知り合いが何人か出ているので『YOSAKOIソーラン祭り』を見に行った。元々よさこいにはさほど興味がなく、ソーラン節イコール金八先生のイメージしかなかった。
金八先生で一番好きなのはぶっちぎりで第5シリーズだ。第5シリーズの目玉生徒はなんといっても風間俊介が演じた兼末健次郎。彼は歴代金八シリーズの中でも群を抜いて問題児の生徒だった。その恐ろしさはわかりやすい不良役を演じた今までの多くの生徒と違い、表の顔は先生から多大な信頼を得る優等生、しかし陰ではクラスを恫喝し、支配するという悪魔のような生徒なのだ。第1話で3Bの前担任である中野(ラサール石井)を健次郎の指示によってクラス全員でリンチするシーンは当時衝撃を受けた。未だに彼が他の作品やテレビに出演するたびに「健ちゃん…」と言ってしまうのは俺だけだろうか。健次郎だけじゃない。他にも多動性障害を持つデラ、茶化し役ヒルマン、勘違い女子アスミ、ブラ匂い嗅ぎアツシなど一癖も二癖もある生徒が多かった。密かに健次郎の腰巾着・明彦としてKAT-TUNの亀梨和也も出演していた。個人的には「はあぁい!!」と返事がやたらとデカい慶貴が凄く好きだった。慶貴の一番印象に残ってるシーンは卒業後のスペシャルでサオリが高校でいじめられていることを3Bが知り、金八に「慶貴、お前サオリが自殺したらどうする!」と問われたとき「いじめた奴ら全員警察に突き出します!」と叫ぶシーンだ。ある日、そんな彼らは金八の同僚である遠藤の提案で「南中ソーラン」を踊ることになる。しかし、当然素直に受け入れるはずもなく最初はソーラン節を踊ることに対し否定的な姿勢を見せていたが、紆余曲折あり見事に南中ソーランを踊ってみせる。あのシーンは思い出すたびに目頭が熱くなる。金八先生におけるソーラン節の歴史が始まったのもこの第5シリーズからだった。
そう、ソーラン節。YOSAKOIソーラン祭りに話に戻す。金八フリークである俺はこの南中ソーランを楽しみに今回の祭りに臨んだのだが、悲しいことに南中ソーランを披露しているチームは殆どいなかった。多くのチームがオリジナルアレンジを加えた「自分達なりのソーラン節」を表現していて、踊ってる最中に男がなぜかふんどし一丁になり裸で踊り狂う北海道バカ田大学のチーム、ソーラン節なのにテーマが「サバンナ」とかいうトチ狂った大学生チーム、途中まで和テイストで格好良かったのに急に「Y!M!C!A!」とヤングマンやり始めるチーム、ソーラン節とチアリーディングをミックスさせた全員女子大生のチーム、お前らよさこいにかこつけて恋愛したいだけだろとしか思えない糞チャラチーム、「さぁさぁさぁさぁ!!!祭だぁ!盛り上がっていこうぜぇ!ソーランソーラン!!」と煽りは滅茶苦茶ハイテンションなのにチーム人数がたった10人で踊りもグダグダのチームなど「祭り」の名に恥じない阿鼻叫喚地獄だった。(主に俺が)
そんなフリースタイルYOSAKOIソーラン祭りの中でも稚内の「南中ソーラン連」というチームはその名の通り南中ソーラン一本で活動しているまさに生粋の「3年B組」で彼らの演舞中は第5シリーズの名シーンが走馬灯のように頭の中を駆け巡った。(3Bが学校に併設しているデイサービスセンターに通う老人・大西とトラブルを起こしたことから金八が激怒し生徒たちを平手打ちするシーン、兄と揉み合いになり誤って母親をナイフで刺してしまい家を飛び出した健次郎を金八がおぶって警察に連れて行くシーン、など)
と、ほぼ金八の話でお察しの通り大して書くことが無いんですけど、平成狸合戦ぽんぽこ以来の「そいやっさ!」がたくさん聞けたので良しとしときます。