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ミクスチャーブログ

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菅田将暉にキレられたい人生

「菅田将暉にキレられたい欲」がふつふつと沸き上がってきてる。舐めた口きいて「はぁ?いまなんつった?」とか言われたいし、いきなり物投げられたい。「てめぇ殺すぞ」って怒鳴られたい。菅田将暉にキレられたいがために今から俳優目指すまである。

今、俳優のなかでトップクラス「キレ演技」が上手いのが菅田将暉。そしてそんな将暉にキレられたい特殊性癖の持ち主が俺というわけだ。

 

そもそも、キレるという行為は大声を張り上げたり掴みかかったりと簡単なように思うかもしれないが、相手に「怖い」と思わせるのは笑わせることと同じくらい難しい。しかし、菅田将暉のキレる演技は「普通に怖い」。体格も大きいわけでなく、顔も中性的、そんな感じなのにメチャクチャな声量で怒鳴ってくるのが逆に恐怖、簡単にオシッコ漏らしそうになる。さらにこっちがどう言い訳しようが問答無用でナイフ突き立ててきそうなヤバい目つき、関西出身から来る独特の巻き舌が尿意を倍増させる。

キレ演技には、木村拓哉や小栗旬などがよくするキレるタイミングを相手に悟らせずキレる寸前に一瞬だけ表情をフッと抜いて相手を油断させ次の瞬間に一気に爆発させる方法と、小日向文世や椎名桔平などがよくする10%…20%と会話の節々にイライラを忍ばせ徐々にキレのボルテージを上げていく方法の2種類のキレが存在するのですが、菅田将暉はこの2種類のキレを巧みに使い分け、怒りと苛立ちを巧みに表現する。

最近だと、映画『花束みたいな恋をした』で仕事に忙殺され自分を見失っていた菅田将暉が後輩の一言でプッツンいくシーンがあるのですが、後輩に直接キレるのでなく言い逃げされてから誰もいないオフィスでペットボトルをぶん投げて爆発するという「ダサさ」と「怖さ」を両立させた見事な「隠キャキレ」を見せており、非常にキレられ性感帯に刺さった。

 

また、放送中のドラマ『コントが始まる』。このドラマはケンカのシーンが本当に素晴らしい。お笑いトリオ「マクベス」のブレーン的立ち位置でもある将暉は「10年以上売れてない芸人の焦り」と「ネタを書いてるのは自分というプライド」から、毎回のように誰かしらにキレ散らす。なかでも相方でもあり同級生で親友の仲野太賀にキレるシーンがどれも秀逸。

 

たとえば5話でトリオを続けるか解散かを話すシーン。

 

仲野太賀「もう疲れたわ…」

神木隆之介「嫌なことあった…?」

太賀「ずっとだよ…ずっと…」

隆之介「ずっと…?どうしたの…?毎日楽しいじゃん…」

太賀「マクベスやってて良かったなと思うことのほうが圧倒的に少ないわ…なんでこんな虚しい気持ちになって続けんだろ…」

菅田将暉「お前今度は誰の意見に流されてんだよ…?なぁ…?奈津美(彼女)に続けてもいいって言われたら急にやる気出して、真壁先生に解散しろって言われたらやる気なくしてなぁ…?お前には自分の意見ってもんがねぇのかよ?」

太賀「ごめん…ないわ…」

 

将暉「はぁ?」

 

はい。この「はぁ?」が最高。たった2文字で「俺はもうキレてる」ということを相手と視聴者にわからせる。ハァハァ菅田。

 

太賀「なんにもないんだよ…俺には才能もねぇし、ごめん…」

将暉「ごめんってなんだよ」

太賀「お前に見下されて、世間に見下されて、もう平凡じゃないフリすんの疲れたわ…これ以上続けんの怖いんだよ…」

将暉「大丈夫だよ…このまま…笑いもんになったまま終われんのかよ?見返してやるしかねぇだろ」

太賀「お前もやめんの怖いだけだろ…」

将暉「はぁあ?勝手に決めつけんじゃねぇよ」

 

出ました二度目の「はぁ?」一度目よりも「はぁあ?」と「あ」にアクセントを置き「そろそろ黙らねぇと殺す」と圧力をかけます。この時の眉間のシワがハチャメチャに怖い。完全に失禁案件。

 

太賀「今辞めたら…やってきたことが失敗だったって認めちゃうのが怖いんだろ?」

 

ガッシャァッ!!!(持っていたノートでコップを飛ばす)

 

太賀に核心を突かれ、思わず手が出そうになるもここがファミレスだということに気付き踏みとどまる将暉。公衆の面前で手を出す勇気はないが、音で威嚇はするというチンピラ具合に震えが止まらない。

 

将暉「やってみなきゃわかんねぇーだろ…お前も実家大丈夫なんだろ?彼女も大丈夫なんだろ?ここしか居場所ないんだろ?俺も実家大丈夫だよ、じゃあ続ければいいじゃん?この先もやってみなきゃわかんねーじゃん?」

 

太賀「……」

 

将暉「じゃあアアア辞めたいって言えよオオオアアアアアアアアやうあうああ@ぱふぇ「@kpf「^ふぉあfpッッッ!!!!!!」

 

太賀「……」

 

 

一瞬の「無」からの爆発。圧巻だったのが、いつものように怒鳴りつけるが1ミリも表情を変えない太賀を見て、将暉は「片目」から静かに涙を流す。

虚空にキレる虚しさと、相手の心がここにあらずということを悟ってしまった喪失感、自分ではこの状況をどうすることもできないという無力感、お笑いトリオとしてまったく上手くいかない現状、色んな感情がグッチャグチャになって絞り出たのがこの「片目の涙」なのだ。

  

そして将暉の「キレ顔」だけじゃなく毎回のようにブチギレれられる仲野大賀の絶妙になんかムカつく「キレられ顔」、そして中立の立場を取り続ける神木隆之介の「心配顔」。3人の絶妙な間と演技力、そして表情、これら全てが完璧なバランスで成立しているからこそ『コントが始まる』のケンカシーンは自分が怒られてるかのような臨場感がある。

なによりどれだけケンカをしようが3人の根っこにある「信頼関係」が透けて見えるのが本当に刺さる…普通は相手にどう思われるかを気にして全力でぶつかることをことはできない。「本気でキレることができる相手」というのはそれだけで貴重なのだ…。将暉のキレは決して理不尽なキレじゃない…相手のことを想っているからこそ、あれだけ感情をむき出しにしてキレられるんだと改めて思った…

 

  

…そう考えると、この前ラーメン屋行ってトイレ借りたらトイレットペーパー切れそうだったので店員さんに親切心で「あ、もう紙切れそうですよ」って言ったら「いやわかってますから」ってなんか怒られたんですけど、あれも信頼関係…?教えて将暉…?