風に揺れるすすきに風情を感じる爽秋の侯、まだまだ暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
今回は、おそらく日本で一番アイスを食べている私が選ぶ、オリジナルの本当にうまいアイスランキングを発表します。
※2023年最新版
50位 赤城乳業 ブラック
噛んだ瞬間に口の中で混ざり合う、甘く苦い、遠き日の思い出。
グッと流れそうになる涙を堪えながら、君と初めて手が触れ合った時の感触が、よみがえる。
「知ってる…?手が冷たい人って心があったかいんだって…」
二度と戻らない日々に、堪えきれず涙。
49位 井村屋 メロンボール
メロンの確かな風味と、シャーベットの冷たさのハーモニー。
大事に、とても大事に育てられてきたメロン。瑞々しさ、甘みと深み。
それは生産者の笑顔。笑顔と言う名の、未来。
48位 ハーゲンダッツ ストロベリー
イチゴの瑞々しさと甘酸っぱさが舌の上で絡み合い一瞬で溶けてしまう。
口内では名も知らぬ大人達が集い、仮面舞踏会が開かれる。
ダンスに夢中になり、気がつくと、もうそこには空のカップだけが無造作に転がっていた。
ハーゲン、それは一夜だけの過ち。
47位 赤城乳業 ガリガリ君 ソーダ
人に認められ、人を認めながらこの世界は回っている。
でも、そんな「当たり前」のことに気づかずに僕らは日々を過ごしてしまう。
せわしなく進む時代の流れに戸惑い、壊れてしまいそうな時、いつまでも変わらない「君」がいた。
46位 ロッテ 雪見だいふく コクのショコラ
ぽかぽかと暖かく思わず夢見心地な気分。
小鳥のさえずりを聞きながら、うとうと一眠り。
はっきりと感じるチョコの甘みに、遠き日の記憶を重ねて。
45位 ハーゲンダッツ バー マウンテンチョコファッジ
ザクザクとした食感の気持ち良さに、思わず頬が緩んでしまう。
まるでボトルに手紙を入れて海に流した時のワクワク感。
届いたその先に生まれる物語に大きな期待と、少しの不安を滲ませる。
耳の奥から冒険の始まりを告げる鐘の音が聞こえる。
44位 赤城乳業 ガツン、とみかん
一粒一粒のみかんは、まるで都会のオフィスビルに灯る明かり。
その明かりの数だけ、それぞれの人生がある。
みかんもそう。
その粒の数だけ、そこにストーリーがある。
43位 明治 スーパーカップ チョコクッキー
チョコとクッキー。その魅力を知ってしまったが最後、これからの人生はもはや「惰性」に過ぎないと言ってもいい。
だが、その惰性こそが人生の「本質」なのかもしれない。
僕のくだらない冗談で笑う君の微笑み、それこそが人生。
42位 丸永製菓 恐竜の玉子
柔らかいその触感は、祖母の温もり。
アイスなのにどこか暖かさを感じるのは、子恐竜に愛情を注ぐ、母恐竜の優しさゆえなのかな?
