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King Gnu最高傑作『傘』フル感想


King Gnu - 傘 OFFICIAL AUDIO

King Gnu『傘』フル感想。ただの最高傑作。

 

ジャッ(フェフェッ!)ジャッジャッジャガンジャッ!ドゥドゥッッドッッ(フェフェッ!)(チュクチュク)(ヴァイソゥ…)ジャッジャッジャガンジャッ!ズンズンズクンズンッッドッッ(フェフェッ!)(チュクチュク)(ヴァイソゥ…)ジャッジャッジャガンジャッ!ズンズンズクンズンッッドッッフェッフェッ!(チュクチュク)(ヴァイソゥ…)ジャッジャッジャガンジャッ!ズンズンズクンズンッッ、フェエエーーーーーーン!ズェレッセッセッセェーーー!

 

イントロから絶頂案件。フェフェッ!からのチュクチュクからのヴァイソゥ…文字だけ見るとなんの違法ビデオですかと思うドエロイントロ。各パートとスクラッチ音との絡み、聴くFANZA。

プラス、当たり前のようにリズム隊の音のブレなさが不動明王。特にサビ前ドラムの入りが気持ち良すぎる。ゲオだったら絶対18禁コーナー置かれてる、お前にのれんをくぐる勇気はあるか。

意味がわからないのが、普通これだけゴチャゴチャと色んな音鳴ってたら目が散るならぬ耳が散りそうなもんなのに、なんかこっちの耳の数が増えてる。音楽で人体改造するのやめて。脳が勝手に「King Gnuの音もっと聴きたいよ…」って耳増やしてくる。「高い所に生えてる葉っぱ食べたい…」って言ってたらマジで首長くなったキリンか俺は。

そして「こ、この艶メロディにどんな歌詞当ててくるんだ…」って思ってたら、完全に通夜。悲しみの極み。サビ、

さよなら ハイになったフリしたって心模様は 土砂降りだよ

傘も持たずにどこへ行くの?

あれこれ不安になったってどうしようもない

”運命でしょ?”

曇りガラス越しのあなたにはもうなにも届いちゃいない

曲スピードと歌詞のアンバランスさ……鬼キャッチーのメロディに胃液上がってくる吐き歌詞を当てるな…イキながら泣いてるから俺は。しかもほぼ歌詞変えずに何回も何回も繰り返すから聴いてるこっちもどんどんダウナーになって頭おかしくなりかけた所に、2サビ終わりに井口理の、

 

「届いちゃいないんだァーーーーーーーー!アァーーーーー!ェエエェェーーーーェーーーーーー……」

 

これ以上、俺の心を代弁するな井口…涙を隠す5万のサングラスくれ

さらに度肝抜かれたのがAメロ、

3回目のアラームでようやく起き上がれそうな朝

眠い目を擦りながら 顔を洗ってコーヒーを流し込め

ガラス片を避けながら直行直帰明時の毎日さ

満員電車に息を潜め鳴り響いたベルが発車の合図さ

ここだけ読むと単なる日常の描写でしかないのに、曲の全体像が見えたあとにもう一度聴くことで、

「悲しかろうが辛かろうがそれでも朝早く起きて顔洗って会社行って終電まで働いて寝るだけの日々は永遠に続く」

絶望の歌詞だとわかるのほんと勘弁して…救いがゼロどころかマイナス2兆。歌い方、アレンジ、演奏と微妙に演じ分けることで頭サビと1サビ、2サビ、ラスサビ、ほぼ同じ歌詞でも聴こえ方がまるで変わってくるのが非常に怖い。

こんな内容ならそれこそ歌詞中にある「巷で流れるラブソング」よろしく5分6分超えのバラードでつらつら演りたくなりそうなもんなのに、曲時間「3分半」てオイ…サラッと聴かせるなよ…歌いやすく聴きやすい最強の分数で無限リピ確定。助けて。死んでからも聴いてられるわこんな曲。中毒お中元、音楽のシャディサラダ館じゃねぇかよ。

 

しかも、これおそらく歌詞中で視点が変わってて、

 

  • Aメロ(3回目の〜、ガラス片を〜)→どちらとも取れる
  • Bメロ(運命なんてハナから〜、繋いだ手確かめた僕らここに〜)→男
  • Cメロ(結局は愛がどうとか〜)→女
  • サビ(さよなら ハイになったフリしたって〜)→女

 

多くを説明せずとも、口調の違い、歌詞の緻密なギミック(サビで「運命でしょ?」と問いかけBメロで「運命なんてハナから信じきれやしないよな」と答える、「傘も持たずにどこへ行くの?」とジャケ写(傘を2つ持つ女)、2番Bメロの「確かに僕らここにいたのさ」)、そして『性別不明ミュータントボイス』の井口理(女)と『酒タバコ金セックスボイス』の常田大希(男)、正反対の声質を持つ2人に合った言葉遣いの歌詞※ を振り分けて巧みに男女のすれ違いを表現するの本当に頭良すぎる、音楽IQ2京?

※「~や」「~よな」の言い回しを使うときはいつも常田大希メイン

 「昔なりたかった自分には多分なれやしないだろう」「正しいことばかり言ってらんないよな」「なってやしないかな なれやしないよな」「無邪気に笑っていられたらいいよな」 など

 

最も恐ろしいのは、これだけ若い奴らが狂うほど好きな最先端のオッシャレーな曲なのに、実際フタ開けてみると『3年目の浮気』『男と女のラブゲーム』『別れても好きな人』然り、ジジイババアが慣れ親しんだデュエット歌謡曲のエッセンスもバキバキ踏襲してる抜け目なさ。「人類ウシ化計画」完全に始まった。

まさに「今日生まれた赤ん坊から明日死にゆく老人まで届く」無敵のポップソング。天気関係なく一生聴いていたい。