12/1放送『news zero』でのMr.Children桜井和寿×嵐 櫻井翔対談。
コロナ禍の生活について
櫻井「まずはこの2020年も年末というところで、このコロナ禍の中をどうお過ごしになられたか?というところをお伺いしたいんですが」
桜井「何かアクションを起こす気にもならず、ひたすら迷ってました。出口が見えないのにアウトプットをどこに設定していいのかわからないので…」
櫻井「へぇー、そうだったんですか」
桜井「はい」
櫻井「みなさんもそうでしょうけど、やり残したことが生まれてしまった1年かなとは思うんですけど」
桜井「僕は諦めるのがうまいっていうか、すぐに「しょうがないな」と思ってしまうし、音楽にしろスポーツにしろ、プラスαのあり余った力があるからこそ動かせるもののような気がするんですよね。だからこのコロナで経済、生活を回すのが精いっぱいな時に僕らが動けないのはしょうがないと思うし、その覚悟をもって僕は音楽の道を選んだから…」
twenty★twenty『smile』について
櫻井「自分たちの活動がこれもできない、どうなるかわからないという中、桜井さんに書いていただいた『smile』、本当になんかこう…手元に来た宝物のようなもので…すごい嬉しかったです」
桜井「一番みんながスマイルを必要としている時に、一番この曲を歌うにふさわしい方々が歌ってくれて、作家冥利に尽きる感じでした。最後の「[君の笑顔に逢える]それだけで生きていける僕がいる」っていう歌詞は本当にジャニーズのみなさんが歌ってくれる、だからこそ書けたし…」
櫻井「いやぁ…嬉しいです、そう言っていただけて…」
Mr.Children最新アルバム『SOUNDTRACKS』について
櫻井「今回のアルバムで言うと、『Documentary film』がもうホントにガツンと刺さると言ったらいいのか…」
桜井「大概「君が笑うと僕も笑う」なんだけど、あぁいつまでこの笑顔を俺は見ていられるんだ?って、自分が消えていくことっていうのが薄っすらとイメージできないとそんな心境にはならないんだろうなと思うし、そういう意味では…刺さるんでしょうね笑」
櫻井「本当に…お手上げでした…笑」
嵐の活動休止について
桜井「どうですか?あと…1ヶ月と…ちょっと?どういう心境です?」
櫻井「今の桜井さんの話に通ずるんですけど…なんでもない日常が急に輝いたりっていうのはしますね…今まで普通だったけど、横でメンバーが爆笑してるの見て、あぁなんかこんな時間素敵だなーって思っちゃうっていうか…」
桜井「でも長年いる5人だから4人だからじゃないと出せないものってきっとあるんだと思うし…それはとっても得がたいもの、素晴らしいものだと僕は思いますけどね…でも自分がバンドをやってそれをいつも感じられるかって言ったらなかなか感じられないです笑」
櫻井「あぁ〜、なるほど」
桜井「楽しみにしてることはあります?」
櫻井「…正直わからないです。やっぱり今まで巨大クルーズ船みたい船にみんなで乗っていて、こっからは自分一人の小型船に乗り換えるなかで、楽しみなことっていうよりきっとここから必死になることの方が多いでしょうし、「さぁこっから勝負だな」っていうような思いの方が強いのかもしれない…」
桜井「へぇ…」
音楽制作との向き合い方について
桜井「何年か前から仏像がすごい好きで、なんでこんなに心ひかれるんだろうなと思って自分なりに解析してみると、まず仏像を彫った彫刻家というか仏師さんがいて…「こんな仏がいてくれたらどんなに自分の魂は救われるだろうな」って彫ってると思うんですよ。その気持と音楽を制作するっていうことはすごく似ていて、なんか願いを込めて「こんな俺になりたい」とか「こうなったらいいのに」っていうものを音にして作品にするんですよね。仏像は何百年それが形として残ってて、いろんな世代が入れ替わり入れ替わり仏像に触れて癒やされたりしてるっていう、そんな作品を作りたい。それはもう”願い”ですね。だから魂を込めて作りたいと思うし、魂を込めて歌いたいと思ってますけど」
後輩たちに思うこと
櫻井「なんか後輩たちに色んなものを伝えたい、色んなものを感じてもらいたい、嵐を通じてって思う一方で、絶対に超えられない壁にもなってきたいなっていうような矛盾する感情があるんですけど…」
桜井「とってもよくわかります」
櫻井「ホントですか!?」
桜井「はい笑、僕20年ぐらい前までは結構調子に乗ってて笑」
櫻井「笑」
桜井「シンガーとして日本代表っていうものがもし選考されるとしたら、絶対選ばれるだろうなって思ってたんですよ。ところが、ここ最近のこのうまいシンガーを目の当たりにして…「俺もう絶対無理」って5年ぐらい前に思ったのかな…そっからボイストレーニングの先生について歌を習って、スタメンじゃないけど入れてもらえるんじゃないかなぐらいな自信にやっと戻ってきました」
櫻井「いやいや!スタメンじゃないわけはないと思いますけど!へぇー!」
桜井「本当にもうみんなうまいですよね…」
櫻井「やっぱりそれは少しの「負けてらんねぇ」っていうような思いは…?」
桜井「でも今はもう悔しいというよりも「俺には俺の良さがあるはずだ」っていう笑」
櫻井「笑」
桜井「もうあんなトップスピードでは走れないけど、ポジションを後ろにして周りを見ながらっていうような心境ですかね…」
最後に
櫻井「このおよそ30年の中で戦い続けなければならない、Mr.Childrenとしてここはっていうシチュエーションってあると思うんですよね…」
桜井「そうですね、戦い続けなきゃいけないような気持ちになることは結構あります。あるけど、考えて結局行き着くところは「入れ好きでやってるんだよな」っていうそこだけは忘れずに」
櫻井「好きでやっていると感じる瞬間ってどういうシチュエーションですか?」
桜井「お風呂で歌を歌っている時です笑」
櫻井「へぇ〜〜!?笑」
桜井「あんな好きで歌ってる時ないですよ笑、誰も聴いてないのに笑」
櫻井「へぇ〜!面白いですねそれ」
桜井「「これでもし(ステージで)声出なかったらどうしよう」っていう感じで怖くなる時あるから…お風呂場はそんなプレッシャー感じないです笑」
櫻井「笑」