おそろしいゲームがNintendo Switchから発売されてしまいました
ドラえもんとのび太が、ケガをしたおじいさんのためにどら焼き屋を手伝うことになるゲーム『ドラえもんのどら焼き屋さん物語』、これが本当に面白い!!!
2人だけじゃなく、しずかちゃん!ジャイアン!スネ夫!ミニドラ!いつものメンバーみんなでお店を大きくしていくんだ!
どら焼きだけじゃなく、色んな和菓子を発明できる!
飾りつけの組み合わせは自由!センスを活かして最高の一品を完成させよう!
もちろんここはドラえもんの世界!タイムマシンに乗って「未来デパート」に行き、便利なひみつ道具を買うこともできる!
時にはどら焼き屋の手伝いだけじゃなく、新たな食材を求めて冒険の旅に出ることも!全員で力を合わせて敵と戦う!
勝てない時はみんなトレーニング!能力を上げて、強敵を倒そう!
しかも、登場するのはドラえもんのキャラクターだけじゃない!キテレツ大百科、パーマンなど、ありとあらゆる藤子・F・不二雄作品のキャラクターたちがゲーム内に登場する!
少しずつお店を大きくして、さまざまなキャラクターたちと出会い、おいしいどら焼きを作っていく…
自分の作ったお菓子を食べたお客さんが満足げに帰っていく、すごくうれしかった…!
そしてなにより、かわいすぎるドット絵のF作品のキャラクターがところ狭しと動き回る姿に最高に癒やされる…!
もっと!もっと色んなキャラが見たい!色んなひみつ道具を使いたい!もっと店を大きくしたい!そんな欲望が止まらない…!
これが終わりの始まりだった
「手伝う」などという生易しいものではなく、これは完全なる「経営」
なにをしていてもどら焼き屋のことが頭から離れない。最初は「楽しい」の感情だけでやっていたはずが、次第にこう考えるようになっていた
「いかに無駄な経費を省き、利益を最大化させるか」
気がつけば「金の亡者」ならぬ、「どら焼きの亡者」と化していた
このゲームのヤバい点、それはスムーズにゲームを進めることが「できすぎる」ということだ
毎分のように追加される「タスク」
次から次へと新しい食材が手に入り、次から次へと新しいイベントが起こる
次から次へと新しいキャラクターが出現する
すいません誰ですか…
さらに「ひみつ道具を使える」という現実では決してできない経営方法が「やめどき」を失っていく
特にゾッとしたのが、序盤で手に入るひみつ道具「ひろびろポンプ」。これを使えば、店の周りの住宅地を「強制的に更地にして」、店の敷地とすることができる
「ぼくたちのお店の土地だけをひろげられるんだ」とか言ってるが、明らかに家や空き地ごと消えているのがわかるだろうか
怖すぎる。たくさんの客を呼ぶために、客が住んでいる家を破壊し、店を広げる。あまりにも皮肉
こんなものは、高層ビルを建設するために近隣住民を立ち退かせる悪徳ゼネコンと同じ
どんどんデカくなっていく、店。消えてゆく、街
なにより、ゲームがあまりにも「簡単」なことだ。イージーモードすぎる
ほとんど攻略につまずくことがなく、「金を稼ぐ」「店を大きくする」「キャラクターを増やす」これが無限にできてしまう
商品開発、食材探し、おもてなし、店舗拡大、コンテスト、品評会、トレーニング、やることが多すぎる。休む暇が、いっさいない
ブタゴリラ「青果「八百八」がお店にあるといいかも」
コロ助「コロッケ屋さんがお店にあるといいかも」
なんなんだこいつら…
自分の願いを好き勝手に要求してくるFキャラたち。ゲームセンター、映画館、本屋、画廊…無限に増えていく施設。もはや、どら焼き屋でもなんでもない、ただの「ドラえもんの巨大ショッピングモール建設」
ほぼ、イオンです
もはやジジイがケガを治して戻ってきたところで、この店をワンオペで回すことは「不可能」
もう引き返せない。俺がやるしかない。こうして取り憑かれたようにゲームにハマり、狂ったように物を売り、店を大きくし続けた
「利益の最大化のためにはto C(Customer)向けではなく、to B(Business)向けの商品を作るべき…客数よりも単価を上げ企業からの大量発注を狙うそのためには…」
などとつぶやきながら
次第に、両手の感覚がなくなっていく。1時間が過ぎ、6時間が過ぎ、1日が過ぎた。リアルのメシを食うことも忘れていた
あんなこといいな、できたらいいな
『ドラえもんのどら焼き屋さん物語』は、その全てが「叶ってしまう」悪魔のゲームだったのです。一生やめられないかもしれません、たすけてドラえもん