初花凛々の季節、暑い日が続いていますがいかがお過ごしでしょうか。
春夏秋冬問わず、日本で一番アイスを食べているであろう僕が選んだオリジナルのうまいアイスランキングを発表します。
50位 井村屋 あずきバー
一口齧るとあずきに包み込まれて、一瞬身体が固まる。灯していた松明を消し、フッと息を吐いてもう一口。アイスなのに酔いしれる。花魁道中のはじまりだ。
49位 チョコフレークバー
チョコとクリームが噛んだ瞬間に口の中で混ざり合う。なんだこれは、グッと流れそうになる涙を堪える。ふと初めて彼女ができた時のことを思い出す。甘美な一時を思い出し、堪えきれず涙。
47位 恐竜の玉子
柔らかいその触感は祖母の温もり。赤子の時に感じた背中。アイスなのにどこか暖かさを感じるのは、子恐竜に愛情を注ぐ、母恐竜の優しさ。
46位 メロンボール
ビニールシートで大事に、とても大事に育てられてきたメロン。その瑞々しさ、甘みと深み。その深みは生産者の笑顔。笑顔と言う名の未来。
45位 ハーゲンダッツ ストロベリー
そのイチゴの瑞々しさと甘酸っぱさに口の中が踊り出す。アイスの甘みとイチゴの酸味が口の中で絡み合い、舌が歓喜の声を上げる。「もっと、もっとちょうだい」「はっ」気がつくともうそこには空のカップだけが無造作に転がっていた。
44位 ガリガリ君 ソーダ
頭に鈍器で殴られたような衝撃が走る。「なんだ?」後ろを振り返るが誰もいない。そうか…君か…君だったのか。
43位 クリスピーナ
木漏れ日。ぽかぽかと暖かく思わず夢見心地な気分。はっきりと感じるチョコの甘みに遠き日の思い出を重ねて。
42位 ザクリッチ
チョコレートとザクザクとした食感のパフ。思わず頬が緩んでしまう。場面が切り替わる。ボトルに手紙を入れて海に流す。届いたその先に生まれる物語を信じたワクワク感、耳の奥から冒険の始まりを告げる鐘の音が聞こえる。
41位 ガツンとみかん
一粒一粒のみかんはオフィスビルに灯る明かり。その明かりの数だけの人生がそこにはある。みかんも粒数分、それぞれのストーリーがある。
40位 スーパーカップ チョコクッキー
チョコアイスとクッキー、こんなものを知ってしまうとこれからの人生はもはや惰性に過ぎないと言ってもいい。「人生」、アイスとは「人生」なのだ。
39位 牧場しぼり ラムレーズン
バニラ、ラムレーズン。どこまでも広がりを見せるそれにルーベンスの絵画を見た時のような印象を持つ。叶わぬ夢を抱いて眠る子供のような味わい。
38位 しろくまアイス
フルーツと小豆、練乳、それらが口の中で混ざり合ったとき、心にずっと隠してきた夢の蕾が顔を出す。ああ、まだ諦めなくてもいいんだよ、まだ走り続けててもいいんだよ、そう背中を押された気がした。
37位 アイスボックス グレープフルーツ
ハイボールの氷代わりに入れて飲む、思わずグラスを床に落とす。僕が今まで飲んでいたハイボールは何だったのか。唇についたハイボールを指で拭いひと舐め。氷から溶け出したグレープフルーツの酸味とウイスキーの苦味が融合し、僕をどこか遠くへと運ぶ。グルグルと回り始める世界。今夜は朝まで飲もうか。
36位 サクレ レモン
氷の冷たさ心にきたさ、レモンの酸味が口一杯、退屈な日々にgood-bye。そんな大事に慎重に第一印象言っても始まらないストーリー、一歩踏み出す力生み出す。
35位 パピコ チョココーヒー
滑らかな舌触りのその先に確かな答えがある。古びた喫茶店で一人、新聞を片手にホットコーヒーをすする。この空間だけ時間がゆっくりと流れているような、安堵感。
34位 ファミリア
ただ大きいだけじゃない、深い愛情は聖母の微笑み。一面を覆うバニラ色は頬を撫でるその白い指によく似ている。夢に見たあの光景。
33位 クーリッシュ
重厚なバニラはギターロックサウンド、気持ち良いほどの高音に耳も心も躍る。一気に身体に流し込む。口の中はライブスタジオだ。
32位 爽 バニラ
口にする。突風。心の中に突風が吹き抜ける。夏草が揺れている、時の美しさと、同時に時が過ぎ去ることへの恐怖も感じる。そんな切なさすら孕んだ孤高のアイス。
31位 チョコバリ
移りゆく季節のなかでただ一つ変わらないもの、あの日からなにも変わってなどいない。自分が自分であるということ、変わらなくていいんだとそっと肩を抱き寄せてくれる。また夏が来たら君に会いに行ってもいいかな?
