欲と陰謀渦巻く、札幌。ここに住んでるとよく酔っ払い同士の喧嘩に出くわす。
「もう一回言ってみろや、さっきからなんなんだよコラ」
「ふざけてんじゃねぇぞ、テメェ」
「ふざけてんのはてめぇだろうが、なんなんだよコラ」
「うるせぇんだよ、ふざけてんじゃねぇっつってんだボケ」
「は?なにがだコラ」
「あ〜?なんだテメェその言い方」
「あ?」
「あ?」
「あ?なんだコラ文句あんのか」
「うるせぇよ、テメェ調子こいてんじゃねぇぞ」
「あ?テメェじゃねぇよ、敬語使えやコラ。年上だぞコラ」
「あ?テメェだからテメェって言ってんだよ、マジでやってやんぞ」
「お?やってやるってなんだコラ。大概にしとけよコラ」
「テメェマジで殺すからな、マジで」
「あ?誰が殺されるんだ雑魚がコラ」
「は?誰が雑魚だ、舐めてんじゃねぇぞ」
「うるせぇよ黙れコラ」
「テメェだうるせぇのは」
「んだコラ」
「あ?」
「とりあえず土下座しろコラ」
「は?するわけねーだろ、バカかテメェ」
「テメェよりバカじゃねぇよ、いいからやれよコラ」
「やるかボケ、うるせぇんだよ」
「テメェが悪りぃんだろうがよ、やれよコラ」
「いっつもテメェはそうだよ、自分は悪くない自分は悪くないってよ」
「は?意味わかんねぇよコラ」
「テメェのそういう態度でどれだけ周りに迷惑かけてるかわかんねぇのかよ」
「なんなんだよ、なにが言いてぇんだよコラ」
「なんでだよ」
「はぁ?」
「なんで気づかねぇんだよ…」
「な、何言って…」
「かわいすぎるんだよ…」
「え?」
「お前がそんなカッコで歩いてたら、他の奴らが放っておかねーだろうがよ」
「バ、バカ。なにそれ」
「もう、俺から離れるんじゃねーよ…」
「んっ、もぅ…こ、こら」
二人は頬を赤らめ、夜のネオン街へと姿を消した。