カップ麺が好きでよく食べるのだが、最近の「カップ麺ヘルシー志向」には苦言を呈さざるを得ない。ある意味でいえばカップ麺というものは、ヘルシーや健康などといったものとは真反対に位置する食べ物。流行りの「一手間」などは愚の骨頂。誰が完成した絵画に手を加えられよう。「名店のあの味」というのも納得がいかない。カップ麺と名店のラーメンは近いようでまったく別の食べ物だ。われわれは「ラーメン」が好きなのでなく「カップ麺」が好きなのだ。われわれ日本カップ麺愛好会は「寿命を縮めるかもしれない」「病気になるかもしれない」そういうリスクを覚悟したうえでカップ麺のありのままを食す。まさに「カップ麺ジャンキー」
そんな「カップ麺ジャンキー」の私が選んだ好きなおすすめカップ麺をベスト50のランキング形式で紹介します。
50位 ごつ盛り コク豚骨ラーメン
薄暗い部屋、テレビの音だけが響く狭いアパートでひとり、この「ごつ盛り コク豚骨」をすする。すべてを包み込む大盛り、胃の中にいつまでも残る脂。「私は独りじゃない...」そんなことを感じさせてくれるカップ麺。
49位 太麺堂々 野菜タンメン
スープに口をつけると広がる野菜の香り、さながら麦わら帽子に白いワンピースを身にまとった少女がトウモロコシ畑で微笑んでいるような。麺は強さの中に優しさを感じられる古代ローマの騎兵隊といったところ。
48位 麺職人 とんこつ
職人の名に恥じない味のバランス。希望と絶望、正義と悪。遠いようで一番近い。表裏一体のカップ麺がここにはある。
47位 赤いきつねうどん(東)
はるか昔からあるうどんの味。「変わらないでいいよ、あなたはあなたのままでいいんだよ」そう自分を肯定してくれるような、そんなことを思うカップ麺。
46位 麺づくり 鶏ガラ醤油
立ち込める湯気、鼻をつんざく醤油の香り。目を閉じればそこに広がるのは大空。
45位 辛
「俺は誰にも心を開かない。俺を倒せるのは俺だけだ」このカップ麺を口にしたとき、そんな声が聴こえた気がした。でもどこかに寂しさ、優しさ、そして捨てられた子どものような純粋さも感じる。
44位 ペヤング やきそば
非常にバランスの良いカップ焼きそば。蓋を開けるときのわくわく感はさながら、夢の国ディズニーランドの入場前のよう。さぁ、ペヤングという名のエレクトリカルパレードの始まりだ。
43位 TOPVALU ノンフライ麺 しょうゆラーメン
夏休み、眩い太陽の下でこのカップ麺をすする。そこに広がるのは風、風、風。
42位 みなさまのお墨付き カレーヌードル
物怖じすることなく、王に果敢に挑む挑戦者。まさに湘北高校のようなカップ麺。
41位 カップヌードル シーフードヌードル
OCEAN...。深い海の底で確かに感じる生命(いのち)の息吹。そう、生命を食らうカップ麺。
40位 わかめラーメン しょうゆ
幼き頃に母とこのカップ麺を食べたときのあの思い出がよみがえる...。もう一度逢えますか?
39位 どん兵衛 きつねうどん東
ピンと伸びたその麺は社会人1年目のときの自分の姿を思い出す。つゆを口に含めば目に映るのは江戸の街。
38位 焼きそばUFO
きっと何一つわかっていることなんてないのだろう。自分自身も、この世界も、UFOの存在も。そんなことを食べるたびに思う。
37位 一平ちゃん しょうゆ味
花のかたちはそれぞれ異なる。カップ麺もそれは例外じゃない。このカップ麺もそう、特別な存在。
36位 でかぶと1.5マー油とんこつ
焦げつくような香りにドロっとした濃厚なスープ。「でかぶと1.5 マー油とんこつ」の風呂に浸かりたい。
35位 セブンプレミアム カレーヌードル
贋作だ贋作だと他人(ひと)から罵られてきた...。それでも己の信念だけを貫いた結果、それは本物になる。
34位 スーパーカップ 濃コクとんこつ
人間は求め続ける生き物だ。決して満たされることはない。ただ一瞬、ほんの一瞬でも満たされることがあるとするならば、このカップ麺を食べたときだろう。
33位 チキンラーメンどんぶり
「昨日よりもっと好きな自分に。」そう誰もが願うだろう。この黄色いひよこを目にすれば
32位 カップヌードル しお
あっさりなのにコクがある。塩ではなく「SIO」流れ出るこの涙がしょっぱい理由も「SIO」のせいでしょうか。
31位 スーパーカップ1.5倍 みそラーメン
スープを口に含めばはっきりと感じる大豆の香り、穀物の息吹。確かな職人のこだわりがそこにはある。
30位 どん兵衛天ぷらそば
深い旨味の中に広がるは古き良きニッポン。私たちが忘れてしまったあの頃の面影が蘇る。歴史を味わうことのできる幸せを噛み締めながら。
29位 みなさまのお墨付き しょうゆヌードル
「普通」その言葉の裏に隠された絶対的な安心感。ひとつふたつまた一歩づつ普通の日々を歩んでいく。
