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ミクスチャーブログ

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映画『魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』はもはや「随筆」

テレビアニメや映画の前後編の完璧な締まりから、[新編]なんざどんな劣化させられるのかと思ったらこれ以上ないほどすべてにおいて完璧な[新編]でおしっこ漏らしてしまいました。

前半の超平和ストーリーと恥ずかしさの中にある、ほんの少しの気持ち悪さと違和感を全回収する中盤〜後半にかけての超展開。どんでん返しに次ぐどんでん返し。もはやこれは「アニメ」という体裁を保った「随筆」です。

『徒然草』『枕草子』『方丈記』そして『まどか☆マギカ』。100年後、確実に教科書に載り、センター試験の問題に出ます。「このときの暁美ほむらの心情を述べよ」と。

まず、冒頭の視聴者への感情のブン回しが室伏広治のハンマーでした。

テレビアニメじゃラストはまどかが神になることで世界は作り変えられ、それによって魔法少女たちは運命の連鎖から解き放たれた、的な締めだったのに、冒頭でいきなり出てくるんですよ神、ふつうに出てきて朝メシ食うんですよ神。

この時点で脳破裂するほど混乱します。アニメ12話が、映画4時間がなにもなかったかのように「王道魔法少女アニメ」やってることに頭バグってくる。「なんだこの世界は」と。なんだこの同人は。パラレルワールドは。杏子てめぇ最終学歴小卒だろうが。なにしれっとクラスメイトやってんだコラ。なにが「キュゥ」だよきっしょと…

そして、世界観がかわいければかわいいほど、5人がみーんな仲良く幸せそうにすればするほど、ゴミ屑糞白イタチがキュゥキュゥとマスコットに徹せば徹すほど、見てるこっちは言いしれぬ違和感と恐怖で気が狂いそうになる。なにが「ピュエラ・マギ・ホーリー・クインテット!」だよくだらねぇ。変身シーンにバカみてぇに時間割きやがって。はやくやめろこんな茶番バカしょうもな。

 

 

杏子の変身で血管切れるほど興奮しました。

 

心のどっかで「このまま物語進まないでくれ…」って願う俺がいるんですよ…。彼女たちだけじゃなく俺もまた「それ」を願っていたんだと。まどか、ほむら、マミ、さやか、杏子の5人が手を取り合い、生きていく物語を。つくりもの、まがいものでもいい、間違っててもいい、この世界が永遠に続いてくれよって……。

だってわかってるから。こんな幸せな世界がこのまま続かないことは。だってこれは「まどか☆マギカ」なんだから。ゴミ屑糞白イタチがキュゥキュゥ以外の言葉を発したとき、それは終わりの始まりだって。わかってんだから、こっから絶望のどん底に落とされんの、わかってんだから。

 

そして、先に待ってたのは絶望なんてそんな生易しいものじゃありませんでした。いや、そりゃあ絶望なんだが、これを「絶望」なんて言葉で片付けていいんか。いや良くねぇ。目の痛くなるくらいに作り込まれたイヌカレーの作画やゴミ屑糞白イタチがもたらす糞味噌展開に目が行きがちだが、このアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』って作品は結局のところ「愛されたい」「愛したい」と願った一人の女の子の物語なんだと。難しそうに見えて難しいことなんてなにひとつないんですよ。しかも、これって決して夢物語じゃない。人はみな誰しもが心のなかに自分だけの『まどか』がいて、それを守るためならなんだってする、なんにだってなれる。

 

そういうことなんだと思ったんです私は。

 

物語終盤の展開を「闇堕ち」だなんて表現する方もいらっしゃるかと思いますが、それは違うと思うんですよ。そこには闇も光も、良いも悪いもない、あるのは少女から少女への「愛」のみだと。彼女は闇に堕ちたんじゃない、「愛成り」そう「愛に成ったんですよ……。

なにを言ってるんでしょうか私は。「愛成り」とか書いたとたんに薄っぺらくなったじゃねぇかよ。なにが「愛成り」だよ。どこの5流シンガーソングライターの曲タイトルだよ。絶対売れねぇだろこんな曲。

