kansou

ミクスチャーブログ

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映画『何者』ネタバレ感想

観ましたー。

簡単に言えば「ヌル〜っとひたすら面白くなかった」って感じで、あぁ〜あるある、こういう経験!あるでしょ!あぁ〜、いるいる!こういう奴!いるでしょ!って終始言われているんですけど、一言返すなら「ねぇよ」だし「いねぇよ」でした。

いや、これは俺の周りに限った話のことで統計取って言ってるわけじゃなくあくまで主観でしかないんですけど、え?いる?あんな胸糞悪い奴ら本当に周りにいる?急に「ここ、就活対策本部にしようよ!」とか、やってた?自分のオリジナルとか名刺作ってた?ほんとにやってた?就活対策本部って聞こえはいいけど、基本プリンター借りにきてただけじゃねえかおい。

就活生のリアル!とかラスト10分のどんでん返し!とか言ってたんですけど、ただただ意地糞悪い奴らの胸糞悪い話を延々と聞かされて、結局なんだったんだよ、なんの話だったんだよ感が拭えなかったし、途中途中の知らん奴らの知らん演劇が挟まれるくだりもただただ不快です。気まずい空気だけが映画館に流れてました。そもそも本当にリアルだったらあんな美男美女は就活に苦戦してねえ。ルックスもリアルにしやがれ。

ラストで主人公の佐藤健が達観して物事を分析するような奴だったんだけど、実は周りをめちゃくちゃ気にして友達が内定決まった企業の評判を調べてたりとか、Twitterの裏アカウントでボロクソに悪口言ってたりしてましたよ〜って種明かしが入るんですけど、それをド派手な演出と重厚な音楽でどどん!と出されても「はぁ…そうすか」以上の感想が持てなくて超どうでもいいわ、あ、ああ、そうか!それを軸にもっと凄い裏切りや事件が起きるのか!二階堂ふみに刺される!?有村架純がとんでもない糞ビッチだった!?とか?って思って観てたらそのままふわぁ〜っと終わってほんとに気持ち悪かった。

それで、エンドロール流れてるときに一緒に観に行った人の顔見たら「は?なにこれ。金返してほしい」って鬼みたいな顔されて俺もほぼほぼ同意見でそっから2時間くらいは暗黒武術会だったんですけど、これ、絶対黙って観る映画じゃないですよ。『桐島、部活やめるってよ』もそうですけど、金曜ロードショーとか、レンタルビデオ屋でDVD借りてきてビールとポテチつまみながら友達とか恋人と延々とあーだこーだ悪口言いながら観る映画ですって。それだったらまだ楽しめたかもしれないし、観後感の気持ち悪さもなかった。こんな茶番劇を映画館のバカでかいスクリーンで一言も喋らないで観ないといけないのは就活以上の拷問、アイアンメイデンです。発声上映とか流行ってますけど、ゴジラとかそういう映画よりもこの映画みたいに、昼飯後に黙って観てたら絶対寝る映画こそ自由に悪口言っていいようにしてください。

そもそも、こうやって鑑賞後に映画の感想をSNSとかブログで書いたりすること自体を逆手に取ってメタ的に予防線張ってるのが鼻についてしょうがなかった。この映画について語ることへの居心地の悪さというか、下に見てこき下ろすことで『何者』の術中にハマってる感じが、「そうそう、そうやって偉そうに書いてる君の中にも拓人(佐藤健)は存在してるんですよ」的なアレが、とりあえずうるせぇ馬鹿。親殺されたかのように書いてますけど、万が一こいつに親殺された時に、ああ、あの時言いたいこと言わなかったばっかりに親殺されたよってならないために書いてる。

 

しかし!『何者』には唯一無二の良心、かわいさの権化、有村架純が出演してるのです!そして、この映画、めちゃくちゃ有村架純のアップが多い!糞の糞しかいない肥溜めの中に咲いた一輪の花、それが有村架純。初っ端のライブステージで腐れバンドマンを見つめる眼差しからもうめちゃくちゃかわいいの。それで、佐藤健の住んでるアパートのドアからヒョコって現れて半分だけ顔覗かせるんだけど、もうああっあああっ!ってなるし、就活の最中にばったり同じ企業にあたって帰りにメシ食いに行くシーンとか、ちょっと涙目で就活への想いを語るシーンとか、いちいちどうなってんだってくらいかわいすぎて、それまでの茶番劇が一気に吹っ飛びます。

いっつも思うんだけど、有村架純がメインで出てる映画はほぼほぼ有村架純イメージビデオみたいになるパターンが多くて、この『何者』も他の連中が有名俳優だったからなんとか均衡取れてるだけで佐藤健も菅田将暉も二階堂ふみも岡田将生も山田孝之も、それぞれの役を演じることで実際マイナスイメージしかつかないような役のなかで唯一有村架純だけがなんのバツもつかないのは、スタッフ、演者、脚本家、監督、結局お前ら全員有村架純のこと大好きなだけだろって思いました。俺も大好きです。ありがとうございました。

 

何者

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何者 (新潮文庫)

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