朝ゴミ出すのよく忘れちゃうんで、前日の夜とかにゴミ出しするんですよ。
そしたら近所のババァが血相変えて走ってきて開口一番、
「コラ!前の日にゴミ出ししちゃダメでしょ!ルールは守りなさい!」
とか言いやがって。はぁ?ババァの上からの物言いにカチンと来て、いちおう謝ったふりをしてからババァが寝静まったのを見計らってゴミ出し場にゴミ放りこんでやったんですよ。
しめしめと思ってたら次の日、僕の家の前に出したはずのゴミが置かれてて、そのせいでゴミ収集車の回収時間に間に合わなかったんですよ。
途方に暮れてる僕の前にババァがやってきてしたり顔で、
「ほら、だから言ったじゃない。時間通りに出さないからこういうことになるのよ〜」
て、てめぇ〜!俺ぁもうプッツンきちまったよ。
それから、僕とババァの攻防が始まりました。
夜中の3時とかにわざとゴミ出してやったりするんですけど、ババァもこっちの動きを読んでるんでしょうね。朝5時とかに僕の家の前にゴミ戻すんですよ。
そんなやりとりがしばらく続いたある日、僕は少し疲れてたのもあってゴミの日の前日にもかかわらず、ゴミまとめるのを忘れてその日の夜は寝ちゃったんですよね。
そしたら次の日の朝、7時くらいだったかな、家のインターホンが鳴ったんです。
「なんだよこんな時間に」って寝ぼけまなこで玄関を開けたら、そこにババァが立っていたんです。
「ちょっと!今日ゴミの日よ!夜ゴミ出てないからなにかあったかと思って心配したじゃないの!」
「え…?」
「ほら!早くゴミまとめないとゴミ収集車来ちゃうわよ!」
「バ、ババァ…」
「アンタが夜出さないと張り合いなくてつまんないんだから、しっかりしなさいよ!」
「ババァ!」
そんなババァのやさしさに包まれながら、その日は無事にゴミ出しを終えた。
負けた、負けたよババァ。これからは朝出すように頑張るよ。
ありがとう、ババァ。