俺はしょせん、まどかにもほむらにも、なれないただの雑魚。せいぜいタツヤだよ。わけがわからないよ。

次のポルノグラフィティのライブツアーのヤバさはコウメ太夫がM-1の審査員やるヤバさ

来月からやる次のポルノグラフィティのライブツアー『UNFADED』がヤバいです。例えるなら、コウメ太夫が次のM-1グランプリの審査員やるヤバさがある。予測不能、カオス。

 

ダウンタウンの松ちゃんが「ですよねぇ…いや僕は一番面白かったんですけど。たぶんそうでもないと思う人もおるかなぁ…」とか中川家礼二が「面白かったんですけど…んん〜…なにかこう展開が…ひとつ大きい笑いが…同じ繰り返しがずっとあったんで、違う裏切られた感じも見せてほしかったなぁと思います…」ってガチ審査してる横で、

「それかと思ったら~、あれでした~。チクショー!!」

とか言ってんの。しかも点数超辛いっていう。和牛とかジャルジャルに12点とか平気でつけちゃう。たぶん水田ブチ切れてコウメ太夫ぶん殴るでしょ。めちゃくちゃ見たくないですか?そんな天地ひっくり返ってもあり得ないことが、マミさんとほむらが仲良く紅茶飲んでる世界線が、パラレル・オブ・パラレルワールドが、今回のポルノのライブで起きるんですよ。行くしかないでしょ。

 

わかりやすく言うと、ポルノグラフィティの全楽曲のストリーミング配信がスタートしたキッカケで「今までリリースした全楽曲の中から平等に選んでセトリを組む」っていうのが今回のツアーのコンセプトなんですけど、このヤバさ、どう考えてもヤバいです。

ポルノも「今まではスタメンとベンチメンバーで回してた試合を今回は応援席にいた奴らも全員引っ張り出して選ぶ」みたいなこと言ってましたけど、生きてりゃ誰もが知ってるアポヒトリMアワサボアゲハサウダ幸Mu愛呼メリッシスタネオメロジョバハネウ今宵リバルTDY他の超絶ヒット曲や、ジレンマCentury Loversなんかのライブ定番曲と、本人が作ったことすら忘れてるホコリまみれの曲が全員並列に並ぶ世界線、まごうことなきカオス。Regretとか小説のようにとか絶対に忘れてるだろ。

どの曲がコウメ太夫だとかそういう話する気はないですけど、スーパースター押しのけてそういう楽曲がメイン張れる日がついに来た。『ひみつの太夫ちゃん!』『太夫にしやがれ』スタートです。同じシングル内でも『サウダージ』か『見つめているか』の二択で『見つめている』が選ばれる、なんてことが現実に起こりうる。

 

「ラスト1きょぉぉぉくッッッ!!!フィ!!ルムズゥゥゥ!!!」

 

これが起こりうる……。だからあんまり言いたかねぇけど、古参こそ来いよと。「3人時代は良かったんだけどねぇ」クソ野郎共こそライブ来て『今のポルノ』に度肝抜かれてほしいんだ俺は。

 

 

だからこそ今回のライブツアーは、ポルノグラフィティ本人はもちろんのこと、ファンもいつも以上にガチ中のガチ。バトル・ロワイアル。アイアム桐山和雄、アイアム相馬光子。なんせ、ここ逃したら永久に日の目を見ない曲とか絶対あるんだから。俺もう「固め聴き」してる。「これ来たら泡吹いて白目剥いて倒れるセトリ」組んでもうそれしか聴いてないです。軽いギャンブルだから今回のツアーは。CRポルノグラフィティだから。小規模な敗北チャンスも小説のようにチャレンジもビタースイートボーナスもドリーマーボーナスもまほろば○△ラッシュもCLUB UNDERWORLDゾーンも引きてぇんだよ……。

今現在、インスト含めて『240曲以上』ポルノグラフィティの楽曲がある中でそれぞれの「推し曲」みたいなのがあってだ、「俺以外に好きな奴いないだろこれ」ってくらいのドマイナー曲が1番好きだってファンもわんさかいる。それをポルノグラフィティがピンポイントにセットリストに組み込んで実際にライブで演ってくれるなんて、そんなんその曲引き当てた日にゃ俺たぶん脳汁に溺れて死ぬと思う。今宵はワンピースばりの宴。樽の形したジョッキで乾杯しますわ。