30位 チェリオ
チョコ、バニラ、板チョコ、この三位が一体となった時、全ての謎が解き明かされる。真実はいつも一つ、そんな常套句もチェリオの前では単なる幻想に過ぎないということがわかる。
29位 雪見だいふく
やわらかい餅の中に広がるミルクの味わい。君は一面に広がる銀世界を、光に反射されキラキラと輝く景色を見たことがあるだろうか。一度口に入れて瞼を閉じて見てほしい。ようこそ、僕らの住む街へ。
28位 赤城 チョコミント
スーッと鼻の下を突き抜けるミントの香り、一口、また一口と食べ進めていく度に同時に押し寄せるチョコの甘みとミントの清涼感。僕はこれを食べた日は歯を磨くことを忘れていた。僕の歯医者。
27位 あいすまんじゅう
狂おしいほど詰まったたっぷりのあんこに鳥肌が立つ。一口味わえばすぐに虜になる。危険すら感じるほど濃厚な味わいなかに繊細さすら感じるその不思議な魅力に呑まれていく。「もうどうなってもいい」心からそう思えた。
26位 ハーゲンダッツ クッキー&クリーム
ただここにいるだけで、ここに存在しているだけで救われるような気がするアイス。きっと彼の前では誰もが等しく平等なんだろう。
25位 バニラブルー
バニラという大海原に僕らも旅立とう。この先になにが待ってるかなんて誰にもわからない。アイスを一口放り込む。また新しい風が吹く。顔を上げると、そこには見たこともない景色が広がっていた。
24位 チョコモナカジャンボ
パリパリの板チョコに挟まれたバニラアイスとモナカを一度に口にすると、遠くの丘から誰かが手招きしているのがわかる。いつか何処かで目にしたその人は子供の頃に別れた祖父。天国に一番近いアイス。
23位 ジャイアントコーン
ガツンと脳髄を刺激し、チョコのパンチの雨が降り注ぐ。一口噛む毎に脳を揺さぶられているのがわかる、1ラウンドケーオー。ありがとうございました。
22位 クランキーアイスバー
「ウッ、オッ、ウッ、ウッ、ウマイーーーーーーー!!」鬱蒼と生い茂る森林に潜む獣のような鳴き声を上げたくなった。自分が人間であることのありがたさを知る。
21位 スーパーカップ 超バニラ
バニラの神にして全てのアイスの始まりの場所と言っても過言ではない。食べ進めるたびにその圧倒的なバニラ感に、我々はただ跪くしかない。
20位 ホームランバー
舐めても良し、齧っても良しのまさにラクトアイス界の大谷翔平。彼の一挙手一投足に、もう目が離せない。ストライク、バッターアウト。
19位 うずまきソフト
その渦巻きはやさしさの証。樹木の年輪のように時を刻んだ分だけ渦巻きの数も増えていく。その渦巻きの数はこのアイスを食べる人達の笑顔の数。
18位 MOW バニラ
突き抜けるミルクの甘みに天まで昇るような感覚。いや。それだけじゃない、薄っすらと産声を上げた仔牛が見た空のように広く、鯨が初めて見た空のように遠い、そんな深みを感じる。
17位 たい焼きアイス
小麦色に焼けた肌と砂浜に太陽。軽く口溶けの良いパフとつぶあんとバニラの甘みにワクワクが止まらない。さぁ、この夏はどこへ行こうか。真夏のシュプール。
16位 BIGスイカバー
スイカ。燦々と照りつける太陽の日差し。君のいた夏。そして永遠に。側にいれば感じる鼓動。楽しかった日々。それらを攫う都会の喧騒。いつか見た空に捧げたい。
15位 味わいソフト
