配信で映画『ミッシング』→『あんのこと』→『渇水』→『月』の最悪地獄コンボをキメました。
ミッシング
愛する娘が行方不明になりそれまでの生活の全てが変わった夫婦(石原さとみ、青木崇高)とその弟(森優作)、そしてそれを追うテレビ局員(中村倫也)の話。
基本的に石原さとみがの精神と肉体がジワジワと削られていく様子を延々と見せつけられる2時間。いつもは死ぬほど魅力的に映っているくちびるが、この映画じゃ1秒も直視できません。
どの立場で見るかによって180度印象が変わってくる作品で、自分に子供がいると思って見たら石原さとみの演技が痛々しすぎてとてもじゃないけど見てられないし、外野、傍観者の視点で見たら逆にその演技が全部「滑稽」に映り、むしろ笑えてくるのがキツすぎる。
特に中盤の「娘が見つかった」ってイタズラ電話に引っかかったときのリアクションは一生忘れられません。絶対に金曜ロードショーで放送できない。
20代でドラマ『失恋ショコラティエ』見て「さっっ、、、!さとみィイイイイイ〜〜〜〜!!」ってキャッキャ叫んでた時の俺を返してほしい。
これから「すき家」でうまそうに牛丼食ってる石原さとみのこと、俺はどう思えばいいんだよ…
あんのこと
シャブ中で、ウリの常習犯だった杏(河合優実)が、一人の刑事・多々羅(佐藤二朗) や記者・桐野(稲垣吾郎)と出会うことで少しずつ更生していくんですが、コロナ、毒親、大切な人の裏切りのせいで再びドン底に突き落とされる、という話。
社会の闇を凝縮したような内容で、
「なんと今回ついに杏が幸せに!?」
「幸せに!?」
「幸せに!?」
「なりませんでしたー」
と、ゴチのピタリ賞あおる羽鳥アナのカスバージョンを延々と見させられ、逆に「こうなったら最悪だろ…」の予感が全部ピタリ賞します。マズいって確定してる闇鍋つつかなきゃいけないみたいな感覚でした。
邦画ってテーマが暗ければ暗いほど、ストーリーが最悪であればあるほど反比例して「作品」としてのクオリティは高くなるのなんで?
渇水
水道料金を滞納している家庭を訪問し、容赦なく水道を止める男たちの話。
主人公の岩切(生田斗真)とその後輩(磯村勇斗)は、最初は「仕事」として淡々と無の表情で次々と栓を締めていくんですが、ある親子との出会いを境に
「毎日なにやってんだ俺は…?」
という気持ちが徐々に膨れ上がっていき、最後には心の蛇口がブッ壊れたかの如く発狂。そのシーンがこの映画唯一の「救い」でもあるんですが、別に状況はなにも変わらない、むしろ悪くなるというのがマジで虚しい。
人が死ぬわけでも血が出るわけでもないんですが、ただひたすら「どうしようもねぇなこれ…」という描写を延々と見せられる嫌さ。
月
元・有名作家の洋子(宮沢りえ)は深い森の奥にある重度障害者施設で働き始める。しかし、そこは想像を絶するほどの劣悪な環境だった。
その施設職員で共に働く、絵の好きな青年さとくん(磯村勇斗)。世の中の理不尽に誰よりも疑問を抱いていたさとくんはついに「ある考え」に行き着き、最悪の事件を起こしてしまう。
お察しのとおり、実際の事件を題材にした映画なんですけど、マジで再生開始から最後の1秒まで「なんでこれ映画にした?」「これ見てなきゃ駄目?」しか頭に浮かばない問題作。嫌いだって言ってんのにずっと強制的に口の中に大量のパクチー突っ込まれ続ける。
一応主人公ポジションの宮沢りえも、その旦那のオダギリジョーも、同僚の二階堂ふみもどこか壊れていて「まともだな」と思える人間が一人も出てこないし、そもそもこの世にまともな人間なんて一人もいないんじゃないかとすら思えてくる。
そして「さとくん」を演じた磯村勇斗の演技が本当にヤバく、荒唐無稽で支離滅裂な理論に説得力が帯びてきて徐々に見てる側を強制的に「共犯者」にさせられるのが心の底から胸糞悪い。
もう絶対にクラシアンを任せられない。どこが暮らし安心だよ。クラシフアンじゃねぇかよ。
この4つ見たあとに見る実写版『俺物語』最高…………