冷静に考えてもとんでもねぇ確率じゃないですか、ライブで演奏する曲数を仮に25曲だとしてだ、240曲あってその中の25曲に選択した1曲が選ばれる確率240…ぶん…?の??25の…????えーーーと……は…?…………と、、とにかくヤバいんですよ。

あの、アレだ、じゃあ例えば、俺が今からスマホで適当な番号11ケタ押してだ、それでサチモスのメンバーの誰かにつながる、それくらいヤバいってこと。

あっ、でも仮につながっても困るな、サチモスとなに話していいかわかんねぇ…。

 

……そ、それくらい、ヤバいんですよ。100万人来い。

週刊少年ジャンプの急な打ち切りは心臓に悪いので本当にやめてください

週刊少年ジャンプ、子供の頃から毎週楽しく読んでるんですけど、ジャンプお家芸のひとつ、

「人気なくなった漫画が急に連載打ち切られる」

アレなんとかなりませんか。そろそろ読んでるこっちの心臓が止まるわ。

「新進気鋭!若き天才現る!」とか東京ドーム包むくらいの大風呂敷広げて、巻頭カラーとかセンターカラーでドドーン!と新連載スタートキメるわけじゃないですか。それで、こっちも「絵フツーだけどバトルシーン超面白いな…」「ストーリー全然意味わからんけどヒロインがアホみたいにかわいいな…」って当たり外れはあれど次話を楽しみにしながら読むじゃないですか。

けど、3話4話5話…って進んでいくと、なんか様子おかしいんですよ。稲川淳二がずっと耳元で囁いてくる「あれー?変だなー変だなー、先々週は上から3番目くらいの掲載順だったのに、先週は真ん中よりちょっと下…今週は後ろから2番目だぞー?やだなーこわいなー」って。ちょっともうこの時点で鳥肌止まんないんですけど。なのに、その漫画自体はそんなん微塵も感じさせないで「あと100話書きます」みたいなノリでやってんですよ。「まずは8人仲間集めるぞ!」っていうストーリーの3人目のくだりに何話も平気で費やしたりしてるし、「人の心を失くした最凶の敵現る…!くそっ…今の俺達じゃまるで歯が立たない…!伝説の老師のところで修行だ!」みたいなのバンバン書いてる。

だからこっちも(あっ…掲載順位は下がったけど、大丈夫だったのかな…?デッドゾーンの20話、クリアしたのかな…?よかったぁ…)ってホッとするじゃないですか。で、「よっしゃあ…いよいよ面白くなってきやがった…!」ってワクワクしながら次のページめくったら、

 

数年後ー。

 

は????????いやいやいやいや。

 

「あの戦いは本当にすごかったよなぁ…」

「あいつはいま腕を磨くために海外で頑張ってて…」

 

は????????????いやいやいやいやいやいやいやいや。いやいやいやいやいやいやいやいやいや。

 

「俺たちの戦いはこれからも続くんだ…!」

「さぁ…終わらないパーティをはじめようか…!」

ご愛読ありがとうございました!先生の次回作にご期待ください!

 

終わらないパーティ1秒で終わったーーー!!!???

 

ごめん。あの、ごめん。ちょっと待って。待て待て。ついていけてないついていけてない。おい。やめろ。急ピッチで風呂敷畳もうとすんな。まだ中のおまんじゅういっぱい残ってますけど?潰れてる!あんこはみ出てるから!ちょっ、残り5人の仲間は??最凶の敵との戦いは??

