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Fight Song

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漫画『かけおちガール』が儚なすぎて心臓爆発した

Twitterで回ってきたのでなんとなく読んだらグイグイ引きずり込まれて気がついたら全話買ってた。ダイソン漫画。読みながら電車の中で「アッ……」ってCHARAみたいな声出た。

 

 大学院生の牧村ももには、忘れられない人がいる。女子校時代に付き合っていた不思議な魅力を持った女の子・みどりちゃん。 内緒の手紙に同じ色のマニキュア…ずっと続くものだと思っていた関係は、高校卒業の日のみどりちゃんの「どっちが先に彼氏できるか勝負しよっ!」という発言で簡単に終わってしまった。終わった恋に囚われる牧村だが…!?

 

まずストーリーが本当に素晴らしい。題材として「同性愛」というのがひとつのテーマにもなっているが、この漫画が単なる『百合モノ』で終わらないところ、それは「ももとみどりの価値観の違い」にあると思った。ももは「みどり」という唯一自分が心から好きになった存在を忘れられずに日々を過ごし、そのなかでみどりと再会した。

一方で、みどりは一度ももとの関係を断ち切って、世間一般で言うところのいわゆる「普通」であろうとした。が、その思い描いた理想どおりにいかない現実を生きるなかで再び「もも」という自分の青春を閉じ込めた存在に再会した。

そう、「止まった時間が動き出した(戻った)」のももと「進んでいた時間が止まった」みどり。同じ「再会」でも二人のあいだにはズレがある。

それはおそらく埋まることはないし、いつか必ず「進まなければならない」日が来る。二人もそのことはわかっている。だからこそ、二人が笑い合ったり、心を通じ合ったりしている一瞬一瞬がとても美しく、儚い。

そしてストーリーに比例するかのように絵も素晴らしい。目線、一瞬の沈黙、必要以上に文字やセリフにしなくてもキャラクターの心の機微がはっきりと伝わってくる。漫画の魅せ方の上手さが竹内涼真の自撮り。

例えば、Twitterにもアップされている1話6/9のなかで二人が夜の街を歩いているシーン。

 

「なんかさっ!すごい!昔に戻ったみたい!」

とはしゃぐみどりを横目で見つめるもも。次コマで読者の視点が二人の手に移りももの手がみどりに触れようとするが、その手を一度引いてしまう。この間2コマ。が、次コマでみどりがパッとももの手をつなぎ、

「こーやって手ェつないでさっ、覚えてる?」

と微笑む。そんなみどりに

「覚えてない」

と、うそぶきそっぽを向くもも。その頬は赤く染まり

これは私の小さな反抗

だってくやしいもん

あんなにひどいことされたのに

隣にみどりちゃんがいて

しかも手なんかつないじゃって

それだけで

ここッッッッ!!!

 

儚すぎて心臓アルマゲドン。地球ありがとう。手を引っ込めるももと、なんのためらいもなく手をつなぐみどり。宇宙ありがとう。二人の気持ちの違いとか流れてる時間のスピードの違いとか過ごしてきた日々の違いとかそういうのがあるなかで「手をつなぎたい」っていう思いだけは一緒。2人が手をつないだ瞬間に同じ時計の針が動いた。

1話では終始みどりちゃんがズルくて小悪魔なんだが、決してこの漫画それだけじゃない。「みどりちゃんずるっ!」で終わらないのが『かけおちガール』。最新話まで読んだあと1話を見返すことで、このシーンの愛おしさ、切なさが何兆倍にも膨れ上がってくる。「みどりちゃんも、このとき、同じ、気持ちだったのかな…」とか「本当は、忘れてなんか、なかったんじゃないの?」とかさぁ…。読みながら何度もCHARAった。辛いし、苦しいけど、2人でいるこの瞬間だけは、なぁ?た、助けてくれ…。

 

…ももとみどり。この漫画がどんな結末になろうとも、俺は二人の幸せをいつまでも願い続けたい、そう思った。

 

誰なんだ俺は。

 

かけおちガール プチキス