41位 江崎グリコ 牧場しぼり ラムレーズン
バニラとラムレーズン。
どこまでも広がりを見せるその味わいに、ルーベンスの絵画を見た時のような印象を持つ。
叶わぬ夢を抱いて眠る子供のような。
世界の冷たさと暖かさ、そのアンバランスさに時々怖くなりながらも、私達は進んでいく。
40位 丸永製菓 白熊
フルーツと小豆、練乳、それらが口の中で混ざり合ったとき、心にずっと隠してきた夢の蕾が顔を出す。
まだ諦めなくてもいいんだよ…まだ走り続けててもいいんだよ…そう背中を押された気がした、あの夏。僕らはまだ、子供だった。
39位 森永製菓 アイスボックス グレープフルーツ
ハイボールの氷代わりに入れて飲む。
その相性の良さに、思わずグラスを床に落とす。
氷から溶け出したグレープフルーツの酸味とウイスキーの苦味が融合し、僕をどこか知らない国へと運んでくれる。
グルグルと回り始める世界。今夜は朝まで付き合うよ。
38位 フタバ食品 サクレ レモン
レモンの酸味が口一杯、退屈な日々にsay good-bye。
37位 江崎グリコ パピコ チョココーヒー
滑らかな舌触りのその先に確かな答えがある。
古びた喫茶店で一人、新聞を片手にホットコーヒーをすする。
この空間だけ、時間がゆっくりと流れているような安堵感に、少しだけ涙。
まだ、まだやれるさ。
36位 明治 ファミリア バニラ
ただ大きいだけじゃない、海のように深い愛情は聖母の微笑み。僕の悲しみを受け止め、包んでくれる。
一面を覆うバニラ色は、あの日僕の頬を撫でた白い指によく似ている。夢にまで見た光景を思い出し、味わうたびに、涙。
35位 ロッテ クーリッシュ バニラ
喉の奥にいつまでも絡みつくような重厚なバニラは、まるでロックバンド。
気持ち良いほどの爆音に耳も心も躍り、一気に身体が踊り出す。
口の中はライブスタジオだ、今夜は寝かせないぜ、そう言われている気がした。
34位 ロッテ 爽 バニラ
口にした瞬間、突風だ。心の中に突風が吹き抜ける。
夏草がそうそうと揺れている、かぶっていた麦わら帽子を手でおさえる。
「ふぅ、危なかった」
時の美しさと、同時に時が過ぎ去ることへの恐怖。
そんな切なさすら孕んだ、孤高のアイス。
33位 井村屋 あずきバー
一口かじると、あずきの固さに驚き、一瞬身体が固まる。
灯していた、たいまつを消し、フッと息を吐いてもう一口。これは中々に手強い。
手の届く場所にいるのに、決して届かない。
アイスという名の「花魁道中」のはじまりだ。
32位 センタン チョコバリ
移りゆく季節のなかでただ一つ変わらないもの。
ひょっとしたら、あの日からなにも変わってなどいないのかもしれない。
自分が自分であるということ、変わらなくていいんだとそっと肩を抱き寄せてくれる。
また、夏が来たら、君に会いに行ってもいいかな…?
31位 森永乳業 チェリオバニラ
チョコ、バニラ、板チョコ。
三位が一体となった時、全ての謎が解き明かされる。
「真実はいつも一つ」
そんな使い古された常套句は、チェリオの前では単なる幻想に過ぎないということがわかる。真実は、いつも、人の数だけある。
30位 ロッテ 雪見だいふく
やわらかいモチの中に広がるミルクの味わい。
君は一面に広がる銀世界を、光に反射されキラキラと輝く景色を見たことがあるだろうか。
一度口に入れて、瞼を閉じ、想像してほしい。
ようこそ、僕らの住む街へ。
29位 赤城乳業 チョコミント
スーッと鼻の下を突き抜けるミントの香り。
一口、また一口と食べ進めていく度に同時に押し寄せるチョコの甘みとミントの清涼感。
僕は、いつからか、歯を磨くことを忘れていた。僕の歯医者。
28位 丸永製菓 あいすまんじゅう
狂おしいほど詰まったたっぷりのあんこ。
一口味わえばすぐに、甘味の虜。
それは、決して恋をしてはいけない人を好きになった時の感覚に似ていた。
