映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』、「バディもの」好きなら絶対見ろって言われたんでAmazonプライムで見たんですが、正直俺は主人公・水木と、目玉の親父ことゲゲ郎の関係性はそこまで刺さりませんでした。
2人とも属性てんこ盛りで刺さる人間が大勢いるのは分かる。ただ単純に「時間短すぎるだろ」っていうのが感想で、単発映画じゃなくて連続アニメとして10話11話時間かけて描いてるんだったらバディとしての厚みも出てくるけど、映画では言うほど2人のシーンなかったし、文字通り共闘シーンもかなり少なく、余白を想像するにしても信頼性を育むだけの物理的な時間があまりにも足りない。普通に「偶然出会って数日一緒にいただけ話」なのがもったいなさすぎた。年単位でくれ。あと目玉の親父が想像より弱く、普通の人間よりは強いけどデカい妖怪には歯立たねぇのかよと思ってしまい、あんまりでした。
俺は2人よりも、
沙代…俺は沙代…沙代に狂ってしまった。初登場のあまりにも儚げで可憐な喪服姿の沙代を見た瞬間、俺の中の「恋」という名の時計の針が再び動き出した。
そして一瞬で悟った。この映画は沙代の映画、「沙代もの」なのだと。
序盤は主人公・水木と目玉の親父(ヒトのすがた)との絡みなんかも描かれつつ、村の狂った風習が少しずつ明らかになっていく。そこで起きる謎の殺人事件。誰が?いったい誰が?
だが、そんなことはどうでもいい。俺と沙代には関係のない話だった。もっと、もっと沙代のことを教えてくれ。聞けば、生まれてから沙代は一度も村から出たことがないという。
沙代「クリームソーダ?あっ…素敵…」
の表情、かわいさの朧車。愛してる。
沙代「わたくし…あなたと行きたいですわ…!」
沙代は絶対に俺が守ると決めた。こんな村、俺が燃やしてやるよ…
中盤、水木は謎の事件の真相を突き止めるため、沙代を屋上に呼び出す。あくまで沙代から「情報」を得るため。クソ野郎がふざけやがって…
沙代「わたくし嬉しかったんですのよ…?あなたに呼び出されて…けれどあなたの目的はわたくしたち龍賀の秘密を探ることだったのですね…」
水木「い、いや…!僕はあなたやトキヤくんを守りたいのです…この村ではなにか恐ろしい怪異が…」
沙代「水木さん…ひとつ約束していただけませんか…?そうしたらわたくしが知ることをお教えします」
水木「約束…?ですか…?」
沙代「わたくしをここから連れ出してください…!」
水木「連れてって…どうして…?」
沙代「東京では、女も自由に生きることができると聞きました…ここではそれは無理…」
俺「いや、俺が連れ出すよ?札幌だけどいい?家賃東京の半分以下だからおすすめだよ?」
水木「僕はただの勤め人です…財産もない…地位もない…あなたの望みを叶える力は…」
俺「なんだこいつ言い訳ばっかりしやがって…マジでこんな覚悟もねぇやつに沙代は任せらんねぇわ」
沙代「わたくしはあなたの気持ちを伺っているのです…できるかどうかではなく…あなたがわたくしと共にいたいと思ってくださるかどうか…わたくしにはそれだけが問題なのです…」
俺「そうだよ沙代の言うとお…
てか、あれ…?なんか沙代の中で「すでに両思い」みたいな感じになってねぇ?あれ?まだ話すの3回目だよな?クリームソーダの話してただけだよな?この娘なんか思い込み強くね…?
