死ぬ前に聴きたいポルノグラフィティの曲を100曲選んでおいたので安心してください。
※2022年8月更新
1.ミステーロ
10thアルバム『RHINOCEROS』収録。回りくどいほど回りくどい新藤晴一詞の真骨頂。初聴ではまるで何言ってるかわからない。聴き取れたとしても意味が全くわからない。
「神話の中に捨てた首飾りまで 不吉なカナリアに奪い去られた」
「間違いだけで作る可憐なドレス」
……は?
…という人間の先を行く歌詞と、古い時代の異国感と現代ロックを融合させたキメラメロディ、そしてそれを完璧に歌いこなすボーカル。ポルノがポルノたるゆえんが凝縮されている恐ろしい楽曲。
2.ROLL
17thシングル。昭仁の真っ直ぐすぎるほど真っ直ぐな詞が完璧にメロディとマッチし、静かに相手を思う1番からグングン熱量が上がり、Cメロがビッグバンを起こす。
(ドンドンドン、ドィン…ドンドンドン、ドィン…ドンドンドン、ドィン…)
「苦しみや〜悲しみに〜触れてしまった気づいてしまった僕はそれを〜
ファッ…
「恐れてたんだッッ!!」 (デデデデデデデデデデデドデド!)
ここで耳が弾け飛びます。
3.ラビュー・ラビュー
1stアルバム『ロマンチスト・エゴイスト』収録。情景がありありと浮かぶ、幸せオーラ全開の最強バカップルラブソング。
「君は本当一生懸命生きているね」という歌詞の圧倒的肯定感に、なぜか1ミリも関係ない俺のこれまでの人生全てが救われたように気持ちになってしまう、初期ポルノの大名曲。
4.Jazz up
1stアルバム『ロマンチスト・エゴイスト』収録。歌詞は全編ヤリチンの日本代表の内容なのに「土生港から 海ぞいの道を〜」のくだりからの急な故郷ソング感漂うメロ変のギャップに脳が溶け散らかします。
5.パレット
3rdアルバム『雲をも掴む民』収録。ここまでうまく言葉に出来ないもどかしさを的確に表した曲を俺は知らない。自分の伝えたい気持ちとそれを100パーセント言葉や文字にできないこの苦しさはリスナーもアーティストも等しく、一生解放されることはないのだと思える名曲。
2番のサビ「だって知っている言葉はほんのちょっとで感じれることはそれよりも多くて無理矢理窮屈な服着せてるみたい」はタトゥーにして腕に彫りたい。
6.EXIT
32thシングル。月9ドラマ『大切なことはすべて君が教えてくれた』主題歌。どうしようもない気持ちの閉塞感を地下鉄に見立てた晴一の過去の詞のタイプと現在の詞のタイプの良いところだけを取ったような完璧な歌詞と、苦しさ、切なさをギリギリのラインで表現する岡野昭仁の絞り出すようなボーカルも素晴らしく、特にラスサビ前のBメロ「取り戻せたならただ〜」の美しさは昭仁の歌い方と相まって気持ち良死する。
7.光のストーリー
9thアルバム『PANORAMA PORNO』収録。6分超えのバラード。ドラマのような展開の歌詞と、抑えめのAメロBメロからのサビの高音が気持ち良く、特にラスサビは血管切れんじゃねぇのかと思う程の絶唱に聴いてるこっちが絶頂する。
歌詞も、心理描写のリアルさにこんな経験1回もしたことないのに自分のことのように情景が浮かんできて、存在しない遠距離恋愛の恋人を脳内で抱きしめた。
8.オー!リバル
42thシングル。名探偵コナン『業火の向日葵』主題歌。ラテンとデジロックの悪魔融合。もうカフェイレで初聴した1音目から「こいつぁ今までのどの曲とも違うで…」と失禁した。終始ヒリつくような曲展開、「踊れ」と言わんばかりの歌詞、特に2番サビ終わりにピッコロが入ってきてからの間奏の駆け抜けるようなグルーヴ感に一生消えない鳥肌立つ。
9.メジャー
9thアルバム『PANORAMA PORNO』収録。終始鳴り続けるピアノの音がいますぐ頭振りたくなるアッパーチューン。ある意味ポップなのにハードなロックナンバー以上にロックしてる曲。
10.フラッグ
9thアルバム『PANORAMA PORNO』収録。ひたすら前に突き進むようなゴリゴリのメロディと歌詞に強制的に聴いてるこっちの気持ちが引っ張られる激ポジティブロック。ラスサビの「愛も仁義も風林火山も平和も絆も希望もambitiousも」畳み掛けが岡野昭仁すぎて最高。
11.Mugen
9thシングル。ワールドカップ、というかサッカーのテーマ曲と言ったら今も昔もこの曲。PVといい、初期ポルノの古き良きギラギラ感が詰まってる。イントロからアウトロまでで歌詞からメロディから歌い方まで一分の隙もない完璧な曲。サッカーのテーマソングの出だしの一文で「僕が暗闇を恐れてるのは〜」と出す当時の新藤晴一の脳みそのキレが怖い。
