kansou

ミクスチャーブログ

広告

ドラえもんを「Official機械猫男dism」にしたOfficial髭男dism『Universe』感想

www.youtube.com

 

イントロの気持ち良さ、母体?

 

Universeのイントロから産まれましたと言いたい。明日役所に戸籍謄本取りに行くわ。Universeを聴いた日が俺の誕生日になった。言ってることだいぶキモいがそれほどの衝撃。腐り散らかした心のカビがどんどん浮き彫りとなって白日のもとに晒されてキレイに浄化された。音楽という名のクエン酸だった。

タイアップは「ガッツリ作品の世界観に寄って自分達の音楽性を作品に食わせる」パターンと「自分達の音楽性に少しだけ作品のエッセンスを加えるパターン」の二択かと思ってたんですけどUniverseはどっちでもなかった。まさか自分達の音楽にドラえもんを引き寄せるとは思わなかった。

ホンワカパッパホンワカパッパにブラックミュージックを混ぜ込んだらそれはもうドラえもんであり「dora-e-mon」。開始1秒で狭い部屋から一瞬でアメリカ合衆国ルイジアナ州南部ニューオリンズに飛んだ。聴くどこでもドア。

身を任せるしかない浮遊感と腰が勝手に振れる躍動感、生と機械、レトロとモダンが同時に襲ってくる四次元ミュージック。音が細かすぎて自分の耳が2個しかないことが憎い、心の底から「全身が耳になりたい」と思った。聴いてると昇天しそうなピアノの音に意識トビそうになると同時に銀河一複雑なベースによる幸せな頭痛がきてドラムで急所突かれて神経崩壊したところにベタベタしたエッロいギターが絡んできて宇宙まで届く声聴きながらテクノブレイクした。早くも「音楽に殴られる2021」大賞決定した。

韻とかもはや逆に踏んでない部分を探すのが無理、

「0点(eie(n))」「満天(a(n)e(n))」「暗転(a(n)e(n)」

「涙とミステイク(aiaoiueiu)」「世界は回っていく(eaiaaaeiu)」

「どっち(oi)」「ひとりぼっち(ioioi)」「解答用紙(aiououi)」

「見ていた(ieia)」「掌(eoia)」「姿は(uaaa)」「星座(eia)」「惑星だ(aueia)」

…の分かりやすい箇所はモチのことAメロから

未来が(iaia)、どうとか(ouoa)、理想が(ioua)、ブランコ(ua(n)o)、揺ら(ua)れ、ふと(uo)、まぶたの(auao)、裏(ua)、浮かんだ(ua(n)a)、はてな(aea)、僕は(oua)、僕を(ouo)、どう(ou)、るんだろう(u(n)aou)…

またR-指定が泣いちゃう……

 

おそろしいのが、これだけ髭男の色をスプラトゥーン並にペンキひっくり返してドラえもんのボディに塗りまくってるのにも関わらず「ドラえもんの主題歌」というテーマが1ミリも損なわれてない。予告映像と共に流れたUniverseは誰がどう聴いてもドラえもんの歌だった。作品と曲が互いを高め合う完璧な相互関係。Official機械猫男dismだったし、ヒゲえもんだった。

 

…が、そんな快感の塊メロディ、韻に反して突如ブチ込まれる歌詞のシビアさ、なに?

 

「未来はこうとか理想はこうとか 心に土足で来た侵略者は 正義だとか君のためだとか 銃を片手に身勝手な愛を叫んだ」

 

アウトレイジ?

 

「レプリカばかりが飾られた銀河 カーテンで作られた暗闇 嘆く人も居ない 鼠色の街の中でI Love  その証を抱きしめて /I LOVE...」

「インスタントの友情 ほころぶ 迫りくる本性 狂ってく感情 傷を癒そう 孤独に飲まれてしまう前に /HELLO」

そう、キラキラした歌詞の中に「陰」の成分を1滴垂らすのが藤原聡の歌詞。決して綺麗事だけを歌ってるわけじゃない。髭男の音楽に「陽」の部分だけを感じているやつらはまだ髭男を見えていない、おまえたちが髭男だと思ってるのは髭男の側面でしかない。陽の髭男をいくら攻撃しようが髭男は再生し、そのたびに力を増していく。

髭男のコアとはどうしようもない現実を受け入れながらクソッタレの人生をどう生き抜いていくか。それを1億人に刺さる「陽」のメロディと言葉選びに乗せて超美声で歌い上げることによって、普通なら拒絶してしまうような「陰」のメッセージをアッサリと受け入れてしまう、そして陰があることによって陽もまた輝きが増す。

「陰を届かせたいなら陽で韻を踏め」

それがOfficial髭男dism。

 

そして髭男の一番の良さ、それはUniverseに限らず「どの時代のどの曲を聴こうがOfficial髭男dismの曲だと思える」という部分にあると思ってる。爆発的に売れてくるとどうしても古参の心情として「あの頃と変わっちゃったな…」とか「新曲イマイチだな…」とか渦巻く負の感情が生まれるはずなのに髭男に関しては0.00001ミリもそれがない、どころか「俺達の好きな髭男」の最高を保ったまま最新でまっすぐ更新してくれてる。変化と進化がイコール、変わっていく良さと変わらない良さ、どっちか片方が先に行くでもなく、両方がまったく同じスピードで走ってる。Official髭男dismは誰も振り落とさない。

25年前の映画『2112年 ドラえもん誕生』でドラえもんの恋人ノラミャー子が、耳がなくなり黄色から青色ボディのガラガラ声になったドラえもんを見て

「ますます好きになっちゃう〜♡」

って言いだすヤバいシーンがあるんですが、完全に俺にとっての髭男がこれでした。新曲聴くたびに「ますます好きになっちゃう」………