主張し過ぎないその味は、引っ込み思案だった少年時代を思い出す。どこへ行くにも友達の後を付いて行くだけだった僕、鬼ごっこよりも竹馬に一人で乗っているほうが気楽だったあの日。タイムカプセルのようなアイス。
14位 牧場しぼり バニラ
「濃厚」そんな言葉では表しきれないほどのミルク。牧場を搾る。それは生半可な覚悟ではない。牛の乳ではなく牧場そのものを搾ったとき一体なにが生まれるのか。その答えはこの中にある。
13位 ダブルソーダ
胸を突き抜けるソーダの圧倒的な清涼感。生と死、輪廻のその狭間。どうしようもないくらいのパッション。汗をかきながらペダルを漕ぐ。
12位 MOW ミルクチョコ
上品なカカオの滑らかにまず舌鼓を打つ。そして微かに感じる苦味の中に芳醇な香りを醸し出しながら一気に口の中に広がる。まるで古びたバーの隅席に座りこちらをじっと見つめながら微笑んでいる彼女のように。
11位 角10棒 アイスソーダ
ソーダ、バニラ、ソーダ、バニラ、心地よいリフレインが続き、クラシックコンサートのラストのような余韻がこだまする。終わりのない旅は続く。
10位 meiji GOLD LINE 濃厚チョコレート&バニラ
濃厚なチョコとバニラ。舌の中で小人たちが喜んでいるのがわかる。ヨークシャテリアの鳴き声が聞こえる。ウキウキとした午後の昼下がりに恋人を待ちわびる一人の男が見える。
9位 サンデーカップ パリパリチョコ
シナリオのない映画のように驚きの連続。しかし、緻密に計算されているコンピュータのような味わい。嘘と真実。
7位 パリパリバー バニラ
バニラとチョコの絶妙なバランスは深い霧が晴れ、雲の切れ間から光が差し込むかのよう。深くため息をついて味わう。これは、「幸せ」という名のため息。
6位 パナップ
もはや、食べるという行為すらこのアイスの前では「無」に等しい。「美味い」そう感じる前にはもう次の一口を口に入れている。ただ、その繰り返しだけ、そこには感情などいらない。美味いの向こう側を君は見たことがあるか。
5位 ビスケットサンド
ビスケットとバニラ、そのバランス感覚にやってくる絶頂(カタルシス)。甘く切ない吐息。天使の分け前。
5位 ピノ
一粒口の中に入れた瞬間に甘み爆弾が爆発する。「ボンッ!」爆発音を立てて、一気に溶け出す。まるで頭から爪先まで甘みが全身の血液に流れ込んでいるような錯覚に陥る。
4位 パリッテ
パリパリのチョコとなめらかなバニラ、極上の味わいに骨抜きになる。その骨を薪で燃やす。パチパチと音を立て、煙が上がる、むせかえるほどの熱を帯び、空へと還っていく。
3位 ガリガリ君 梨
所詮アイスはアイス、フルーツ味のアイスはあくまで「フルーツ味」。そんな枠に、常識に縛られて今まで生きてきた。そんな愚かな自分をあの暗く狭い部屋から、鳥籠から手を引いて光へと連れ出してくれた。ガリガリ君、君が僕の光。
2位 モナ王 バニラ
この宇宙に存在する 「王」と名のつく者の中で最も気高く、最も気品のあるキングオブキングス、それがモナ王。そこにあるのはモナカ、バニラそれのみ。それだけのはずなのに千の言葉を尽くしたくなる。圧倒的な威厳、その奥に感じる優しさ。彼はそれすらも笑って聞いてくれるのだろう。
1位 パルム
まるで、前から全てを知っているような、ずっと前から出会っていたような。雷に打たれたような衝撃が全身を貫き、立つことすら許されない。ぶるぶると身体は震えだし、筋肉がこわばる、そして押し寄せるバニラとチョコの旨味。これが、これがアイス。