12.カルマの坂
4thアルバム『WORLDILLIA』収録。普通にバッドエンドなんであんまり気軽には聴けないんですけど、ポルノ、というか新藤晴一の詞の魅力の一個としてこの曲にかぎらず徹底して聴き手に委ねることの上手さがあると思っていて、歌詞が物語調のカルマの坂にもそれは現れていて、曲中で言えば男の子や女の子に感情移入してもいいし、単に絵本のようなストーリー性を楽しんでもいい。ある意味では最も自由な曲。
13.サウダージ
4thシングル。「アポロ」「アゲハ蝶」も一緒で別に今更語るまでもないほどポルノといえばの超名曲なんだが、流石に無視するわけにはいかなかったので入れた。実際、ある程度『ポルノグラフィティ』を聴いていけばこのへんの曲を全く聴かなくなる時期ってあると思うんですけど、たまにランダムでかかったりするとやっぱり良くも悪くも「は〜やっぱりこれを超える曲はないのか〜」って思う。究極のヒィイッヒィ〜ソング
14.素敵すぎてしまった
9thアルバム『PANORAMA PORNO』収録。タイトルから超変化球かと思いきや、夜長に聴きたいバラード。先にも書いたように「聴き手に委ねる」のが本当に上手い歌詞で『後悔』という大きなテーマを持ちつつも具体的な内容には一切触れてないところがニクい。ギターが随所に効いてて特にアウトロ前は泣ける。
15.ネオメロドラマティック
17thシングル。どっかのインタビューで二人が「10曲バラード続いたあとでもこの曲カマせば盛り上がる」みたいなこと言ってたのがまさにその通りで、多分死の縁に立たされたとしてもこの曲聴けば復活できる。頭がバグるデジロックナンバー。「ボイルした時計の皮剥き」「君はコンクリートになった岩のために祈った」意味不明歌詞の代表曲。
16.Hard Days,Holy Night
13thシングル『愛が呼ぶほうへ』カップリング。ポルノグラフィティ唯一のクリスマスソング。ありがちな腫れた惚れたのクリスマスソングと違って社会人になってから忙しい合間を縫って恋人とのクリスマスを迎える男の哀愁を描いたある意味これ以上無いリアルなラブソング。
17.TVスター
8thシングル『幸せについて本気出して考えてみた』カップリング。メジャーデビューをして売れっ子になったバンドマンの矛盾と悲哀を歌った全てのミュージシャンに聴かせたい曲。テレビサイズの曲を「グラム売り」と称する皮肉。
18.瞳の奥をのぞかせて
30thシングル。畳み掛けるような早口に新藤晴一お得意の女性目線の不倫詞、舐めるようなドエロバイオリンに悲鳴のようなギター、世が世なら確実に代表曲のひとつになっていたはずの最強曲。歌詞、メロディだけじゃなく昭仁の声もキレキレで特にラスサビの「こぉ」の発音を聴く度に失神する。
と、こんなにすごいのに全然売れなかった要因のひとつとしてタイアップのドラマ『宿命』が笑えるくらいコケたことにあります。
19.CLUB UNDERWORLD
4thアルバム『WORLDILLIA』収録。滅茶苦茶艶っぽくお洒落な曲で3人のセンスが光りまくってる。首周りをまとわりつくような言葉選びも音運びも歌声もどことなくエロエロエロ、まさに『ポルノグラフィティ』。「フィクションを書く」ということに特化した時のポルノの強さ、鬼。
20. 2012Spark
35thシングル。映画『逆転裁判』主題歌。間違いなく2010年代のポルノグラフィティの代表曲のひとつ。イントロからアウトロまで歌詞通りヒリヒリするような曲展開が続き、どんどんと熱を帯びていき、ラスサビ前の無音から大爆発する。声、ギター、ベース、ドラム、どの音も「キモチイイーー!」って叫んでるのがわかるし、特にNAOTOのかき鳴らすバイオリンにヨダレが止まらん。
21.今宵、月が見えずとも
27thシングル。映画『BLEACH Fade to Black 君の名を呼ぶ』主題歌。2000年代の代表曲の一つ。終始、陰鬱とした歌詞の失恋ソングで主人公に顔面パンチ喰らわせたくなるが、その鬱憤がアウトロの『スダダダダダ!』の気持ち良さで全てチャラにされる。踊り狂えるアッパーチューンでこの歌詞のミスマッチ感、岡野昭仁の作曲センスと新藤晴一の歌詞センスのデスマッチ。
22.黄昏ロマンス
