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ミクスチャーブログ

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漫画『赤ちゃんと僕』で一生分泣いて拓也=俺だったことに気づいた

愛蔵版 赤ちゃんと僕 全9巻 完結セット(花とゆめコミックス)

最高の名作。一生分泣いてる。

まず、主人公の「拓也」って俺なんですね。

落ち着いてくれ、とりあえずその手に持ってる斬魔刀を下ろして一回話を聞いてくれ。なにも俺は「外見」とか「性格」の話をしてるわけじゃない、人間としての「根っこ」の話をしてる。俺は何人もの女子から同時に好意を向けられた経験もなければ、大人に寝顔見られて「カワイイ」とか言われたこともない。人に愛想良く話かけたりもできない。牛乳ふいた雑巾みたいな男です。しかし、たしかに拓也は俺であり、俺は拓也だった。

 

拓也の弟である実(みのる)は良くも悪くも等身大の2才児、めちゃくちゃワガママで傲慢で勝手で純粋で甘え上手、嬉しいことがあれば天使のような笑顔を見せるし、嫌なことがあれば悪魔のように泣き続ける。そんな実を拓也は忙しい父に変わって半ば強制的に弟の世話や家事をしなければならない状況になった。

もちろん拓也は小学5年生の男の子で、まだまだ年頃。周りの友達はみんな自由に遊んだり習い事をしてるのになんで僕だけこんな辛い思いをしなくちゃいけないんだろう、そう思って実にイライラすることもある。でも、実や春美の想い、それに周りのクラスメイト達にも色々と辛いことや理想と違う部分があって少しずつ「家族」を知る。うわべの情報だけ見れば拓也のことを「可哀想」だと思うかもしれない。しかし、拓也が本気で実のために、泣いて、怒って、笑う、拓也と実の関係性を知れば知るほど、拓也を可哀想だなんて思う人間は一人もいなくなる。

拓也がいて、実がいて、春美(パパ)がいて、ささやかな日常の中で少しずつ少しずつ成長していく、一話一話とても丁寧に細かく描かれているからこそ気がつけば頭までドップリ赤僕の世界に浸かってる。拓也が実が春美が笑えば自分のことのように嬉しい気持ちになるし、泣けば地獄みたいに悲しい気持ちになる。結果「赤ちゃんと僕こと俺」になる…

例えば5話、実が拓也のために保育園のクリスマス会で出されたお菓子(クッキー1枚とかっぱえびせん2本)を半分持って返ってきてあげるんですよ…それがめちゃくちゃ健気で愛おしくて…でも、その日拓也は友達のクリスマスパーティで、はじめて家族以外と過ごすクリスマス…拓也はなぜか心の底から楽しむことができないんですよ…どこかで家族でクリスマスをした思い出や、実のことを考えてしまう…それで結局「やっぱり帰る」って言って早退して急いで帰るんですけど家には灯りがない。不安が爆発しそうなところにパパと実がケーキを買って戻ってきてそしたら色んな思いがこみ上げてきて「このままパパと実が帰って来なかったらどうしようかって…ママみたいに突然いなくなったらって…もうあんな思いするのやだ…」って拓也泣いちゃう。実もつられて泣いちゃって。3人で泣きながらクリスマス会をやり直す…

あと8話、拓也に声変わりが始まって、自分の身体の変化にすごく動揺する。自分の成長と同時に、実にも一人でできることが増えて、それが嬉しくもあり悲しくもある。そんな自分にイライラして実にもキツく当たっちゃう。「僕がいなくてもなんでもできるようになったんだ」「もう僕なんか必要ないんだ」そんなふうに自分を卑下してしまう。でも実が成長しているのは拓也の姿を実が見てるからで…自分を、実を少しずつ受け入れていく…

あと15話、家族3人とパパの会社の同僚で旅行に行ったとき、地元のガキが他人の車にイタズラで傷をつけるところを拓也と実は目撃するんですけど、そのガキどもは持ち主のオッサンに怒られるのにビビって拓也のせいにするんですよ。そしたらオッサンがそれを真に受けて拓也にキレだしたところにパパがやってきて

「それは絶対にありえない。全財産かけたってそれは断言できる」

って言う…なによりも自分の子供を信じているからこそ…

あと27話、まず拓也と実が叔母の家に連れていかちゃうんですね。それでパパとママの話をあることないこと聞いて自分が愛されてるかすっごく不安になるんですよ。でもなんやかんやあって、その日の夜、自分の家に帰りたくなって道もわからないのに2人だけで外を歩くんですよ。外はどしゃ降りの雨で、お金も130円しかない、で、実が言うわけですよ。

「にーちゃあ、ちゃっぷいのー」

って。だから拓也は実にココア買ってあげるんですけど、「もう20円しかない…パパに電話して、、もし帰ってくるなって言われたら…」って不安になってる拓也に実が

「にーちゃにあげゆのー」

ってココアを渡そうとする…だって実は拓也が大好きだから…

あと65話、実は食べ方が汚いんですけど、それを赤の他人に「母親が何もしないから」って陰口叩かれるんですね。それから拓也は実の食べ方をなんとか直そうとキツく叱るようになって。でも中々できないんですよ。まだ指も短いし、フォークの使い方もわからない。で、ある日、実はちゃんとフォークを使って焼きそばを食べようとするんですけどやっぱり全然つかめないんですよ。で、拓也は「実もういいよ」って諦めさそうとするんですけど、それで実は拓也の腕を噛んで泣いて。そんな実を見て拓也は家を飛び出しちゃうんですよ。一見すると兄弟ケンカのようにも思えるけど、拓也に言われたとおりにできなくて悔しいと思う実とそんな実の気持ちに気づかずに対してキツく当っていた自分が情けない拓也、お互いが「自分自身」に腹を立ててしまう。それは自分のためにじゃない…お互いがお互いのことを大事に思ってるから…

 

などなどなどなど全部挙げると2兆字超えるエピソードを経て、気づいたら誰もが榎木家の一員に、実の兄に、春美の息子に、そう「拓也」になってる。

だからこそ物語終盤に起きる最悪の事件で頭おかしくなるくらい泣く。

 

「実なんか大っ嫌いだからねっ」

 

拓也…そんなわけねぇだろうが…わかってっから…その言葉が本心じゃないことは…読者全員が知ってっから…どれだけ拓也が実のことを大事に想っているかっていうのを知ってんだよ……だからこそ俺たちは絶対に拓也を責めることないし…実の

 「にーちゃあ…」

その一言が拓也にとってどれだけかけがえのないものか…わかってっから…

 

…だって…拓也は俺だから…

 

 

…そうだ…俺は拓也だ…

 

 

…俺も自分の弟を…自分の実を大事にしないとな…

 

 

 

 

俺めちゃくちゃ一人っ子でした

 

赤ちゃんと僕 1 (白泉社文庫)

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