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ミクスチャーブログ

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『ジャンプ+』の連載漫画が本家ジャンプ並に面白い

Web漫画誌『少年ジャンプ+』の連載漫画たちが本誌週刊少年ジャンプとタメ張るくらい面白いので更新曜日ごとに欠かさず読んでる漫画を紹介します。

shonenjumpplus.com

 

 

月曜日

ファイアパンチ/藤本タツキ

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<毎週月曜更新>『氷の魔女』によって世界は雪と飢餓と狂気に覆われた。凍えた民は炎を求めた。主人公アグニに与えられた祝福は、希望か呪いか…。

もはや作者自身も「何が描きたいのかわかってねぇんじゃねぇか」と思わせるほど、良い意味でも悪い意味でも意味不明、奇妙キテレツなシーンが毎話あり、「は?」と思わず最初のページに戻ってしまう。そのせいで、毎週欠かさず読んでいるにもかかわらず「今までのストーリーがまったく頭に浮かんでこない」という脳がバグる漫画。

この悲劇の物語がどこを目指し、どこに行き着くのか、その答えは神も知らないし、作者も絶対知らない。

 

[まとめ買い] ファイアパンチ
 

 

 

サマータイムレンダ/田中靖規

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幼馴染の潮が死んだ———。その報せを聞き、故郷の和歌山市・日都ヶ島に帰ってきた慎平。家族との再会。滞りなく行われる葬儀。だが島にはある異変が…?ひと夏の離島サスペンス!!

まだまだ序盤にもかかわらず、早くもジャンプ+の看板になりつつある奇才。『サマータイムレンダ』を一言で表わせと言ってもホラーなんだかサスペンスなんだかSFなんだか、現行最新話時点では、正直「なにもわからない」のだがそれでも先が気になって仕方がなくなるほど、次話への「引き」のうまさは若手漫画家のそれじゃない、落語家のそれです。 

 

 

火曜日

透明人間の骨/萩野純

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来宮家では、日頃から母に手を挙げる父。我関せずを貫く兄。幼き日の主人公・花(あや)が「ここに居たくない」と念じた矢先、“透明になる”力を得る。時は流れ、15歳になった花はある日・ある出来事を契機に決意を固め…。 

不気味なほど淡々と描かれ、知らず知らずのうちに真綿で首を絞められるような感覚になる作品。取りようによっては「味気ない」「わかりにくい」作品と評されてしまうのは仕方のないことで俺もそう思っていたが、あるシーンでこの描写法が「あえて」のものだと気づくとガラリと作品の色が変わり、たまらなくもう一度1話から読み返す自分がいた。

タイトル「透明人間の骨」の意味に気付いたとき、お前はもう泣いている。

 

透明人間の骨 1 (ヤングジャンプコミックス)

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水曜日

青のフラッグ/KAITO

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高校3年生…将来の進路に悩む時期に、出会った3人の男女。彼らを待つ、甘く、苦しく、切ない日々。青春漫画の名手が贈る"純"愛物語、開幕!!

「クロス・マネジ」から思春期ならではの心の機微を繊細に描くことに関しては、群を抜いていたKAITO先生だが、この『青のフラッグ』ではやりすぎなほどやりすぎにキャラクターたちの「心」を覗き見させられ、我々読者は「共感性羞恥」をまさに「風に揺れる旗」の如く煽りに煽られ「く、靴舐めますから許してください……」という気分にさせられる問題作。

 

 

 

寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。/三秋縋、田口囁一

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メディアワークス文庫の名作『三日間の幸福』、待望の漫画化! 未来を悲観した青年・クスノキは、寿命の大半を売り払い余命3ヶ月となるが!? 

「命の値段」という重たいテーマながら終始「愛」というものを描くことに全力を注いだ作品。誰も二人が選んだ選択を「間違い」だったと責めることなんてできない。起・承・転・結の流れが本当に美しく、押し付けがましい感動描写は一切ないのに自然と涙が出てくる作品。もう二人の写真のスライドショーを自分の結婚式で流したいほど愛してる。

 

ツンデレ漫画『寿命を買い取ってもらった。一年につき一万円で』に刺し殺された - KANSOU

 

[まとめ買い] 寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。

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木曜日

剥き出しの白鳥/鳩胸つるん

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どんな時も飾らず、ありのままの自分でいたい——…。名門高校に通う成績優秀、容姿端麗のパーフェクトヒューマン白鳥飛(カケル)は追い求める。生きる意味を、自らの青春を。天高く舞う白鳥伝説!