16thシングル。「こういう風に年老いていきながら死んでいきたい」と心底思わせる曲。ある意味では「愛が呼ぶほうへ」以上に「愛が呼ぶほうへ」な曲。昭仁の声で歌ってるから爽やかに聴こえてるだけで歌詞の内容は「君が話す全てに頷けるように」とか滅茶苦茶重たい男を歌っていて、このへんの絶妙なバランス感覚がポルノグラフィティがポルノグラフィティたる所以なんだと思う。
23.愛が呼ぶほうへ
13thシングル。ドラマ『末っ子長男姉三人』主題歌。「愛」の擬人化など誰が思いつくでしょうか。歳を重ねるにつれ理解が深まる究極のラブソング。「永遠で」を「えいえぅんで」と発音するなど岡野昭仁にしかできないボーカルテクを存分に味わえる曲でもある。
24.リビドー
1stアルバム『ロマンチスト・エゴイスト』収録。バッキバキに尖ったメロディと歌詞、人の部屋に全裸で勝手に上がり込むような曲でここまで欲望丸出しで癖だらけの曲を作れるのもデビュー当時ならでは。
25.ゆきのいろ
34thシングル。新藤晴一が真正面から書いた「ラブソング」で、「君がいるだけで全部がうまくいきそう」と大きすぎる愛が痛くて切なくて優しい。岡野昭仁の一音一音、ワンフレーズワンフレーズの感情の込め方も胸をえぐられます。10年前では絶対に表現できなかったであろうポルノグラフィティの「進化(深化)」を堪能できる名バラード。
26.ジョバイロ
19thシングル。ドラマ『今夜ひとりのベッドで』主題歌。異国情緒あふれるメロディに絡みつくようなバイオリンとギター、歌、歌詞、すべてにおいて「ポルノグラフィティ」というアーティストを体現している一曲。
特に歌詞に関しては一言で言えば「比喩地獄」。聴くたびに新たな気づきを得られる「一生聴ける」曲。
27.INNERVISIONS
2ndアルバム『foo?』収録。人間離れした鬼の滑舌から繰り出されるラップ調の歌詞はもはや天職。メロ部分の遊び(急にエジプトみたいな音が入る)や、サビに入ってからの音の広がりもゲロ吐くほど気持ち良い耳が悦ぶ曲。
28.Heart Beat
1stアルバム『ロマンチスト・エゴイスト』収録。詞曲がak.hommaでメロディ、歌詞ともに1ミリのスキがねぇ…軽快なバンドサウンドとポジティブなメッセージ、特に突っ込む所がないほど完璧。
29.蝙蝠
10thシングル『渦』カップリング。カップリングでしかできないようなマイナーなメロディで、でも確実に完成度で言えばシングルレベルで間違いなくポルノグラフィティにしか作れない曲。イントロから暗い洞窟のなかにいるような不穏な空気に心を鷲掴みにされてちぎられる。そして歌詞、彼女の持つ深い悲しみもどうしようもない苦しさも受け止めたい、そういう覚悟を持ったときに出てきた言葉が「黒ならば黒で愛そう」。ある意味どんなウェディングソングよりもウェディングソング……。蝶よりButterflyだよ蝙蝠は。
30.ビタースイート
3rdアルバム『雲をも掴む民』収録。全体的に退廃的で鬱っぽい曲が多い『雲をも掴む民』の中でも「絶望」を感じる地獄失恋曲。歌詞に対して妙にサウンドが軽快なのもっ逆にエグい。
31.サボテン
5thシングル。歌詞の内容は何気ないものなのにここまでストーリー性や深みを感じさせることができるのがポルノグラフィティのポルノグラフィティたるゆえん。年齢を重ねるごとにブッ刺さるサボテン始めポルノの多くのラブソングはクドすぎないというか歌詞の節々にもどこか達観した部分があってそこがスッと曲の世界観に入り込めるポイントなのかな、と思う。
32.Search the best way
4thシングル『サウダージ』カップリング。歌詞の一番をシラタマで二番を晴一が書いたとかいう珍しい曲で、表現の仕方に違いはあれど、どちらも「見えない未来に向かって進み続ける」という当時いきなりメジャーのド真ん中に放り出された3人の確かな決意を感じられる。
「未来まで待ち伏せしてしまうくらいに」「運命が僕を追いかけるくらいに」というフレーズがそれを物語っている。永遠のテーマソングにしたい曲。
33.マシンガントーク
1stアルバム『ロマンチスト・エゴイスト』収録。ファンキーかつダンサブルな激アゲ曲で「見えるものだけ信じちゃダメだよ 見えないモノを見なきゃダメだよ 聞こえるコトだけ信じるよりも 聞こえないコトも聞いてかなきゃ」フレーズが印象的。
プロデューサーのak.homma作詞作曲で、提供曲だろうが自作曲だろうが、一本芯を持って自分たちの色に染め上げるポルノグラフィティの覚悟も感じられる曲。
34.メリッサ
