週刊少年ジャンプ24号で『鬼滅の刃』が最終回になった裏で、能力バトル漫画『呪術廻戦』がとんでもねぇホラー展開になってて泡吹いて気絶しかけました。
存在しない記憶
呪術廻戦には
『存在しない記憶』
というパワーワードがあるんですが、
『東堂』っていう良い意味でめちゃくちゃキモいキャラがいるんですけど、コイツは妄想癖のあるイカレ狂人で、「心を許した相手を一瞬で『親友』と思い込み、その相手との青春の思い出が脳内で捏造され溢れ出しちゃう」、そんな現実は1秒たりともないのに、東堂にとって主人公の虎杖は「超親友(ブラザー)」でいつも一緒にツルんでることになってる。それが『存在しない記憶』。
で、その記憶に基づいて東堂の中で虎杖への友情が勝手に爆上がりしてなんか一人で盛り上がってるから俺このくだり完全に
「ギャグ」
だって思ってたんですよ。
…思ってたのに…なのに…なんか…第106話『渋谷事変㉔』でそれまで虎杖と「絶対殺す」「お前だけは殺す」ってバキバキのシリアスガチバトルを繰り広げてた敵『脹相』の脳内にいきなり溢れ出す、
『存在しない記憶』
今の今まで完全な赤の他人、殺すべき仇だったはずの虎杖に「兄ちゃん」と呼ばれ、兄弟みんなで楽しく食事をしてる幸せな記憶が……
急に…どうした…
ちょっと待って…
じゃあ東堂は…東堂の『存在しない記憶』は…?
……い…今まで俺たちが1ミリも疑わず「イカレキャラの妄想」だと思っていたギャグ描写が
「主人公の洗脳能力によって記憶を植え付けられたもの」
の可能性がめちゃくちゃ高くなってきてるんですが……
なにしてんだお前…ジャンプの主人公に「記憶操作能力」持たせるか普通…?そんなもん魔王の能力だろ。虎杖悠仁は王道強化系主人公では…?は…?一護だと思ってたのに月島さんじゃねぇかよ…
いや怖怖怖怖怖怖怖怖怖怖…東堂のキャラの濃さを隠れ蓑にして「存在しない記憶」を完全にギャグとして読者に錯覚させるそのやり口。ありもしない記憶を植え付けられて平然とそれを受け入れてた東堂の異常さで、能力発動の入り口を隠してしまうという。右手でめちゃくちゃデカいハト出して左手のカードのすり替えに誰ひとり気づかない。黒子が土下座するレベルのミスディレクション。
もしもだ…虎杖の「共感性が高く誰にでもフレンドリーでお人好し」といいう性格すら逆手に取って能力に落とし込んでいるとしたら?一生消えない鳥肌…鳥肌神殺鎗が…作者マジでイカれやがる。鬼…ストーリーテリング鬼……
こうなってくるともはや『呪術廻戦』の物語すべてが『存在しない記憶』に基づくものだったんじゃねぇかとすら思えてくる…
例えば、27話で呪いのバケモノにされた友達『順平』も普段は「虎杖くん」呼びだったはずなのに、なんか死に際「ゆ…うじ…」とか下の名前で呼んでるし、「もしも」というタイトルで挿入されたメインキャラと順平が楽しく笑い合ってる「こんな世界線があったら」の扉絵すら『存在しない記憶』だった可能性すら出てくるし、
もっと遡ると、2話。BLEACHにおける石田的立ち位置でもある『伏黒』が、「助けられた」って借りはあっても知り合ったばっかで信頼関係もなにも築いてない虎杖に対して「でも死なせたくありません」「私情です。なんとかしてください」ってめちゃめちゃ懇願してたのかも『存在しない記憶』が植え付けられていたから、で説明がつく…
そもそも1話で虎杖のジイさんが死ぬ間際に言った、「オマエは大勢の人に囲まれて死ね」が、能力開眼のカギになった可能性すら……
…いや…こんなもんただの推測に過ぎない…なにもかも俺の「考えすぎ」ならそれでいい…でもそうじゃなかったとき…お…俺は……
そして一番のホラーは「能力を虎杖自身はまったく意識してない」ということ…今まで「人を助けたい」と思ってやってきた善行が知らず知らずのうちにトリガーになって他人の記憶を書き換えてたことになる……
よって俺たちは呪術廻戦の今までと、これから起きる全ての事象に「疑い」を持って向き合わなければいけなくなったし、虎杖の一挙手一投足に『存在しない記憶』を探すリビングデッドになってしまった…
な…なんでだ…なんでこんなことに…なにも知らない俺でいたかったよ…呪術廻戦これからアニメやるんだぞ…?どんな顔して見たらいいんだよ…もう…おれは二度と純粋に楽しむことはできない…俺の中に…永遠に消えない呪いが…助けてくれ…
た…たのむ…誰か俺に存在しない記憶を…幸せな記憶を…「浜辺美波の兄で吉沢亮の親友で吉岡里帆と同棲してる」記憶植え付けてくれ…ゆ…うじ……
※マジでただの考えすぎでした、は?