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ミクスチャーブログ

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藤井風が出た紅白歌合戦は「紅白風合戦」

今年の紅白歌合戦、いや紅白風合戦を見たか。藤井風が現れた瞬間、NHKの略が完全に(N=なんなん、H=ふじい、K=かぜ)になった。※正式には「Fujii」だがそんな常識すら覆すのが藤井風。赤だの白だのと色でくくることも、誰にも縛ることができない男がそこにはいた。健、源、そして風。 

 

去年自分の実家より見た、岡山にある藤井風の実家で『きらり』を一曲演るだけ、と見せかけて一瞬でスタジオにワープし『燃えよ』を演奏するというセロも裸足で逃げ出すレベルのイリュージョンを披露し、風は時空を超えた。

72の回数を重ねた歴史ある番組において、

「ダボダボのスウェットと歩くだけでホコリ取れるきたねぇ便利スリッパ」

という鬼ダサコーデでNHKの厳重なセキュリティをくぐり抜けて紅白のスタジオまでたどり着いた人間がかつていたでしょうか。服装だけならそのへんの引きこもりとなんら変わりはありません。だが藤井風はその格好で紅白に来た。

 

藤井風「来ちゃいましたァ」

 

普通来ちゃいましたで来れないんだよ東京国際フォーラムは。どうやって無数に張り巡らされた赤外線レーザーに当たったら殺人ロボに通報いく警報システムかいくぐったんだよ。漫画とかアニメでよくある「適当な格好の弱そうな奴が実は最強」のパターンかよ。

あと調べたらあれ「歩くだけでホコリ取れるきたねぇ便利スリッパ」じゃありませんでした。なんか「レディメイド」とかいうブランドのホームシューズ?ホームシューズって何?れでぃ…?は?なんて?俺はアイスがおいしいレディボーデンしか知らねぇ

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さッッ〜〜〜?!??!!スリッパに3〜〜〜?!??!3ってお前ニンテンドースイッチ履いてるってことじゃねぇかよ…お、俺がめちゃくちゃ気合入れてデートする時の服装の総額より、スリッパだけ履いた藤井風のほうが高っ……な、な〜〜〜???

俺の最強コーディネート

・無印良品靴下¥230

・ユニクロボクサーパンツ¥590

・ユニクロスリムフィットチノ¥2,990

・ユニクロヒートテッククルーネックT¥790

・ローリーズファームニット¥6,600

・グローバルワークコート¥8,800

計…¥20,000

 

藤井風の紅白コーディネート

・スリッパ…¥30,800

 

ふざけるな

 

いや…これは俺の服装がクソショボというよりは、藤井風のファッションセンスが「異常」なだけだった、という話。俺は何も間違ってない。

後日、紅白に出た格好のまま寝っ転がり、即興でリクエストに応えながら曲をひたすら弾き語りカバーしまくる藤井風を見て完全にそれは「確信」になった。藤井風はただただ「藤井風」だったのだ。

www.youtube.com

「オ〜レ〜オ〜レ〜!マツケンサンバ〜!オ〜レ〜オ〜レ〜!マツケンサンバ〜!あーーー?あっ、あっ?恋せよアミーゴ、踊ろセニョリータ眠いくぁwせdrftgyふじこlp踊り明かそォオオオオ〜〜〜〜!!!!」

「君がいなくなった日々もォ〜!このどうしようもないくぁwせdrftgyふじこlpも…何気ないくぁwせdrftgyふじこlp猫になったんだよな君はッッ!」

「ハンパな夢のひとかけらが不意に誰かを傷つけてゆく 不器用な僕たちはァ目を閉じて離れたァ〜…君に言いタラァァァアアアアァ〜タラララァァラララァァ〜〜…!」

 

なんじゃこいつ…

 

全部適当。藤井風の原点にして頂点、YouTubeに無数に転がっている「私の曲です」みたいな顔してキメまくった謎カバー動画とは違う、完全なる即興にして適当極まるラフミュージック…「幼い子供が初めてピアノ触ってはしゃいでる」テンションをずっとやれるのが藤井風という男のあざとさ。

…そんないっさい「作ってない」動画なのに1ミリも目を離すことができない、俺のなかにある全細胞が「なぁ…くれよ…もっともっと藤井風くれよ…頼むよくれよォ〜〜〜〜…!」と叫んでるし、正直「この世にあるあらゆる楽曲を藤井風に弾き語ってほしい」とすら思ってる。圧倒的吸引力…ダイソンは早く藤井風モデルの掃除機を出せ。

 

そんな藤井風を見て、やつの何が凄いのかを改めて認識した。それはNHKだろうが紅白歌合戦だろうが家だろうが、常に変わらず素であり続ける「自然」

舞台がどこだろうが、話す相手が誰だろうが、周りに誰がいようが関係ない。へりくだることなく岡山から出てきた青年「藤井風」で存在してる。3万のスリッパもそう、値段とかブランドとかそんなもん関係ない、そこにあったから、ただ「履きたかったから履いた」それだけ。

誰をも寄せ付けない圧倒的なオーラがあるように見せかけてその実、藤井風の音楽は誰よりも近い。紅白で披露された2曲もそうだった、原曲は最新技術でバキバキにアレンジされたものにも関わらず、あの大舞台であえてピアノオンリーのシンプル弾き語り演奏をすることで「曲そのものの素材の良さ」を生きとし生ける全ての人間に食わせた…そしてその味付けは「藤井風」という名の塩のみ。

 

とりあえず「藤井風の塩」でおにぎり食いたい