28位 俺の塩
主張をしすぎない塩味。何も言わず、何も聞かずにただ側に居てくれる。涙ぐむ私の肩を優しく抱き寄せて。
27位 セブンプレミアム 「スープが決め手のとんこつ」
試合前に臨むボクサーのようなパンチのある味わいはまさにカップ麺のスーパーミドル級。
26位 ごつ盛り ソース焼きそば
「どんなことがあっても明日はやってくる。だから今は僕を食べてよ」 耳をすませば、そんな声が聴こえてくる。
25位 麺づくり 醤油とんこつ
醤油と豚骨の絶妙な組み合わせ、昔から出逢うことが決まっていたような、運命の2人。
24位 スーパーカップ1.5倍 しょうゆラーメン
「食」生きるために食べる。そんなシンプルなことを思い出させてくれるしっかりとしたコシのある麺、濃厚なスープ。今を生きるために。
23位 どん兵衛 鴨だしそば
スープを口に運べば鳥達のさえずりが聴こえる。自由という名の翼を広げて。
22位 大盛りイカ焼きそば
海の匂いをどこかに感じながら食したその瞬間、失った日の何かを取り戻す。
21位 カップヌードル チリトマトヌードル
赤い宝石、太陽の結晶。生まれてきてくれたことに感謝しながら味わいたい。
20位 サッポロ一番 塩らーめんどんぶり
ぬくもりを感じるその味は、母性すら感じる。「塩ラーメンとはこういうものなのよ坊や」そう囁いてくれる。
19位 やきそば弁当 ちょい辛
舌先に感じる微かな痺れは一筋縄ではいかないこの世の中のようだ。ただ、世界はこんなにも美しい。
18位 ラ王 背脂コク醤油
その完成された麺はまさに芸術。静かにただ、ただ、味わえばいい。
17位 やきそば弁当 塩
主張をしすぎないその生き様は、付属のスープの湯気とともに私たちの心を優しく解きほぐしていく。それは「涙」の味。
16位 一平ちゃん 夜店の焼きそば
父と二人で行ったあの夜店。初めて酒を酌み交わしながら焼きそばを肴に昔話に花を咲かせる。そんな泡のような思い出が食べるたび目に浮かびます。
15位 緑のたぬき天そば(東)
決して自分自身に妥協を許さない。誰かに勝つためではなく、己に負けないために。緑の日々がここにはあります。
14位 ごつ盛り ワンタンしょうゆ
着飾らない女性が一番美しい...。そう微笑むこのカップ麺は誰よりも凛としたウー麺(ウーマン)でした。
13位 セブンプレミアム 蒙古タンメン中本 太直麺仕上げ
刺激的な辛味が人々を天へといざなう。太く仕上げられたその麺は天使の贈り物(プレゼント)だろうか。天使たちのセレナーデが始まる。
12位 カップヌードル 欧風チーズカレー
異質であり異色。一口味わえば口の中でサーカスが始まる。火の輪をくぐるライオン、 一輪車に乗るゾウ、そしてそれらを束ねるピエロ。そう、食べる者を笑顔にさせる道化師のようなカップ麺が誕生した。
11位 やきそば弁当
極寒の地、北海道。寒空を駆け抜けた季節の中にこのカップ麺はいた。冷えた身体と心を満たすのはいつもやきそば弁当と温かいスープでした。
10位 カップヌードル
本当に圧倒的なものを目にしたとき、人は笑うしかない。深夜1時、カップヌードルを口に運んだとき、僕は静かに笑った。
9位 麺づくり 担々麺
厳しさの中に一筋の優しさを感じる。どんな絶望の底にいてもどこかに光は差し込んでいる。「麺づくり」という名の光が...。
8位 エースコック タテ型 飲み干す一杯 背脂とんこつラーメン
ドロドロの背脂、それはまさに今の社会を表している。「清濁全部飲み干す」そんな強い覚悟を持つ「漢」だけがここに立つ資格がある。
7位 太麺堂々 魚介だしコク旨しょうゆ
魚介のうまみ、醤油のコク、太麺。これらが重なったとき味の協奏曲が始まる。観客は自分ひとり。
6位 エースコック タテ型 飲み干す一杯 担担麺
「飲み干す」そう自分で自分のハードルを上げるということが、どれほどの覚悟がいるか私には想像できない。亀田興毅、本田圭佑、飲み干す一杯。
5位 カップヌードル カレー
熟成されたワインのようにそこに佇む。昔からある場所。歩き疲れたらいつでもまた帰っておいで。そう言われた気がした。
4位 スーパーカップ1.5倍 豚キムチラーメン
静と動が交差する世界。2つが重なる点のその先にこのカップ麺はある。
3位 カップスターしょうゆ
どんな有名ラーメン店で食事をしようが、どんなに富があふれようが、この味だけは忘れない。この味だけは裏切らない。
2位 黒い豚カレーうどん
すべてを包み込むコク、目が眩むような香り...。体中の細胞が叫んでいる。この麺を食い尽くせと。
1位 激めんワンタンメン
原点にして、頂点。いつの日か高みに辿り着いたのなら、胸を張って伝えたい。「私はここにいます」と。
みなさんの好きなカップ麺が見つかれば幸いです。