12thシングル。アニメ『鋼の錬金術師』主題歌。タイアップついた時にいかにしてその受注先の世界観を表現するかってことだと思うんですけど、この曲ほどガチッとハマった曲もない。にも関わらずタイアップに迎合しすぎるわけじゃなくて、曲単体として聴いても滅茶苦茶カッコイイ奇跡の曲。
とにかくライブで映える曲で特に「ap bank fes06」のロングトーンはノドがロボ。
35.別れ話をしよう
6thシングル『アゲハ蝶』カップリング。タイトル通り失恋ソングでジャジーなメロディにねちっこい声、他の曲とは違う生々しさを終始感じる。多分Cメロの「乳房」のせいだ。死の淵でゆったりと聴いていたい。
36.元素L
4thアルバム『WORLDILLIA』収録。ドラマチックなバラードでマジで死ぬ前に聴きたい曲。脳内に直接語りかけてくるような情景描写が凄まじい。ラブソングのためのラブソングというか、恥ずかしい言葉や本当に伝えたい言葉ほど相手に伝えることの難しさを教えてくれる。もし高校生だったら歌詞を机に彫刻刀で彫ってた。
37.狼
6thシングル『アゲハ蝶』カップリング。欲and欲。こいつがアゲハ蝶に変わってシングルカットされてたらと思うと良い意味でも悪い意味でもゾッとする。イントロからアウトロまでそれこそむせ返るほどの熱量で聴いてると身につけてるものを全部を脱ぎ捨てたくなる。
38.ヴォイス
7thシングル。歌ってることが深すぎて刺さる人には貫通するくらい刺さるんだろうけど刺さらない人にはプリッツくらいにもろいバラード。昔はプリッツでしたけど最近では日本刀のようにザックリと心臓を突き刺してくれる。
39.ANGRY BIRD
10thアルバム『RHINOCEROS』収録。「小規模な敗北」「煙」あたりから時折見せる新藤晴一のキレた曲の完成形。良い意味で全体的に血が通ってない感じがほんとうに格好良い。こういうキレてる曲はボーカルが感情入れ過ぎると重く感じる節があるがANGRY BIRDはそこらへんのバランスが絶妙で重くなりすぎず、ポップな一面も感じさせるまさに新しいポルノグラフィティ・ロック。
40.ひとひら
ベストアルバム『PORNOGRAFFITTI 15th Anniversary "ALL TIME SINGLES"』収録。ポルノグラフィティの中で最長のバラード。7分近くある曲にも関わらず、ストーリー性がしっかりしてるからかダレずに最後まで聴ける。唯一「桜」という言葉が入っている色々な意味で特別感のある曲。
41.グラヴィティ
6thアルバム『m-CABI』収録。「一秒と千年の間に違いはなくて」のフレーズに人を愛することの素晴らしさ、儚さがすべて詰まっていて聴くたびに呼吸ができなくなり窒息死する。メロディの歌詞の声の、その美しさに醜い自分を恥じて部屋中の鏡叩き割る。ポルノグラフィティ史上一番純真な女。
42.瞬く星の下で
37thシングル。アニメ『マギ』主題歌。躍動感のあるストリングスに晴一の重厚なギターが絡まりあって澄み渡る青空と満点の星空、2つの風景を同時に感じられる幻想的な曲。「人は真実か嘘かをことさら知ろうとするけど それは長い時の中 何度も入れ替わる」のフレーズの入れ墨を入れたい。
43.幸せについて本気出して考えてみた
8thシングル。年を重ねれば重ねるほど歌詞が染みて染みてシミになって取れなくなる。なにか吹っ切れたようなイカれたドラムのメロディを聴いてるだけでも誰かに告白したくなる。
44.Aokage
3rdアルバム『雲をも掴む民』収録。ポルノグラフティのふるさと「因島」を題材にした曲で何気ない青春の1ページを歌った歌詞がどうしようもなくリアルで、こんな経験したことないのに自分の思い出のように風景が浮かんでくる「記憶が改ざんされる曲」
45.it's on my mind
22ndシングル『リンク』カップリング。アコギの音色が主役でボーカルが BGMのような曲。『サザエさん』で言うならば中島メインボーカル。ただ中島はサザエさんに無くてはならない存在でそのことを僕らは言葉にはせずとも知っている。
46.グァバジュース
2ndアルバム『foo?』収録。失恋の曲で、簡単に言うと「女は上書き保存、男は名前をつけて保存」を地で行ったような曲。どんなに日々を積み重ねていたとしても一度切れてしまった 気持ちを取り戻すことは困難です。それを取り戻そうとすればするほど僕達男は不格好になってしまう。それを自分では気づくことができないのも男。
47.敵はどこだ?