で、でもそんな重たいところも好きだよ沙代…」
水木「わかりました…あなたが望むなら僕が外の世界へお連れします…!」
俺「騙されるな沙代…!この男はキミを利用しているだけなんだ…!キミを幸せにできるのは間違いなく俺…」
沙代「嬉しい…!きっとですよ水木さん…!」
俺「アァァァアアアアアアーーーーー!沙代ッッッッ!!!!!チョロッッ!この娘めっちゃチョロッッッ!チョロQ?」
沙代「あぁ…沙代は幸せ者です…やっと運命の人に巡り会えたのですから…」
俺「まて
なんだその口元のアップは…?俺は知ってる…これまで星の数ほどのサスペンス、ミステリー作品を見てきた俺には分かる…こ…これは
犯人確定演出
え?沙代?嘘だよな?沙代?沙代?嘘だって言って?ねぇ?沙代?沙代?沙代?沙代?沙代?沙代?沙代?沙代?沙代?沙代?沙代?沙代?沙代?沙代?沙代?沙代?沙代?沙代?沙代?沙代?沙代?沙代?沙代?」
沙代「でもそれが水木さんの望みなのでしたらなんとかしてみせます…!わたくし自身でも調べてみますわ…あなたもわたくしの望みを叶えてくださるのですから…!」(超絶かわいい笑顔)」
俺「かっっ、、、かわいぃいいいいいいいいいい〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♡♡♡♡♡♡♡♡天使やんけ、ただの。まっ、いっか〜〜〜〜〜!かわいいから〜〜〜〜〜〜!!!!口元とかどうでも!!!!!!気のせいだよな!!!!!こんなかわいい娘が殺人なんてするはずねぇ!!!!!!!なにが「犯人確定演出」だよバカが頭悪いのに一丁前に考察すんな」
沙代「ごめんなさい…少しはしたないですね…」
俺「はしたないのは俺だよ沙代…いいんだよ人間ってのは汚い生き物だ…少しくらいはしたないほうが美しいんだよ…一緒にドブの中に行こう…沙代…」
…などと、沙代への気持ちが最高潮に達していたんですが、中盤
ババア「沙代も連れてきなさい。あの娘はトキヤと目合わせ、今度こそ次の当主を産ませますから…ほんっとに残念だわ…あの娘がちゃんとお父様の子を身ごもっていれば…」
俺「は?」
俺「え?は?なんっ、こいつなに言って…なんっ」
ババア「沙代も龍賀の女。龍賀の女には優れた霊力を持つ子孫を産むために当主に身を捧げる映えある務めがあるのです」
………
俺「オゲェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ………さ…沙代…?沙代…沙代…沙代…」
そして終盤…なんやかんやありゲゲ郎を助けるべく地下へと潜る水木と沙代。沙代を(ウソで)人質にし、取引を持ちかけるのだが…
ババア「狂言はおやめなさい沙代。その男が本気でお前のことを想ってくれるとでも?知っているのですよ、お前がお父様のお気に入りだったこと…お前はこの里でしか生きていけないのです」
水木「そうさせたのはお前たちだろ!だから沙代さんは妖怪に取り憑かれてしまったんだ!そのせいで…何人もの人を……」
俺「…沙代…?嘘…だろ…?沙代…?」
ババア「まさか沙代…お前が…」
沙代「っフッッ…フフッ…そっか…それも知ってたんだ水木さん…」
沙代「ときまろおじさまは当主になったとたん、わたくしにおじいさまと同じことをしようとした…ひのえおばさまは水木さんにおじいさまとのことを黙ってほしければとわたくしを脅してきた…だから…とし子おばさままでわたくしを邪魔しようとした…
沙代「本当は誰もわたくしのことなんて見ていなかったくせに…見ていたのは龍賀の名前と血…ただそれだけ…わたくしは一族の道具じゃない!!!!」
俺「オゲェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ………さ…沙代…」
水木「僕も同罪だ龍賀一族に近づくためにキミを利用しようとした…それはどんなことをしても償う…だから…こんな村を出て東京へ行こう!」
沙代「いやよ!!わたくし本当は知ってたの…東京もこの村と同じ…どこにも自由なんてない…!でもあなたなら…あなたならって…信じてたのに…わたくしのことを見てくれるって…」
(目を逸らす水木)
電気バリッィイイイイイイイン!
沙代「仕方がありません…忌まわしき龍賀の呪いを受けし者として…全て終わらせましょう…この村も…龍賀も…わたくしも…」
俺「さ、沙…?」
化物ギエェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!
俺「ヒッッッ、、、ヒィイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!
沙代「死ね!!!!」
村人グッッチャアアアアアアアアアア!!!!!!
血ブッッッッシャアアアアアアアアアアアアア!!!!!
全員死ィイイイイイイイイイ!!!!!
俺「さっっっっっっ、、、沙代ォオオオオオオオオオオオオオ?!?!???!」
沙代「アッハアッハアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」
…水木の首ギュウウウウウウウウウウウウ!!!!
沙代「ウワアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」
俺「ウワアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」
沙代に剣、グッッッッッッサーーーーーーーーーーーー!!!!!!!
沙代「水木…さん…いやっイヤァアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」
俺「イヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!オゲェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ………」
ゲゲゲの謎…?ゲゲゲの沙代だろ…