 紛れもなく「馬鹿」。馬鹿にしか描けない馬鹿のための一点の曇もない馬鹿漫画。良い意味でも悪い意味でも作者がどういう顔してこの漫画を描いているのか知りたい。こういう作品に出会えるからこそ「Web漫画」というのはここまでの巨大コンテンツに成長したんだと強く思える。二歳児が描く漫画。

 

 

土曜日

左ききのエレン/かっぴー、nifuni

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天才になれなかった全ての人へ——…。Webが熱狂した心を抉るクリエイター群像劇…!才能を巡る物語——堂々開幕。 

モノを作る仕事をしているなら一度は読んでおきたい「中」を描いた漫画。Webで公開されていた原作はウェブ漫画とはいえあまりにも画がヘタすぎたので、読むのを躊躇っていたが、このリメイク版は「ワンパンマン」と同じく優秀な原作と優秀な画、互いの長所を生かし合っているこの時代だからこそ成立しえるバービーボーイズ的作品。

 

左ききのエレン 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

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ROUTE END/中川海二

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特殊清掃。それは人の死が日常となる職業。一人の特殊清掃業者の青年が、「END事件」と呼ばれる連続猟奇殺人事件に足を踏み入れ…?生と死の在り方を問うサイコ・サスペンス!

お世辞にも上手いとは言えない画力、だがそれを補って余りあるほど独特な世界観に引き込まれる作品。とにかく登場人物一人ひとりの「セリフ以外」での心理描写が素晴らしく、「漫画」というジャンルではあるものの、キャラクターが自分の役を演じている「役者」にすら見えてくる。 ぜひ実写化してほしい。

 

[まとめ買い] ROUTE END

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彼方のアストラ/篠原健太

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『SKET DANCE』篠原健太先生の最新SF物語がジャンプ+に降臨!! 惑星へのキャンプへと出発した高校生達に起こる異変!!

「SKET DANCE」で俺が胸焼けを起こしていたイキすぎた「キャラクターへの愛」と「メッセージ性」が彼方のアストラでは完璧なバランスになっている。

一話完結モノではなく、ひとつのゴールに沿って描かれている物語だからこそできる、伏線回収の妙はまさに「見事」というほかない。更にゆるくも笑えるギャグ、魅力的なキャラクター(特に女性陣のカラダの線の描き方は随一)など篠原健太本来の持ち味も存分に味わえる名作。

 

 

 

フードファイタータベル/うすた京介

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ギャグ漫画界の最先端を走り続けるうすた京介、最新作!!想像の斜め上をいく「食べる」系漫画であなたを胃袋から笑わせます!!

「セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん」「ピューと吹くジャガー」はギャグ漫画史を語る上では外すことのできない伝説的作品だが、やはり前時代なギャグの要素もあって今読み返すと思ったほど笑えなかったりもする。

そんなジレンマを抱えながら、このシュールが食い尽くされた時代に、うすた京介が「あえて」当時のノリ120%で繰り出すギャグのフルコース、上等だよ、完食してやろうじゃねえか。

 

 

 

日曜日

スピナマラダ!/野田サトル

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ある事件をきっかけに超一級フィギュアスケーターとしての道を捨てた白川朗(ロウ)が、氷都・苫小牧でアイスホッケーと宿命的出逢いを果たす! 中学生にして超高校級の腕前を誇るアイスホッケープレイヤー・源間兄弟を相手に、無謀にもリンクの使用権を賭け勝負を挑んだロウは…?

北国のならず者どもは冬になると学校のグラウンドにわざわざアイススケートリンクおっ立てて、男子は全員シドニー・クロスビー、女子は全員キム・ヨナ化するため英才教育と言う名の改造実験を施されるのですが、原則「男子と女子は同じリンク内にいてはいけない」というルールが敷かれていた。

だが、腹の中で俺達は「ホッケーこそが至高フィギュアは所詮メス猫の遊び」「フィギュアの前ではホッケーなど豚畜生の戯れ」と火花をバチバチに燃やしていた。フィギュアとホッケー、どっちが上なのか、どっちが面白いスポーツなのか。「じゃあフィギュア選手にホッケーやらせたろ」と「せっかく北海道きたんだから刺身とジンギスカンどっちも食べたい」みたいに欲張ったのがこの漫画。全雪国民、必読。

 

 

 

読み切り

ドラゴンボール外伝 転生したらヤムチャだった件/ドラゴン画廊・リー、鳥山明

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ドラゴンボールに超とんでも外伝が登場!主人公はまさかの…アイツ!!最強を目指し、とてつもない修行にチャレンジする…!?

主人公が転生した現代の青年=ヤムチャという設定上、どこでストーリー区切りをつけるかがこの作品の大きなキモだったのだが、個人的にはこの上ない最高の締め方。

こういうパロディは原作ファンに叩かれるが常だが、レビューで好意的な感想が多く書かれているのを見ると作者がいかに「ドラゴンボール」という世界を愛し、そしてそれが読者にもきちんと伝わっているのがわかる。元気玉よりデカい「愛」があるからこそ描ける素晴らしきパラレルワールド。

 

DRAGON BALL外伝 転生したらヤムチャだった件 (ジャンプコミックス)

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