「なにがなんでも事業拡大させたい女」を「なんでもいいからビッグになりたい大勢の男」が奪い合う恋愛リアリティ番組『バチェロレッテ2』がついに始まったんですが「全員アホ」でした。いや、恋の力によって「アホになってしまった」という表現が正しいのかもしれません。
2代目バチェロレッテに選ばれた尾崎美紀さんは田中みな実の原液を薄めた水割りのような女性で、男性陣のどんなにしょうもないトークに対しても、
「さっっすがぁぁああああああああああん〜〜〜〜〜!!!」
「知らなかったァァアアア〜〜〜〜〜〜ん!!!」
「すぅうううんンンご〜〜〜〜〜ォオオオい!」
「センスいい良い良い良いいいいいいいいぃアアアアアアアアアアアア〜〜!!!」
「そうなんだァアアア!へぇえええええ!!!そうなんだァアアアアア〜〜〜〜〜!!??そうなの???えっ??えっ??そうなの??そうなの??えっえっ???えっ……そっ…そうなの……?」
と、完璧すぎるタイミングで相づちをブチ込み、笑うときは両手を合わせながら、
「面白ぉおおおお〜〜〜〜〜〜〜いいいいい!!!!ンンンふふッッ!!ふふふふふふふううふふふふふっっっううううふふっっふふふふヒヒヒヒっ〜〜〜!!!ふうっふふふふふうふううっっ!!!!グフウウウウウゥゥウウウウウウッッッ!!!!」
と、ジョーカーなの?というほどに爆笑し、男性陣が話す精いっぱいの苦労話や不幸話には、
「うんうん分かるぅううう〜〜〜〜〜〜分かる分かる分かる分かるぅうううう!!分っっかるうぅうう〜!!分かる分っかかかか分か分か分分か分分分分分分分分」
と、アドラーが引くほどの共感の鬼となり、男性陣の渡す「手紙」や「バスケットボール」や「ダンス」や「歌」や「串団子」や「ヘアゴム」や「バングル」や「サイズ合ってない片方ずつデザインの違う靴」や「意図が全く分からない盛り付けのデザート」といったクレイジープレゼントの数々にもすべて、
「エ〜〜〜〜〜〜!?!?!?!すっごぉおおおお〜〜〜んい!!!!嬉しい〜〜〜!!!うれしいぃいいいいいい〜〜〜!!!嬉嬉嬉嬉ッッッ!ウレッッンヴウウウッッ!!!ウッシシッレシイぃイイイイイイイングウゥウウウぅぅ〜〜!!ンガンウグッッッ!!」
と、心から喜んでみせ、関わった人間全てに「あれ…?ひょっとして俺のこと好きなんじゃね…?いや好きだろ…絶っっっ対好きだろこれっっっ!みっ、美紀ティイイイイイイイイイ!!!」と庄司化させてしまうのです。
女帝のごとき圧倒的覇気で男どもを滅殺した初代バチェロレッテ福田萌子とは真逆の、ほしい言葉、ほしいリアクションの正解を常に投げてくる人間ウィッシュリスト。怖いほど平等に愛を振りまいているように見えるので、その一挙手一投足に男性陣は狂わされ回を重ねるごとにどんどんアホになっていきました。
「俺が先に美紀さんと喋るんだよ!」と揉めたり、「泣いて美紀さんにかまってもらえるやつはいいよなー俺も泣けばよかったわー」と泣いたり、「もっと僕にビビってほしいすね」とライバルをボコることしか考えてなかったり、プライベートで調子こいて顔面強打したりと、全員転校してきた女子のこと好きになって仲悪くなる小学生でした。
それを最も感じたのはある男性2人のオフでのシーンなんですが、
「料理やるんすか?」
「俺ね…やるけどね…ザ・男料理だから」
「どういうの作るんすか?」
「いや…焼きうどんとか…」
「いやいやえっへぇへへへへへえええぇぇええええ!いいじゃないっすか…!」
「へっへええへへええええ……!」
「……」
「……」
「…でも…みんなどこ行ってんすかね…ほんと」
「な、なんだっけ…?み、水の…?」
「水の……あれですよね…」
「水のところってことは……あれじゃない…?」
「…なんだと思います……?」
「…なんだろうね……?」
IQが2になったとしか思えない会話を繰り広げる男性陣。その良い意味でも悪い意味でも中身ゼロ、いやマイナスのやりとりの連続に、途中から「俺は月額500円払っていったい何を見ているんだ…?」という気持ちになり涙が流れました。
そんな仁義なき知能なき戦いを経て最後に残った2人なんですが、一人は「オレ…恋愛苦手だから…」の逆マウントでバチェロレッテ尾崎から見事「なんかよくわかんないけどこの人かわいい」を勝ち取った男、
長谷川恵一(バスケットボール選手)
そしてもう一人は序盤からバチェロレッテ尾崎に対して空気をいっさい読まず愛の言葉を投げまくり、他の参加者達からのヘイトを全身に浴びた男、
佐藤マクファーレン優樹(バスケットボール選手)
バチェロレッテとは恋愛スラムダンクでした。もう最後は『君が好きだと叫びたい』流しながら1on1で決めればいい。