危険すら感じるほど濃厚な味わいなかに繊細さすら感じる魅力に呑まれていく。
「もうどうなってもいい…」心からそう思えていたあの頃。
27位 ハーゲンダッツ クッキー&クリーム
ただここにいるだけで、ここに存在しているだけで、救われたような気がする。
きっと彼の前では、誰もが等しく平等なんだろう。そう、誰もが。
26位 赤城乳業 かじるバターアイス
「バターアイス」という大海原に、さぁ旅立とう。
この先になにが待ってるかなんて誰にもわからない、でも進むしかない。そうすれば、また新しい風が吹く。
顔を上げると、そこには見たこともない景色が広がっていた。
25位 森永製菓 チョコモナカジャンボ
パリパリの板チョコに挟まれたバニラアイスとモナカ。
遠くの丘から誰かが手招きしているのがわかる。
いつかどこかで目にしたその人は、子供の頃に別れた祖父だった。
天国に一番近いアイス。
24位 江崎グリコ ジャイアントコーン チョコナッツ
試合が始まったとたん、ガツンと脳を刺激するチョコのパンチの雨が降り注ぐ。
一口食べるごとに揺さぶられ、気づけば、その場で気絶してしまっていた。
1ラウンドケーオー。カンカンカンカン…
23位 メイトー Patire 誘惑のナッツ
「オッ、オッ、イッ、オッ、ウッ、ウッ、ウマイーーーーーーーッッッ!!!!!」
鬱蒼と生い茂る森林のようなナッツに、己の中に潜む獣がうめき声をあげた。
自分が人間であることのありがたさを知る。
22位 明治 エッセルスーパーカップ 超バニラ
バニラの物語は、いつもここからだった。
帰るべき場所であり、同時に二度とは戻れない場所。
21位 メイトー ホームランバー
舐めても良し、かじっても良し、アイス界の大谷翔平がここにいた。
彼の一挙手一投足に、もう目が離せない。だが、憧れるのは、もうやめにしよう。
ホームランバーを食べた一人ひとりが、誰かの大谷翔平。
20位 明治 うずまきソフト
その渦巻きは、やさしさの証。
樹木の年輪のように時を刻んだ分だけ渦巻きの数も増えていく。
渦巻きの数だけ、アイスを食べる人達の笑顔がある。私は、その笑顔を守りたい。
19位 森永乳業 モウ バニラ
「んもぅ…」と言いながら照れる君の表情が、僕は大好きだった。
もう会うことはできないその顔を、これからも決して忘れない。
それを思い出させてくれる、唯一のアイス。
18位 赤城乳業 至福のカスタード
産声をあげた仔牛が見た空のように広く、海で泳ぐ鯨が初めて見た空のように遠い。
そんな深みのある味わいのカスタード。
口にするのは簡単だが、叶えるのは難しい。あの日見た夢の果てしなさ。
17位 井村屋 たい焼きアイス
小麦色に焼けた肌。照りつけるような太陽と、火傷しそうな砂浜の温度。
軽く口溶けの良いパフと、つぶあんとバニラの甘みに、ワクワクとドキドキは、もう止まらない。
さぁ、この夏はどこへ行こう?冒険の始まりだ。
16位 アイスの実 濃いぶどう
みずみずしいぶどうの味わいは、まるで君のいた夏。
爆発するほどに大きくなっていた心臓の鼓動も、時を忘れるほどに楽しかった日々も、永遠に戻ることはない。
都会の喧騒は僕らを「日常」という名の牢獄に閉じ込めていく。
あの日見た夕焼けの美しさを、また君と見たい。
15位 森永乳業 味わいソフト
決して前に出ることがなく、主張しすぎないその味は、引っ込み思案だった少年時代を思い出す。
どこへ行くにも友達の後をついて行くだけだった、僕。
鬼ごっこよりも竹馬に一人で乗っているほうが気楽だった、あの日。
タイムカプセルのようなアイス。
14位 グリコ 牧場しぼり バニラ
「濃厚」
そんな言葉では表しきれないほどのミルク。
牧場を搾る。それは生半可な覚悟ではない。
牛の乳ではなく、牧場そのものを搾ったとき一体なにが生まれるのか。
その答えは、すぐそばにある。
13位 明治 角10棒 アイスソーダ