3rdアルバム『雲をも掴む民』収録。「戦争」をモチーフにした曲でゴリゴリのロックナンバー。メロディに反して、メッセージ性の強い歌詞をサラッと軽めに歌ってるのが格好良い。「人を一人殺せば殺人、人類の半分を殺せば英雄」っていう言葉もありますが、そんな曲です。
48.ナイトトレイン
24thシングル『痛い立ち位置』カップリング。人生を列車に例えた曲は数あれど、深夜の貨物列車に例えた曲はそう無い。今よりも綺麗な景色を見たいけど、自分の意思でその場所から離れられるほどの勇気はない。それならいっそ自分の意志とは関係なく走り続けるものに連れ去ってほしい。
49.夕陽と星空と僕
13thシングル『愛が呼ぶほうへ』カップリング。こんなにずっと胸にしまっておきたい記憶をじわりじわり真綿を締めてくるようなバラードもない。どうしようもない切なさのなかに見せる優しさ、最後には必ず救いを残してくれるのが昭仁バラードの特徴でもある。
50.煙
31stシングル『君は100%』カップリング。新藤晴一のキレた曲シリーズのひとつでソリッドでメタルの要素も入ったテンポの速い曲。特にアウトロが衝撃的でまさに煙に巻かれた状態になる。「人が笑い顔を覚えたのは近づかれた時の警告」のフレーズは新藤晴一の真骨頂。
51.デッサン#1
1stアルバム『ロマンチスト・エゴイスト』収録。絶唱する昭仁を堪能するためにあるようなバラード。こんな曲作り続けてたら確実に声壊れるしどうしたって同期付近の他のアーティストが明らかに劣化してるなか、ちょいちょい血管ブチ切れそうな曲作ってるのにほとんど衰えないのはやっぱり化物。そしてそれに追随するかのように搾り取るようなアウトロのギターソロもメチャクチャ良い。
52.憂色 ~Love is you~
1stアルバム『ロマンチスト・エゴイスト』収録。全体的な乾いた感じがたまらないバラード。「押し返す悲しみのなかキミは無口な魚のようで」「耳が痛くなるくらい重い静けさに閉ざされて」と終わってゆく愛を表現する歌詞の対比が素晴らしい。間奏部分のベースソロで胃が溶ける。
53.Sheep ~song of teenage love soldier~
16thシングル『黄昏ロマンス』カップリング。跳ねるようなメロディに初恋の甘酸っぱさを凝縮したような歌詞、起承転結の流れが素晴らしく聴き終わったあとに一本の映画を観たような満足感が得られる曲。
54.ヒトリノ夜
2rdアルバム。この漂うスラム感は初期ならでは。このごちゃごちゃ言ってるのに何も始まってないし何も変わらない歌詞もストレートにグッとくる。「心の性感帯」は人生で100万回言える究極名言。インディーズ版の方は歌詞がより廃退的でこっちも良い。
55.小説のように
16thシングル『黄昏ロマンス』カップリング。歌声がとにかく際立ってる曲で、この時期の特にこの曲の昭仁の声色はゾッとするほど綺麗だ。めっちゃ細かいポイントを言えば2番サビの「だから聞いてよ」の「て」の発音は殺される。声に殺される。
56.月飼い
12thシングル『メリッサ』カップリング。新藤晴一特有の「達観した歌詞」がこの曲でも顕著で、おそらくかなり重たいテーマを扱っているのにここまで軽快でキャッチーな曲にすることをサラリとやってのける三人の才能に全身の血管という血管が嫉妬する。
57.天気職人
15thシングル『シスター』カップリング。この歌詞ほど優しい世界観の曲を俺は知らない。何時聴いても晴れやかな気分になる圧倒的な自己肯定の曲。汚い心を塗りつぶしてくれる。ラストの口笛のメロディを奏でられる人と結婚したい。
58.Swing
7thシングル『ヴォイス』カップリング。新藤晴一がどこか達観してるとしたら岡野昭仁の表現する世界は真逆でドスーンとストレートに飛び込んでくるようなものが多い。カラッカラで何も残されてない砂漠のようなバラードで情景描写は赤いサンダルとか虹とか色を感じる言葉を凄い使ってるのに曲から漂うモノクロ感に泣く。
59.ドリーマー
5thアルバム『THUMPχ』収録。メロディも歌詞も遊んでるのにちゃんとバウンドサウンドで楽器一つ一つの音が立ってて聴かせる曲。ごちゃごちゃ言ってるのに何も進んでいない感じが「思春期」をよく表してる。
60.ルーズ
36thシングル『カゲボウシ』カップリング。繰り返しになりますが、曲が重厚になればなるほど晴一の詞は達観ぶりが増してくるような気がしていて、隣りにいる「誰か」のことを歌ってるかと思えば急に世界とか愛に話が飛ぶので聴いてるとパラレルワールドに迷い込んでわけがわからなくなって何度も聴き返す。
61.フィルムズ
ベストアルバム『PORNO GRAFFITTI BEST RED'S』収録。「別れ」をテーマに曲を書くとき、どうしても個人的な恋愛観だとか経験に基づいて歌詞を書きたくなるのに新藤晴一という男はそこからもう一歩先を見て広い意味で「人」としての「別れ」を書いていてるからこそ百人聴けば百通りの解釈が生まれるし、聴くたびに新しい発見や気づきがあって、なにが言いたいかというと国家にすればいい。