やめて。今まで出てきたキャラクターの満足げな表情に合わせて主人公が長方形のコマで心境語るモノローグやめて。ずっと見開きで絵だけドン!!!みたいなコマ多かったのにいきなりセリフ詰め込むのやめて。全然まとまってないのにまとめようとするのやめて。ラスト数コマにぎゅぎゅー!って詰め込むのやめて。キャラクターより文字のほうが大きくなっちゃってるから。絵がセリフに押し出されてるだろ。ロケット鉛筆じゃねぇんだから。ちょっとしたホラーだよこんなの。やば…ちっちゃい鳥肌たくさん集まって1個のおっきい鳥肌になってる…。キングスライムみたいになってる。

しかも「表紙の時点じゃラストかどうかほぼわかんねぇ」のが本当に鬼。デーモン。たまーに「感動の最終話!大増38ページ!」とか触込んでくれるパターンもあるんですけど、それはまぁまぁの人気作限定で、明らかに打ち切りパターンだと最悪その漫画の冒頭ページに行ってもわかんないですから。普通は最終話つったら、話数のとこに「Last Lesson」「Final Chapter」とかってやるじゃないですか。しれーっと「21ノ拳」とかやってるのに誰が最終話ってわかるんだよ。まだまだ続くって思うだろうが。なにが「21ノ拳」だよ。オリジナルの話数カウントが悲壮感をさらに煽ってくるから…

なによりも一番悲しいのが、漫画家本人が1ミリも納得してないのが読んでるこっちにもビンビン伝わってくるってとこで、そんなの悟られちゃ絶対ダメだろ。原稿に涙の痕が滲んでるの、わかってるからな。いくら人気至上実力至上の厳しい世界だからっつって半ばヤケクソみたいな終わらせ方お前……

「ご期待下さい!」

誰が期待できるんだよ。あんな地獄が他にありますか。読み終わり泥食ったみたいな顔になってますからこっちは。しまぶーのアレをリアルタイムで経験した身でもキツい。

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漫画が人気出なかったのはしょうがないけど、他にやりようないんですか。どのタイミングで漫画家に終了通告するのか知らないですけど、せめて最低でも3話くらい前には決めて、本誌にもちゃんと「ラスト3話!」って載せる、とか。じゃないといつか本当に心臓麻痺になるわ。名前も書かれてねぇのにどんなデスマガジン?

ジャンプという雑誌を本当に愛してて、ジジイになってもずっと読み続けていきたいと思ってるんですけど、あの時だけはジャンプどころか、底のない落とし穴に落ちた気分です、次回作にご期待下さい。

 

ウチのばあさんがあいみょんを見て「昔のワシ」って言った

ばあさんの家でメシ食いながら『ベストヒット歌謡祭』を見てたら突然、ばあさんが画面に映ってたあいみょんを見て開口一番「昔のワシそっくりじゃ」って言い出して口からキムチ鍋吹き出した。

 

ばあさんはたまに突拍子もないことを言って家族を驚かす生まれながらのボケで、そのボケは今現在でも継続中、変わったのはツッコミ役がだんだんと介護役になってるくらいなもんだが、今回もまたとんでもねぇことを言い出してきた。よりにもよって「あいみょん」てあんた。またすげぇなんとも言えない絶妙なラインを出してきやがった。仮に「橋本環奈」とか言い出したらマジでどうしようかと思った。しかるべき施設を紹介するしかない。ウチの家系の顔の作りからあんなん生まれるわけねぇだろと。ずっと塩スープ継ぎ足し継ぎ足しだったのに、いきなり醤油スープにならねぇだろと。ただ「あいみょん」。すっげぇ絶妙なラインで、ありえる。とんでもなく絶妙な、鶏白湯顔。

 

「き、急にどした…ばあちゃん…」

「この今テレビで歌ってるあっ…あい…?あいみょ…?ナントカって娘が昔のワシそっくりでビックリしたわ」

「えっ?そんな似てんの…?…あぁー…ま、まぁ言われてみれば鼻?のカタチとか、目元とか…似てるっちゃ似てるけど」

「いやそっくりだわ。じいさんが生きてたらたぶんテレビにキッスしてたわ」

「まさかよ。昔の写真とか持ってないの?」

「あるよ。結婚したときに撮った写真が」

 

そう言って、ばあさんがおもむろにタンスから一枚の写真を取り出した。

その写真に映っているキレイな格好をした若いころのばあさんは、本当にあいみょんそっくりで、どんな似方だよドッペルゲンガーかよってくらいの写し鏡だった。てゆうか、普通にウチの母親よりもガッツリ似てて、なんか、いろいろ疑った。

