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王のアイス、セブン-イレブン「しっとりラングドシャアイス」を食べて自分が何者なのか気づいた。

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大手コンビニチェーンのセブン-イレブンと東京の有名洋菓子店ヨックモックが共同開発したアイスクリーム「しっとりラングドシャアイス」を食べて自分が何者なのかに気づいた。

 

「しっとりラングドシャアイス」、持った瞬間は羽のように軽く、口に入れた瞬間に雪のように溶ける。それはまるで最初からなにも食べてなかったかのような一瞬であり、永遠。そして突然やってくる自分が自分ではなくなるような、身体の奥底に眠っていたなにかが目覚めるような感覚…。

…年に4兆個はアイスクリームを口にしている私が経験してきたアイスのなかでも至高の一品。ぜひ生きとし生けるすべてのものにこの「しっとりラングドシャアイス」を経験してもらいたい…。だが悲しいかな、「しっとりラングドシャアイス」は誰しもが食べられるアイスではない。「しっとりラングドシャアイス」はただのアイスではないのだ。

まず「しっとりラングドシャアイス」のサイズを見ていただきたい。ここに「しっとりラングドシャアイス」と「iPhoneSE」の大きさを比較した画像がある。

 

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小さい、あまりにも小さすぎる。油断するとiPhoneを歯で噛んで「しっとりラングドシャアイス」を指でスワイプしそうになる。そのくらい小さい。

驚くべきはその小ささだけではない。セブン-イレブンで「しっとりラングドシャアイス」の値札を見た瞬間、足がすくみ、全身が震えた。

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…この赤ん坊の掌よりも小さい小さい「それ」が…その値段が「188円(税込203円)」…?並の人間ならばこの法外な値段を見た瞬間に戦意が喪失し、よだれを垂らしながら失禁し、だらしなくその場に崩れ落ちることだろう。そして光を亡くした目で隣にある「チョコモナカジャンボ」を手に取るだろう。レベル5の勇者が伝説の剣を岩山から引き抜くことができないように、この「しっとりラングドシャアイス」もまた選ばれし者しか口にできないアイスクリームなのだ。

 

「しっとりラングドシャアイス」を手に持ちレジへと進むこの足がまるで無数の死者に地中から掴まれているかの如く重たい。頭をよぎる「分不相応」の4文字。しかし、ここで歩みを止めてはならない。この「203」という数字にひるむことなくその金額を支払えるか、そうこれは「しっとりラングドシャアイス」を食べるに相応しい人間かどうかを見極める王が与えた試練。

そして私は勝った。勝ったし買った。試練を乗り越え、この「しっとりラングドシャアイス」を手にしたのだ。そしてアイスを口に入れた瞬間に気づいた。…物語は冒頭までさかのぼる。

そして突然やってくる自分が自分ではなくなるような、身体の奥底に眠っていたなにかが目覚めるような感覚…。

「しっとりラングドシャアイス」「しっとり、ラング、ドシャ」「シトリー・ラング=ドシャ」…もう気づいただろう…。

かつてその圧倒的な強さから「戦鬼」と呼ばれ人々から恐れられた王、シトリー・ラング=ドシャ。そう、それこそがこのアイスを手にできたものの正体…「しっとりラングドシャアイス」とは呪われし血族ラング=ドシャ家の、王族の末裔であるなによりの「証」なのだ。

…こうして自分の正体に気づき、ようやく自分が進む道が開けたような気がした。枝分かれしていた無数の光の轍が一本に繋がる音がした。今までの人生は「今日」という日のためのものだった。

 

この世には2種類の人間がいる。

ひとつは「しっとりラングドシャアイスを食べた人間」、そしてもうひとつは「居酒屋でわざとデカい声で喋って周りに俺たち面白い集団ですアピールをする人間」だ。

「しっとりラングドシャアイス」を食べて自分の存在に気づくか、居酒屋で自意識を垂れ流すか、答えは「しっとりラングドシャアイス」の中にだけ眠っている。目覚めよ、ラング=ドシャの血を引く者たちよ。

 

意訳:小さくて高いけどすごくおいしい。