62.クリシェ
8th『∠TRIGGER』収録。新藤晴一が「どこにでもあるような言葉で曲を書け」と言われて歯ぐきから血を流しながら書いた曲。「どこにでもあるような言葉」とは言いつつも情景描写と心理描写を巧みに行き来させて脳内に強制的に映像を浮かび上がらせる歌詞テクニックはまったくもって「どこにでもない」です。2番Aメロの「夕立ち」で歌い方がそれまでずっと語尾伸ばしだったのにいきなり変わってエロさが増して失禁。間奏の暴れるようなチェロが悲しみを一層増幅させて涙腺が終わる。
63.We Love Us
全体的にユルッユルな雰囲気の歌詞とメロディに惑わされるが実は超骨太な曲。最終的に提示されるメッセージは良い意味での理想論を語ってて最高にロック。他ミュージシャンの曲で言えばKing Gnuの『飛行艇』やOfficial髭男dismの『Stand By You』にも近い、ポルノグラフィティ流「アンセム」と呼ぶべき曲。
64.Light and Shadow
7thアルバム『ポルノグラフィティ』収録。「気持ち良さ」に全振りしたメロディづくりと、どこまでも「希望」を歌った歌詞、2番からラスサビかけての展開の広がり、これを境に明らかに岡野昭仁が作る曲の骨格が変わった気さえする重要な曲。
65.AGAIN
10thアルバム『RHINOCEROS』収録。メンバーが一人抜けてプロデューサーからも離れて新しい道を歩き出したポルノグラフィティの到達点。
誰を思っている曲なのか、いっさい明言されていないのに、そこにある圧倒的な「感情」だけを聴き手にぶつけてくる、ロックバラードとしての一つの完成形。
66.ヴィンテージ
4thアルバム『WORLDILLIA』収録。男の痛々しさと身勝手さを怖いくらいに表現した歌詞に脳内を引きずり出されたような感覚になる。男が聴くヴィンテージと女が聴くヴィンテージはまるで感じ方が違ってくる恐ろしい曲。
67.ラック
14thシングル。シラタマの置き土産。ゴリゴリのロックナンバーで歌詞の韻の踏み方が気持ち良さが聴く麻薬。「ポルノグラフィティはロックじゃない」と言う奴にはとりあえずラックのCDでブン殴ってやればいい。
68.愛なき…
2ndアルバム『foo?』収録。大きすぎる愛を痛すぎる言葉で歌った時速200キロのとんでもない速さのストレートラブソング。
69.ベアーズ
7thアルバム『ポルノグラフィティ』収録。曲の中での場面転換がめちゃくちゃ面白い曲で、AメロBメロの野球パートからサビでの恋愛パートのスイッチングが早すぎて一瞬全然理解できない。
70.痛い立ち位置
24thシングル。古臭いダサカッコイイ感が良い方向にハマったのがこの曲で、1番と2番で視点が変わるところやラスサビの韻の踏み方とか聴きどころがたくさんあるまさにカジノ的な賑やかさを持つ楽曲。
71.星球
9thアルバム『PANORAMA PORNO』収録(編曲はTomi Yo)。滲み出る中田ヤスタカ感。実際聴き込んでみるとヤスタカのそれよりも良い意味で軽いポテトスナックのような感触の曲。「あなたがたゆたえるほどのテンポで時計の針は緩めておいた」という一節に全てが救われる。
72.空蝉
7thアルバム『ポルノグラフィティ』収録。急にギアチェンジするメロディと、「は…恥ずかしくないんですか…?」と心配になるほどストレートにセックを歌った歌詞、岡野昭仁という男の異常さが20,000%放出している聴くアダルトビデオ。
73.鉄槌
7thアルバム『ポルノグラフィティ』収録。『空蝉』が岡野昭仁の異常さなら『鉄槌』は新藤晴一の異常さが限界突破した曲。どこでなにを食えばこんな歌詞が思いつくのかと恐怖さえ感じる創造性と、おなかが痛くなる激重メロディ。体調の良い日しか聴けない。
74.小規模な敗北
29thシングル『アニマロッサ』カップリング。ゴリゴリと万力でコメカミを締められるような歌詞とキャッチーとは真逆にあるような、でも頭にこびりついて離れないメロディに良い意味でじりじりと真綿で首を締められる感覚になる。
75.まほろば○△
ベストアルバム『PORNO GRAFFITTI BEST BLUE'S』収録。比喩表現が凄すぎるせいでめちゃくちゃ気持ち悪いこと言ってるのにスマートに聴こえるという可笑しさに笑う。
76.シスター
15thシングル。ドラムの「行進曲」感とそれに相反する暗すぎる歌詞にやられた。「東から始まり西で終わる」とにかく歌詞の構成力と歌詞の言葉選びが美しい。曲を聴きながらそのまま天に召されたくなる。
77.渦
10thシングル。胃が痛くなるシラタマのベースの音がかなり際立つ曲で、圧倒的に閉鎖的で欲望を濃縮したようなエロエロな歌詞の世界観と相まって、聴いててぐるぐる頭を掻き回される。ラストの「シューゥゴゴゴゴゴ……」まで含めて世界観が完璧な曲。
78.ギフト