 

「え……?は…?大丈夫これ?え…?ばあちゃん…まさかだけど、知らない男と作った子供とか…いないよな?」

「なにバカ言ってんだい、ワシはじいさん一筋だよ。……まぁ若いころは色んな男に『豆腐のように美しい』なんて言われたもんだけど♡」

「なんだその例えは。褒められてんのそれ?とうふて。「絹」とか「雪」とか言うんじゃないのふつう?」

「豆腐のように誰からも好かれて品のある女だってことさ。あんたも女の子褒めるときは豆腐のようだねキミはって言ってあげるんだよ」

「はぁーー。わかりづらっ」

「それにしても、この娘は良い歌歌うねぇ。最近の娘にしちゃ珍しいわ。歌の上手いところなんかも、ワシそっくりで」

「まぁ、今はあいみょんっていうか、ぬらりひょんみたいだけど」

「はは、うまいこと言うねアンタ。もっと肉食べ」

 


あいみょん - 今夜このまま【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

ポルノグラフィティ国歌『フラワー』感想


ポルノグラフィティ主題歌の映画版PV解禁 大泉洋主演『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』

 

かつてポルノグラフィティのシングルでこんなにもド直球なタイトルがあったか。いや、ねぇ。シンプルに単語だけのタイトルは山ほどあるが、「アポロ」だの「アゲハ蝶」だの「メリッサ」だの、どれも曲名としては使われない言葉を選んで使ってたはずだ。ポルノグラフィティの、新曲のタイトルが、フラワー。度肝の二枚抜きです。

ポルノグラフィティひいては新藤晴一という男は「いかに自分の作詞した曲に爪痕を残すかを考える妖怪・爪痕残したがり」で、例を挙げれば『ゆきのいろ』という曲はタイトルをそのまま「雪の色」にすると中島美嘉の『雪の華』他に被るってことでひらがなの「ゆきのいろ」にしたり、『LiAR』という曲もB'zの『Liar! Liar!』他に被るってことで「i」だけを小文字にしたりする男が、ただでさえ「この世に2兆曲あるんじゃねぇか」みたいな散々こすられにこすられ続けてきた「花」「フラワー」っていうタイトル、テーマにするってことがどれほどのもんなのか。言葉軽いんですけど「本気って書いてマジ(本気)じゃん…」って思った。

先日のラジオでもしきりに「人の一生」をエンターテイメントに、ポップスにすることの難しさを口にしてたように、これだけ歌詞に対して悩んでる新藤晴一を見たのははじめてかもしれない。なんなら「完成したのにちょっと納得してなくない?」くらいの印象受けたし。それでも、悩みながら苦しみながらゲボ吐きながら生み出したこの曲、ポルノグラフィティの「マジ」の曲を、こっちも耳をダンボ、いや耳をメリッサにして聴かなきゃならねぇじゃないですか。それで、フル音源が解禁されてからずっと聴いてるんですが正直、この曲を全然つかみきれてません。歌詞もメロディも声も、今までの楽曲と比べてもどっか異質で、優しくて強いんだけど、怖くて弱い。

例えば歌詞。今回の歌詞には新藤晴一が得意とする皮肉もパンチラインもない、ただただそこにあるものを丁寧に描いてる。死にゆく主人公を「花のような君だった」つってる歌詞は腐るほどあるがそうじゃない。終始、小さな一輪の花を「生の象徴」として描きつつ、最終的に星だとか大地みたいなドでかいものまでフォーカスして「命」っていう確かにそこにあるんだけど不確かで概念的なものを包み込む歌詞。人をあえて描かないことで逆にどんな曲よりも「人」を感じる。毛布か。雪山で毛布かけられてるみたいなあったかさだよ。

そしてメロディ。イントロの「テロテロテロテロテロテロ………(ポォワポォワポォワポォワポォワ…)」からもうすっごい不安になってなにが始まるんだと思ったら、2番始まりの「バッタが言う…」

