kansou

Fight Song

広告

葬式で個性出す坊主と、個性を破壊するクソガキ

なんの嫌がらせか去年、今年と葬式が立て続けにあり、坊主が唱えるお経を聴く機会がグンと増えた。そして宗派の違いなのか、その坊主個人の『OKYOU STYLE』なのかは知らんけど、なんか坊主ごとに微妙にお経のやり方が違っていて「なに個性出してんだコイツら」と思った。

 

 

今回の通夜のときに来た坊主は、途中でおもむろに立ち上がり、ドでかいシンバルを手に持ち、

「シャーーーーーーーーーーーーーン!!」

と鳴らしはじめて、その衝撃で会場にいた何人かのじいさんばあさんは全員思いっきり「ビクッ!」となってしばらく意識朦朧としていて「いや、何人か殺す気か。その場で二匹目のドジョウならぬ二人目の葬式狙ってんのか」と心配になった。親戚のじいさんいわく「空襲かと思った」らしい。いや、笑えないよ。

 

前回の葬式の四十九日に来た坊主は、自宅に入るなり開口一番「あ、足崩してもらっても大丈夫ですから。疲れるでしょ?なんだったらソファに座ってもいいですよ、身体さえこっちむけてもらえれば」と言うなんとも軽い坊主だった。お経唱えるときもなんか肩でリズム取ってた気がするし。たぶん途中で「ハンマーカンマー」って言ってたぞアレ。基本、舐めてた。終わったあとは、外車に乗って帰っていった。「坊主丸儲け」を地で行く坊主。

 

また、別の坊主はいきなり錫杖(しゃくじょう)を手に取り、遺影の前で「ナンタラカンタラナンターラ、ナンタラカンタラ……ハッ!!」と今どき和田アキ子でも言わないような全力の「ハッ!!」を叫びながら邪気を祓う祈祷師みたいなマネをし始めたので(他の坊主はそんなことしなかった)親戚中が「え…?ウチなんか取り憑いてる…?」とめちゃめちゃ不安になった。

 

去年にあった葬式の通夜で来た坊主は、なぜかやたらお経の語尾を伸ばしてて、唱え終わりに必ず、

「ナンタラカンタラナンターラァあァァァ〜〜〜〜〜〜〜〜ァァァああああああああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ」

と布施明『君は薔薇より美しい』の「あぁあぁ〜〜〜〜〜〜君は〜〜〜〜〜〜〜変わった〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」ばりのロングトーンをかましてきて「いや、ちょっと気持ち良くなってんじゃねぇよ」とイラッときたのを覚えてる。顔が千鳥の大吾に似てたし。お経のクセがすごいんじゃあ。

 

そんな感じで、最近はこっちが想像するいわゆる「普通の坊主」にエンカウントする確率がかなり低い。いや、実際こっちが意識してなかっただけで最初からどの坊主もみんな個性出してたのかもしれません。全員同じような風貌をしてる坊主だからこそ、逆に『僕らのヒーローアカデミア』みたいに一人ひとりの個性を重視してるのかなぁ、と思った。 

ただ、坊主たちがどれだけ頑張って個性出しても、還骨法要のときに甥っ子(小4)が放った

「うわ、またハゲかよ」

の一言で全部台無し。こわっ、こっわ…。このときばかりはアイツが魔人ブウ(純粋)にしか見えなかった。悪意のない悪が一番こわい。もう神も仏もありゃしないよ。