先日、居酒屋行ったときに有線で流れていた、中華メロディに複数の男が「ニーハオ」だの「チャイナ」だの「ドラゴン」だのと歌ったわけわからん曲が頭から離れず発狂しそうになったのでTwitterに助けを求めたところ、有識者の方々から「それ関ジャニ∞の『関風ファイティング』じゃないですか?」と救いをいただき九死に一生を得ました。
そのあと速攻で関ジャニ∞のベストアルバム『8EST』買って改めて『関風ファイティング』聴き直したら、舐めてすいませんでした。最高の名曲。CD神棚にまつってる。
『関風ファイティング』って定期的にジャニーズが出すおちゃらけた感じのいわゆるバカ歌、トンチキソングの部類の曲だと思ってて最初は軽い気持ちで聴いてたんですが、よくよく歌詞を紐解いてみるとメロディのノリに反して悲しくて切ない曲で、お世辞でもなんでもなく一生消えない鳥肌が立ちました。
そもそも『アイドル』って基本的に「異性」をターゲットにした職業で、AKBとか乃木坂がなんで一人称が「僕」の「友達以上恋人未満のキミを見つめる奥手なボク」みたいな曲ばっか歌ってるかって、やっぱりそういう男をターゲットにしてるからだと思うんです。逆にジャニーズはファンの9割は女なのでド直球なラブソングとか万人に向けた応援ソングのほうがウケそうですし、そっちの方がわかりやすいじゃないですか。
なのに『関風ファイティング』はガッツリ「失恋したモテない男を励ます曲」をやってる。それって何万人といるコンサート会場でバン!ってスポットライト当てられたその先に俺がいて、
「えっ?俺…!?俺にむけて歌ってるんですか…!?」
って驚いてる横で女子大生が俺を睨みつけてる、みたいなことなんですよ。絶対に「男性アイドル」としては「失恋した女を励ます曲」のほうが99%のファンは感情移入もしやすいはずなのに、関風ファイティングはそうじゃない。
フラレて死にたいほど悲しんでる男のために、無駄に明るいメロディに乗せて
「歌っチャイナ…」
「踊っチャイナ…」
「乗っチャイナ…」
「笑っチャイナ…」
ってくだらないギャグでおどけてくれるんすよ…男のためにあえてピエロ演じてくれてんだよ…クヨクヨすんなよ!また頑張ろうぜって、エールくれる…そしてラストの「謝謝(ありがとう)」「再見(さようなら)」は惚れた女のために笑顔で別れようっていう優しさ感じて、泣く。『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』の東海林でも100パー泣く。
そして極めつけは、サビで繰り返し出てくる「ドラゴン」。舞い降りて、踊って、火を吹くって、どっからどう聴いても下半身にある∞のメタファーで多分…そういうことなんですけど、それをアイドルに、しかも天下のジャニーズに歌わせるってのもすごいし、それをサラリと歌いこなす関ジャニ、めちゃくちゃカッコイイ。ニキビ治しただけの男じゃなかった。
男は落ち込んでるときほどバカになる。だから女性の皆さん、近くにいる男友達とかが変に明るかったりしたら軽く声かけてあげてください。男ってバカだから、ちょっと缶コーヒーでも差し入れされるだけで一発で「ガチ惚れ確定」関風ファイティングなので…。
…でもあんまり優しくすると、いきなり卒業アルバム燃やしてきたり、仕事終わるまでずっと店の前のガードレールに腰掛けてたり、「男の客の髪は切るな」とか言ってくるので気をつけろ、みちる。