テロテロテロテロテロテロ………

ファッ…

ドゥデェーデロデロ……

ここの相変わらずの無音使いの上手さで心臓止まりそうになるのに、ラスサビ前の打ち込みでゾウの一歩みたいなバカでかい強さ感じてめでたくギャップで心臓麻痺。この不安が一気にサビで開けて希望が満ちてくるんですけど、この全体通してのメロディバランスっていうのか、バラードだからっつって重くなりすぎず、ポップ塩梅を貫き通してる感じ、ここがポルノグラフィティのバラードの「妙」なんですよ。

そして声。岡野昭仁の声もどっかか細くて消え入りそうで、一声目の「なぜ こんなとこに咲いた?」の「なぜ」からぐっと直接脳内に声注入されてる感じ。この掠れと滑らかさのミックスこそが2018年岡野昭仁の真骨頂。サビ終わり一回目の「フラワァ……」とかもう切なさの針で胸ぶっ刺されたみたいな感じになるのに、かと思えば100パーの圧で「ひとォーーりじゃない!」「ひかァーーーりあふるゥ!オオーーー!」とか、一曲に何人いるんだよ。あれ?ポルノグラフィティってゴスペラーズみたいな何人もボーカルいるタイプのグループだっけ??みたいな錯覚に陥るんですよ…。こわい。

 

…みたいな感じで、曲のどのポイントがスゴいっていうのは何千文字だろうが書けるのに、全体としての奥深さみたいなとこには全ッッ然踏み込んでいけねぇ。使ってる言葉も音もものすごくシンプルなのにとんでもねぇ深さを感じる。考えれば考えほど、聴けば聴くほどドツボにはまって抜け出せなくなってる。限りが無い。曲名『フラワー』なんですけど、ある意味『Mugen』。は?

「ポルノグラフィティという国があるとしてどの曲を国歌にするか」というのはみな常々考えていると思うんですが、ぜひ『フラワー』を国歌として共有してもらって国民全員でこの曲について考えていきたい。

 

『M-1グランプリ2018』3回戦・準々決勝、面白かったネタ動画まとめ【GYAO!】

『M-1グランプリ2018』の3回戦・準々決勝で面白かった芸人のネタ動画まとめ。

※リンク先はGYAO!無料動画

 

3回戦

東京

・囲碁将棋

囲碁将棋 M-1グランプリ 2018 3回戦[東京]

・四千頭身

四千頭身 M-1グランプリ 2018 3回戦[東京]

・アルコ&ピース

アルコ&ピース M-1グランプリ 2018 3回戦[東京]

・和牛 

和牛 M-1グランプリ 2018 3回戦[東京]

・三四郎

三四郎 M-1グランプリ 2018 3回戦[東京]

・漫画家

漫画家 M-1グランプリ 2018 3回戦[東京]

・シンクロニシティ

シンクロニシティ M-1グランプリ 2018 3回戦[東京]

・Aマッソ

Aマッソ M-1グランプリ 2018 3回戦[東京]

・マヂカルラブリー

マヂカルラブリー M-1グランプリ 2018 3回戦[東京]

・ストレッチーズ

ストレッチーズ M-1グランプリ 2018 3回戦[東京]

・天竺鼠

天竺鼠 M-1グランプリ 2018 3回戦[東京]

・かまいたち

かまいたち M-1グランプリ 2018 3回戦[東京]

・ヤーレンズ

ヤーレンズ M-1グランプリ 2018 3回戦[東京]

 

大阪

・スーパーマラドーナ

スーパーマラドーナ M-1グランプリ 2018 3回戦[大阪]

・ミキ

ミキ M-1グランプリ 2018 3回戦[大阪]

・たくろう

たくろう M-1グランプリ 2018 3回戦[大阪]

・Dr.ハインリッヒ

Dr.ハインリッヒ M-1グランプリ 2018 3回戦[大阪]

 

準決勝

東京

・四千頭身

四千頭身 M-1グランプリ 2018 準々決勝[東京]

・ヤーレンズ

ヤーレンズ M-1グランプリ 2018 準々決勝[東京]

・東京ホテイソン

東京ホテイソン M-1グランプリ 2018 準々決勝[東京]