胸を突き抜けるソーダの清涼感に、あの夏の日を思い出す。
なんにでもなれる気がした、どうしようもないくらいの情熱。
汗をかきながら、自転車のペダルを漕ぐ。
後ろに君を乗せて。
12位 森永乳業 MOW濃チョコレート
上品なカカオの滑らかさはまるで絹のようだ。
微かに感じる苦味の中に芳醇な香りが、一気に口の中に広がっていく。
古びたバーの隅席に座り、こちらをじっと見つめながら微笑む、あの日の彼女のように。
11位 ハーゲンダッツ クリスピーサンドキャラメルクラシック
クリスピーのサクサク感と、キャラメルの甘さ。
心地よいリフレインがいつまでも続き、クラシックコンサートのラストのような余韻がこだまする。
アイスと音楽は非常に似ている。どちらも「おんど」が大事。
10位 森永乳業 ビエネッタバニラ
バニラアイスとチョコレートが何層にも重なった、どこか懐かしいその味わいに、ある情景が浮かんでくる。
古い洋館。ヨークシャテリアの鳴き声。ハンモックの揺れる音。
心躍るような午後の昼下がりに、恋人を待ちわびる、一人の男。
それは私だった。違う世界の、私。
9位 ハーゲンダッツ 華もち 吟撰きなこ黒みつ
きなこと黒みつ。庶民の味の中に隠しきれない上品さを兼ね備えた、まるで
「すぐ城を抜け出して城下町に遊びに行く姫」
農民の子供と一緒になり遊んで泥だらけなる姫。
古い甘味処のどら焼きを「おいしい」とほおばる姫。
太陽のような、姫の笑顔に私は救われてきた。
この笑顔を守るためならば、悪にでもなろう。
8位 ガーナチョコ&クッキーサンド
クッキーと、チョコアイスのハーモニー。
口の中で小人たちが宴会を始める。
「エンヤホラ、ヨイサッサ。エンヤホラ、ヨイサッサ。」
陽気な声誘われて、私も宴会に参加する。
現実を忘れて、今日だけは楽しもうじゃないか。
7位 森永乳業 パリパリバー バニラ
気持ちの良いほどのパリパリ感に、深い霧が晴れ、雲の切れ間から光が差し込む。
深くため息をついて味わう。生と死、輪廻のその狭間。
これは、「幸せ」という名のため息。
6位 江崎グリコ パナップ
もはや、食べるという行為すら、パナップの前では「無」に等しい。
「美味い」そう感じる前には、もう次の一口を口に入れている。
ただ、その繰り返しだけ。そこには感情などいらない。
美味いの向こう側を君は見たことがあるか。
5位 森永製菓 ビスケットサンド
君がバニラで、僕はビスケット。
その2つが重なった時、今まで感じたことのないカタルシスを味わう。
甘く切ない吐息、白く透き通った肌。
天使はここにいた。
4位 森永乳業 ピノ
甘みの爆弾。
「ボンッ!」爆発音を立てて、一気に溶け出す。
頭から爪先まで「甘み」という概念が全身の血液に流れ込んでいるような錯覚に陥る。
「もうだめ…」
おかしくなりそうな自分を必死におさえる、たった6粒の、私の万能薬。
3位 赤城乳業 ガリガリ君 梨
しょせんアイスはアイス、フルーツ味のアイスはあくまで「フルーツ味」
そんな枠に、常識に縛られて今まで生きてきた。
そんな愚かな自分を、あの暗く狭い部屋から手を引いて光へと連れ出してくれた。
君が僕の光。
2位 ロッテ モナ王 バニラ
この宇宙に存在する 「王」と名のつく者の中で、最も気高く、最も気品のある王の中の王。
モナカとバニラだけ。それだけのはずなのに、千の言葉を尽くしたくなる。
圧倒的な威厳、その奥に感じる優しさ。「彼」は、そんな私たちの戯言すらも笑って聞いてくれるのだろう。王の前にひれ伏せ。
1位 森永乳業 PARMチョコレート
まるで、前から全てを知っているような、ずっと前から出会っていたような。
一口食べれば、もはや立つことすら許されない。
ブルブルと身体は震えだし、力が抜ける。
有無を言わさず押し寄せるバニラとチョコ。
誰も勝てない。勝てるはずがない。
これが、これがアイス。
なんですかこれ?