25thシングル。生まれながらの才能を「神様からもらった箱」と例え箱の中身も見ずに明日を終わらせていいのかというメッセージを込めた曲。「最初に空を飛んだ鳥は翼を広げた格好で どのくらい助走をつけて地面を蹴ったんだろう」「信じてみることが甘いかどうかなんてさ 自分の舌で舐めてみなけりゃ がっつり噛みつかなきゃわかんない」とムリヤリ背中を押してくるんじゃなく、あくまで自分の足で一歩踏み出してみようと思える歌詞が秀逸。
79.Report 21
2rdアルバム『foo?』収録。最初から最後までノンストップ、ノンストレスで駆け抜けられるスピード感がたまらない。メロディ歌詞共にスタンダードなJ-POPでインスタント的な側面があるんですが、その気軽さが気持ち良い曲。
80.音のない森
11thシングル。ここまでラストまでの壮大な前フリ的な曲もない。終始、暗がりの森に迷い込んだような腹に来る重々しいサウンドからラストで一転、メロディが消え昭仁のボーカルのみになった瞬間に霧が晴れ、森の中から抜け出し一筋の光が差したような錯覚になり、気づいたら宗教法人保流之光(ポルノ光)の入会申込書にサイン書いてる。
81.ライン
6thアルバム『m-CABI』収録。片想いソングの究極点。「気の合う友達」の一文だけで脳が破裂するほど感情がグチャグチャになる。いっそ木っ端微塵になるほど嫌ってくれたほうがどれだけ良かったか、全人類が「俺(私)の曲」と涙を流した最凶バラード。
82.空想科学少年
2ndアルバム『foo?』収録。歌詞と曲の世界観が完璧に合致してるアルバム曲のレベルを遥かに凌駕した超名曲。特筆すべき所は山のようにあるが例えば、「少年」だから未熟な「選べれる」ってあえてら抜き言葉の歌詞にしてるところとか、ただただ脱帽するしかない。
83.THE DAY
43thシングル。青龍刀のようなソリッドなメロディに廃退的な歌詞、音の洪水に溺れる。2番Bメロ「ここは地獄じゃなくて まして天国のはずもなく ちょうどそのミシン目のような場所なんだ」は新藤晴一の真骨頂とも言える一生語れる最強フレーズ。
84.真っ白な、灰になるまで燃やし尽くせ
44thシングル。ポルノグラフィティ史上最速。速すぎて気がついたら終わってるレベルなので、もはや聴いてなかったんじゃないかっていう錯覚に陥いるポルノグラフィティのスピードキング。
85.Part time love affair
44thシングル『LiAR/真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ』カップリング。言葉にならないくらい良い。ダブルA面の前2曲が完全に吹き飛ぶレベル。エロス、メロディアス、シリアスのトリプルミリオン。
どこまでも生々しく、「男の女々しさ」が嫌というほどにじみ出ている曲。一番Aメロの「あいつに電話をかけちゃ やだよ」この「やだよ」にすべてが詰まっていると言ってもいい。これほどまでに一言で主人公の男がどんな人物であるかということを連想させる言葉はない。
そしてサビのキーワードである「Why」、そして2番から繰り返し歌われる「W」(Wと連続して書くと揺れる波のように見えるというところから着想を得た、らしい)この言い回しによってグッとこの曲全体の輪郭が見えてくる。こんなに5W1H勉強しといてよかったと思ったことはない。
86.Montage
45thシングル。アニメ『パズドラクロス』主題歌。子供向けアニメということを微塵も感じさせない、スリリングでどこか影を感じる言葉の言い回し、岡野昭仁作詞新藤晴一作曲という珍妙な組み合わせにも関わらず黄金時代のポルノグラフィティを彷彿とさせるクールさを感じる職人気質の一曲。俺達が1番最初に好きになったポルノグラフィティの姿がここにはある。割烹料理屋のような渋みの増した彼らを味わってほしい。
87.Fade away
11thアルバム『BUTTERFLY EFFECT』収録。同アルバムに収録されている「キング&クイーン」や「スパイス」が表岡野昭仁ならFade awayはいわば裏岡野昭仁。ゴリゴリのロックサウンドに乗せて泣き叫ぶように歌う絶望と後悔の歌詞。完全な胃痛ソング。シングルカットの箸にかかったというほどアルバムのなかでも異質な雰囲気漂う曲。
88.MICROWAVE
11thアルバム『BUTTERFLY EFFECT』収録。なんですかこれは。デビュー18年目にしてこじ開けた新しい扉。テクノロックとでも言うべきか、聴き続けてると脳が麻痺してトランス状態になりヨダレが止まらなくなる。
メロディだけでなく断片的な歌詞にも関わらず聴き手を曲世界に引きずりこむワードチョイスの妙、生きる正岡子規こと新藤晴一。
89.夜間飛行
11thアルバム『BUTTERFLY EFFECT』収録。曲を彩るメロディ、歌詞、アレンジ、歌声、全ての音が「美しい」新藤晴一の到達点と言っても過言じゃない名曲バラード。歌詞の世界観にもあるように五感の全てを研ぎ澄まして聴きたい。
90.カメレオン・レンズ