・さらば青春の光

さらば青春の光 M-1グランプリ 2018 準々決勝[東京]

・ウエストランド

ウエストランド M-1グランプリ 2018 準々決勝[東京

・ニューヨーク

ニューヨーク M-1グランプリ 2018 準々決勝[東京]

・納言

納言 M-1グランプリ 2018 準々決勝[東京] 

・囲碁将棋

囲碁将棋 M-1グランプリ 2018 準々決勝[東京]

 

大阪

・金属バット

金属バット M-1グランプリ 2018 準々決勝[大阪]

・たくろう

たくろう M-1グランプリ 2018 準々決勝[大阪]

・かまいたち

かまいたち M-1グランプリ 2018 準々決勝[大阪]

・和牛

和牛 M-1グランプリ 2018 準々決勝[大阪]

・ミキ

ミキ M-1グランプリ 2018 準々決勝[大阪]

・ジャルジャル

ジャルジャル M-1グランプリ 2018 準々決勝[大阪] 

・Dr.ハインリッヒ

Dr.ハインリッヒ M-1グランプリ 2018 準々決勝[大阪]

 

※準決勝出場芸人

  1. アキナ
  2. インディアンス
  3. ウエストランド
  4. からし蓮根
  5. かまいたち
  6. 金属バット
  7. ギャロップ
  8. 侍スライス
  9. さらば青春の光
  10. 三四郎
  11. ジャルジャル
  12. 霜降り明星
  13. スーパーマラドーナ
  14. たくろう
  15. ダンビラムーチョ
  16. 東京ホテイソン
  17. トム・ブラウン
  18. ニッポンの社長
  19. プラス・マイナス
  20. マヂカルラブリー
  21. マユリカ
  22. ミキ
  23. 見取り図
  24. ゆにばーす
  25. 和牛

ド田舎コンプレックス人間はシティポップを聴いて耳が破裂する

シティポップにドハマりしてます。

北海道の釧路出身なんですけど、人間より野犬のほうが数多いんじゃねぇかってほど過疎過疎しちゃってる田舎町で、人もみなほぼ「野性」です。子供なんかそのへんの木の実とか雑草とか平気でムシャムシャ食ってます。ネットでよくウケたら「草」とか言いますけど、こっちでそれ言うと本当の意味での「草」。蜜の吸える花なんてごちそう中のごちそうでした。白米にツツジ乗っけて巻いて食ってるから。他府県の人の北海道のイメージって『ゴールデンカムイ』が強いと思うんですけど大丈夫、あれだいたい合ってます。未だにそこらじゅうに「マタギかよ」ってくらい気性の荒いジジイわんさかいます。釧路のジジイ、だいたい二瓶鉄造。

そんな釧路でも、友達で音楽やってるヤツ何人かいますけど、ただただ本能のみで楽器鳴らし続ける野獣がほとんどのゴリラミュージックで、基本的に「メンバーの音以外の音を入れる」って発想がゼロ。英語詞すらほぼゼロ。なぜなら教養がないから。友達のバンドの新曲『やってやるよ』ですよ。なにを??アラサーでなにを??

そんな環境で育ったからか人一倍、都会、特に東京に対する「あこがれ」がすごくて、田舎でヨダレ垂らしながらボーッと生きてたらまず味わえないバンドサウンドと、ジャズだとかヒップホップだとかEDMだとかがうまーくミックスしたメロディに乗せて大人の恋愛模様なんかを歌ういわゆる「シティポップ」的な小洒落たやつを聴くと、色んな意味で耳破裂して気持ち良くなって昇天します。

 

Awesome City Club


Awesome City Club - アウトサイダー (Music Video)

最強のユニゾンバンド。男女ツインボーカルってだいたいどっちかが邪魔だなって感じるのに、PORINとatagiの異常なまでの絶妙な声のバランス。ヤン坊とマー坊。楽器隊も一音一音の耳障りが死の際まで一生聴いてられるほどの心地良さ。徹底的に「耳に気持ち良い音楽」やってくれてるのが本当にありがたいです。そして田舎にこんなオシャレな奴らはいねぇ。柄シャツは田舎じゃ着れない。一発で通報される。

