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Fight Song

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米津玄師『灰色と青』を聴くと菅田将暉になれる

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米津玄師。前から「米津玄師」という存在を知っていたものの、どこか避けてきた自分がいた。「いきなりやってきた天才を認めたくない」という勝手な嫉妬心みたいなのがあったのかもしれない。でも、昨日ぼーっとyoutubeを眺めていたら飛び込んできた「米津玄師MV 『灰色と青(+菅田将暉)』」の文字と二人の怖いくらいバチクソなキメ顔に吸い込まれるようにリンクをクリックして曲を聴いた途端に涙が止まらなくなりました。

そして菅田将暉。「菅田将暉」という俳優をハッキリと意識したのは去年放送された『情熱大陸』でのこと。それまでもドラマや映画などでチョイチョイ見かけていたので、顔と名前くらいは知っていたのだけど、よくいる顔が良いだけの俳優と変わらないいけ好かない奴だと思ってた。

だけど、情熱大陸に映し出された姿は俺が想像していた「キラキラとしたひたむきに真っ直ぐ前だけを見て夢を追いかける青年の姿」などではなく、どこか陰鬱としてシャイで何を考えているかわからない、まさに大多数の人間が自分の中に飼っているであろう「俺」がそこにはいたのです。

 

その情熱大陸の冒頭で、構成を務める福田雄一から「菅田くんのプライベートって面白いの?休みの日はなにしてる?」と質問されても、

「いや、でも基本的に寝てる…いや…DVDくらいは…」

と返答する。……俺…?

 

「目指せ破天荒」とテーマを掲げ、菅田将暉の日常をカメラで追うもそこにいるのはやっぱり「今一番アツいイケメン俳優!!菅田将暉!」ではなく、若き日の「俺」

楽屋でムロツヨシなどの先輩俳優たちの会話に入っていけず、「うつむいて台本を覚えてるフリ」をする菅田将暉。俺…。わかる…わかる…。会話入って行けない時ってなんか考えてるフリするよな…、ホントは全然なにも考えてないの、わかるぜ…マサキ…。

飲み会でも、ムロツヨシの爆笑トークを隅っこで体育座りをしながらひたすら頷き役に徹し、最終的に寝るマサキ。…わかる、わかる、これは、まさに、俺。

  

X=菅田将暉、y=俺、x=y、「菅田将暉=俺」

 

そう。この方程式が、成り立つのです。

 

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TBS『情熱大陸』より

 

お前は石原さとみじゃないし俺は菅田将暉じゃないという記事を以前書きましたが、それはあくまで『フェイス』の話。「鬼ちゃん」だとか「イケメンの無駄遣い」だとか言われ、いくらParty People風に仕立て上げられたとしても、そのどこか影を落とした瞳に自分を重ねずにはいられなかったのです。

だからこそ、auのCMで呪いかってくらいに流れてた「見たこともない世界」にハラワタが煮えくり返ってしょうがなかった。「コラ…大人…コラぁ…俺たちのマサキにこんな騒動前のベッキーみたいな元気な押し売りソング歌わせてんじゃねぇこの汚ねぇブタ共が…」とフンガイしたのを今でも覚えています。

 

そんなモヤモヤを抱えながら聴いた『灰色と青』

どれだけ背丈が変わろうとも 変わらない何かがありますように

くだらない面影に励まされ 今も歌う今も歌う今も歌う

 

改めて、本当に素晴らしくて何回聴いても泣きそうになる。胸がキューっとなるような退廃的なメロディと歌詞、焦燥感とかすかな希望を秘めた二人の歌声…。本当に菅田将暉(俺)のためにあるかのような曲だった。灰色と青を聴くとき俺はふたたび「菅田将暉」になる。

そして「米津玄師」にもなる。彼がこの『灰色と青』をどういう想いで書いたのかはわからないが、米津玄師、彼もまた俺(菅田将暉)と同じで、飲み会では隅っこで体育座りしながら寝たフリをする「灰色の人間」なんでしょう…。菅田将暉とは米津玄師であり、俺だった。

 

米ちゃん。マサキ。俺。そこには「フェイス」「地位」「収入」「才能」以外にはなんの違いもない。

 

…よし、死のう。

 

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