」(金文字)

 

〜WIN〜

 

Congratulations!!

 

全キャラ「やったぁ!!おめでとうございます!!!ボーナス確定だぁ!!!」

 

 

みたいな…。いや…俺なんもやってねぇから…。バカみたいに口半開きでボタン押してただけだから…。

 

…それで当時、俺がよく打っていたのが『AT』とか『ART』タイプって呼ばれてる種類のスロット台で、わかりやすく言うと

「一度当たるとレア役が揃い続ける限りずっと大当たりの状態が続く」

みたいなシステム。基本的に当たってから50ゲーム(回転)くらいはナビが出るようになって「右!中!左!」「1!2!3!」とか教えてくれるんですけど、それに合わせてボタンを押すと図柄が自動的に揃ってコインが増えていくんですね。それでそのあいだにスイカやチェリーが揃うと、またゲーム数が増えていくっていう仕組み。

 

俺を最も狂わせたのがこの「ナビ」。ある機種を例に挙げると、液晶画面ではかわいいアニメキャラがエッロイ顔してこっちずっと見てるんですよ。で、俺がナビにしたがってボタン押すと、もうとにかく死ぬほど褒めてくれる。

 

「中!右!左!すごーい!」

「左!中!右!さっすが!」

「右!中!左!やるじゃない!」

「右!左!中!そうそう!上手上手!」

 

 

…あの…いや、なんもすごくないんですよ…?

なにが「上手!」だよ、こんなん小1のガキでもヨボヨボのジジイでもできるんだよボケが。

萌えアニメのスロット打ってるジジイどういう神経で打ってるんだよ、バアさん泣くぞお前。

 

…でも、当時の俺にはそれがなによりも心の拠り所だった…。学校卒業して地元の北海道から本州に就職して、知らない土地で一人暮らし。仕事にも慣れず、会社では怒鳴られる毎日。頼れる知り合いもいない。そんな中、スロットの液晶画面だけは俺を讃えてくれた、俺を認めてくれた…。

空虚な「すごい!」を求めてパチンコ屋に通う日々。運良く勝てることも多かったので「もらった給料全部スる」とまではいかないものの、大半の時間と金をスロットに注いでいた…。

 

でも、そんなドン底の俺を救ってくれたのは

「友達との笑い合える時間…」

ではなく、

「恋人ができて知った人を愛する喜び…」

でもなく、

 

「サル」、そう、サル。

 

 

ある日、テレビ点けたら一匹のサルが映ってて。

 

なんか、サルの目の前には赤いボタンがあって、サルがボタンを押すと天井からバナナが落ちてくる仕組みなんですよ。

喜んだサルがまたボタンを押すんですけど、今度はバナナが落ちてこない。でも何回かボタンを押してると、またバナナが落ちてくる。出す側がバナナが落ちる確率を1/3にしてるんですね。

それから確率を1/10…1/50…1/100…って落としていくんですけど、サルはバナナが落ちる喜びを知ってるから全然落ちないのに狂ったようにボタンをバンバン押し続けてて。

 

そのサルの様子見て、ワイプに映ってるタレントがゲラゲラ笑って。

そしたら、学者が出てきて言うんですよ。

 

「これがパチンコ・パチスロ依存症です」

 

 

 

…それから一切パチスロやめて、本とかめっちゃ読むようになった。綿矢りさとか。蹴りたいスロ台。