 

Official髭男dism


Official髭男dism - Tell Me Baby[Official Video]

さっきも言ったように、田舎の人間はそもそも「メンバーの音以外の音を入れる」って習慣がまるでないですけど、Official髭男dismの音楽ってメンバーの楽器隊以外に裏でめちゃめちゃ色んなお音鳴ってる。ピコだのテロテロだのフワァーーーンだのそういう効果音を使ってメロディに深みを持たせるのがめちゃくちゃ上手い。そして日本語詞と英語詞の混ぜ方が卵納豆のそれ。無限に食える。全員山陰地方のド田舎出身らしいんですけど、なんでしょうこの北のド田舎との違いは。

 

King Gnu


King Gnu - It's a small world


King Gnu - Prayer X

なんですかこれは。完全に凍り狂った街・トーキョーでしかできない音楽。こういうテンポで最後まで演りきれるってたぶん相当テクニックないとできないことだと思うんですよ。普通走りたくなるじゃないですか。走りたくなるんですよ田舎の空しか知らない奴は。なのに最後までこのいじらしいテンポで進む、じれったくてウズウズしてくる、なんの焦らしプレイですか。なにかに目覚めそうになるんですけど…。身体の奥からゾクゾクするような声とメロディ…聴いちゃいけないもの聴いてる感じ、大人の俺でもこんな感覚になるのに、未成年でこんな音楽聴いたら現実に戻れなくなっちゃいません?大丈夫?全年齢対象でいいのこれ?

正直ロックもクラシックもヒップホップもジャズもファンクもソウルも全部ゴチャゴチャに混ざってるので「シティポップ」って言葉では全く括れないんですが、そういう側面もあるということで。確実に天下取る。

 

なにがおそろしいって、たぶんほぼ全員年下。20代前半。嘘でしょ。さとり世代どうなってんだよ。誰だよ「最近の若者は欲ねぇ」つった奴。バッキバキじゃねぇかよ。北海道の「シティポップ」の限界なんてこれですよ?

 


仁井山征弘 ジンギスカン 字幕設定有り

北海道のスーパー行くとだいたい肉コーナーで呪いのようにかかってるけどマジでなんなんだよ。そもそも調べたら曲作って歌ってんのゴリゴリの東京都出身じゃねぇかよ。「ご当地ソング」みたいな顔するの今すぐやめろ。完全に観光客の目線だろこれ。誰が「ジンギスPeople」だようるせぇよ。いいか、北海道の人間全員がジンギスカン好きだと思うなよ。えっ??普通にカルビとか牛タンのほうが好きですよ???

てゆうか北海道はラーメンと一緒で北海道にジンギスカン屋狂ったように乱立してっけど、当たり外れの激しさ、パチンコの比じゃねぇからな。「これぞ北海道の味!」「生でも食べられるジンギスカン!」つって赤文字金文字でバチバチに煽るだけ煽って出てきたキリン柄のラム肉食ってみたら全然大したことない、ってパターン多すぎて顔範馬勇次郎になってるから。CRジンギスカンだったら3日で撤去だよ。

しかも、百万歩譲って不味いだけならまだいいですけど、そういう店のジンギスカンの臭さ、オッサンの足の裏ですから。食べたあとは着てる服その場で燃やすこと覚悟してください。ジンギスカン食った身体で二軒目とか絶対行くな。

でも「どうしてもジンギスカン食べたい…」ってんなら『サフォーク』って品種の羊扱ってる店だけ行ってください。サフォークは他の羊と全然違います。他の羊が大泉洋なら、サフォークは吉田羊。ニオイも驚くくらい少ないし、歯で簡単に噛みちぎるくらいやわらかくて、ほぼマシュマロ。肉マシュマロ。脂がめちゃくちゃ甘いんすよ。それなのに全然胃もたれしないから何切れでもいけちゃう。繊維も絹みたいになめらかで筋張ってないからタレが完全に肉に絡みついて最高。どうでもいいんだよこんな話は。

 

 

シティポップを聴きながらサフォークを食う。これが理性と野性の融合「生きる」ってことなのかもしれませんね……。