46thシングル。2018年、ヒリヒリするような曲展開、そのすべてがキラーフレーズの新藤晴一の歌詞、ボーカリストとしての極地に達したと言っても過言じゃない岡野昭仁の声、ここにきて最高の「ポルノグラフィティ」をむざむざと見せつけられました。まさに『圧倒的』。「最新にして最高」「新旧ポルノグラフィティの融合」…どれだけ言葉を尽くしても足りない曲。
91.ブレス
47thシングル。フワッフワの雲のように流れるメロディから、世のヒットチャートにゴリゴリに喧嘩売った歌詞を乗せた最高にロックな一曲。
メッセージソングでありながらメッセージソングそのものを否定するような曲展開、ラスサビでなにか答えを出すのかと思いきや「晴れた日も雨の日もあるように「朝と昼が巡ってくように」「出会いとサヨナラ繰り返す旅人のように」の比喩表現連発でリスナーに丸投げするユルさ。この決して歌詞を押し付けない「ヒントは出した、あとはテメェで考えろ」の投げやり感こそポルノグラフィティ。
92.Zombies are standing out
配信限定シングル。ロックバンド・ポルノ・グラフィティの最高到達点。カッコよさ、エロさ、切なさ、すべてを壊し再構築した最強にして最凶の楽曲。
一度聴くと、脳がダメージを受けて「ポル脳」になり脳が収縮し中毒化し、常にポルノグラフィティを求め続けるゾンビ状態「ポルノ・ゾンビ」になる。
93.プリズム
50thシングル『VS』カップリング。岡野昭仁作詞作曲で、デビュー20年のファンへの謝の想いを込めた曲で、爽やかなのに激しいポップ・ロックとしての完成形。「曲が良い」「歌詞が良い」「歌が良い」「タイトルが良い」ファンだけじゃなくあらゆる生命に聴かせたい完璧曲。
94.REUNION
51thシングル『テーマソング』カップリング。メロディ、アレンジ、歌、全てが荒々しく、力強い。絶望の沼に沈んでる人間を片手で引き抜いてそのままそいつの顔面をバカデカい金棒で強打するような曲。聴けば否応なしに体温が上がり狂乱状態になる。特にCメロ
「アイアムユゥゥウウウッッッッ!!!!ヒアッッイズゼアアアアアア真理をォ…
(ヒュウウウウウウウウウウウイイイイイイイイイイ!)
「孕んだアアアアこのォオオオ…」
(ドドドドッドオドッドドドドドド!!!!)
「矛盾ゥゥゥウウンンンンン…………」
(ポォォワァァン…ポォワァァ……ォワァァ……ワァァ……ァァ……)
「ファッ………」
「リユニオンナァアアヴッッッ!!!」
は、この世に存在する全てのCメロの中で最もアガるメロディ。
95.暁
12thアルバム『暁』収録。近年の名曲でもある『THE DAY』と『Zombies are standing out』の良いことどりのような楽曲で、デビュー24年にしてポルノ史上最高難度を誇る労働基準法違反曲。特に岡野昭仁のボーカルテクがもはや異次元なレベルに達していて聴いてるだけで「なにこれ?」と脳が混乱する。「赤月」と「暁」のダブルミーニングの歌詞も最高で、これからのポルノの名刺になる曲。
96.悪霊少女
12thアルバム『暁』収録。「初恋」を知った少女の胸の痛みを「悪霊」と例えた歌詞と高低差の激しいメロディ、24年目にして新境地。
新藤晴一いわく「過保護な親目線の曲」らしく、純粋無垢な少女が変わってしまうことを恐れ惑う父親と、「戦うの」と力強く鼓舞する母親との対比があまりにも秀逸。岡野昭仁のボーカルもストーリーテリングとして感情を抑えつつメロディの不規則さを完璧に歌いこなしていて100万回聴ける。
97.メビウス
12thアルバム『暁』収録。
「やさしいあなたは わたしのくびねを りょうてでしめあげ ないてくれたのに」
首絞めセクロス中のメンヘラを体現したゲロ吐くほどイカレ散らかした歌詞と、それに反比例したメロディのギャップに心臓を握り潰されるかのような衝撃があり、聴くたびに「もう殺してくれ…」と思う。特に『デッサン#1』を彷彿とさせるようなギター・ソロがもはや人生の最後。
98.ジルダ
12thアルバム『暁』収録。こっ恥ずかしくなるほどクサくてイタい歌詞がメロウなメロディに完全にハマっていて岡野昭仁の節回しを聴いてるだけでもイキ昇天する。
『BLUE SNOW』『We Love Us』等で描かれるような新藤晴一の愛すべきバカ男のラブソングは巨大な好きと嫌いが同時に襲ってくる恐ろしい曲。
99.クラウド
12thアルバム『暁』収録。終わってしまった恋人たちのストーリーを、ネット上にデータを永久保存する「クラウド」と流れ消え行く「雲」に対比させた歌詞、振動晴一に「失恋曲の書き方の教科書」を出して欲しいとつねづね思っている。
100.証言
12thアルバム『暁』収録。心臓の鼓動とリンクした激しいドラムが単なるバラードとは一線を画した「全てのラブソングの答え」のような曲。
「完璧なものなど この世にはないと言うのなら あの愛はそれを覆したほんの一瞬 たくさんの星が証言してくれるはず」
なにを食ったらこんな歌詞が思いつくのか、毎食の食事の献立を教えて欲しい。
以上です。もし私が死んだら、お経読もうとしてる坊主を投げ飛ばしてこれらの曲を爆音で流してください。