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ネット文章を書くうえで絶対にゆずれないたったひとつの「こだわり」

文芸オタクの私が教える バズる文章教室

インターネットで文章を書くうえでのこだわりはありますか?

他の人の文章を読んでいると実にさまざまな「こだわり」が見えてきます。

語り口調ひとつとっても「ですます調」「である調」でわかれますし、読点「、」が多い少ない、句点「。」ごとに改行をする、反対にまったく改行をしないですとか、一人称が「僕」「私」「俺」「拙者」「妾」「小生」などなど、細かく挙げればキリがありません。

また、記事の冒頭に「どーも!自由旅人のハヤトです!」とはじめに挨拶をする、重要な部分やウケたい部分を唐突に赤文字大きい文字にする、全然情報量ないのに目次や章題をつける、なんかそれっぽいことを語っていると思ったら最後に急に「ワッショイ!」などとおどけてなかったことにする、自分が書いたことに対して「←おい」「←やかましいわ」「←なんでだよ!」とセルフ突っ込みを入れる、「何分で書きました」「何分で読めます」と意図がよくわからない情報を入れる、ネットで拾ってきた漫画のコマや変なフリー画像をギャグ変わりに挟む、タイトルに【誰でもできる!】【人生損する!】【まだやってないの?】と煽り文言を入れる、文末の「いかがでしたか?」「シェアしていただけると励みになります!」……

 

と、本当に千差万別。もちろん小生のこのブログでも、たったひとつだけ絶対に決めている「こだわり」があります。

 

それは、

『Z視点の法則』を意識し『Σ視点の法則』を避ける

これだけです。

 

「『Z視点の法則』を意識し『Σ視点の法則』を避ける」とは、簡単に言えば「改行したときに一文字だけハミ出ないようにする」ということです。実際の記事を用いて解説します。

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これは私が約4年前に投稿したせせりうまいという当ブログの代表記事(この記事がキッカケで仕事の依頼が急増、トレンド1位に「せせり」がランクイン、鶏から感謝状が贈呈など)なのですが、最後の一行が「い。」で終わっているのにお気づきでしょうか。これは読み手心理の観点からすればとても良くない文章です。人間は、左から右へ、上から下、「Z」の軌道を描いた文章を人は「美しい」と感じます。これを『Z視点の法則』と言います。

しかし、文末に一文字だけ残ってしまうと眼球が文字を泳いでしまい「 Σ(シグマ)」の軌道を描いてしまいます。これが、人間が最も「醜い」と感じる文章『Σ視点の法則』です。Σ視点の法則によって書かれた文章は書き手の想いが伝わるどころか、とてつもない不快感を与えます。「良い文章にΣ視点はない」とは日本一のライター四十肩脱臼さんの言葉。「Σ視点」の文章はハッキリ言ってウンコです。

 

私はあらゆる端末、あらゆるブラウザでこの「Σ視点の法則」を徹底的に避けるため、文字量、句読点の有無、文体を意識し、常に加筆修正を行っています。

上記の文章に行った修正が下記です。

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おわかりでしょうか。

「はぁー、おでん食べたい。」を「はぁ、おでん食べたい」と修正することで、キレイに段落末で終わることができ『Σ視点の法則』が解除かつ完璧な『Zの視点の法則』が適用されます。すると、文章全体のリズム感、安定感が格段に増し、読み手は自然と「良い文章を読んだ」と感じるのです。修正後の文章には、あえて句点をつけていないのもそのためです。

また、「はぁー」を「はぁ」とすることで、書き手の「おでん食べたい」という心情、寒空の下でおでんを心から食べたがっているという情景がより浮かびます。これが『心理の導き(マインド・トゥ・ザ・ウェイ)』です。

文章で「勝つ」には、心理を深く学び、捉え、捕まえ、閉じ込めることが非常に重要です。それは読み手の心だけでなく、時には「自分自身」の心すら欺き、騙し、愛し、愛される。「文章」とは読んで字のごとく「心を抱きしめる」こと。それを忘れてはいけません。

 

「『Z視点の法則』を意識し『Σ視点の法則』を避ける」

こうしたこだわりやテクニックを積み重ねることで、それがそのまま自分の文章の特徴、ひいては個性になっていきます。みなさんもぜひ自分だけの「こだわり」を見つけてみてはいかがでしょう
か。

 

文芸オタクの私が教える バズる文章教室

文芸オタクの私が教える バズる文章教室

  • 作者:三宅香帆
  • 発売日: 2019/06/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)