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ミクスチャーブログ

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究極の音楽レビュー「音の文字化」

究極の音楽レビューの書き方をお教えします。それが「音の文字化」です。音楽レビューを書く上で演奏やボーカルの音を正確に把握し文字化する能力はもはや「必須」です。

 

例えば、Official髭男dismのヒット曲『ミックスナッツ』。そのイントロを表現すると、

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ドゥンッッ!!ギュウウュウウウウウウゥゥゥイウイウゥウィイイイイイイ!!!フォフォフォッフォアアッァァアアアアアアアーーーー!!!!テッレレレッッッッッレレッレッレレレッッレレレレ!!!!!パララララパララパララパララララパッッララッッ!!!!テンテテンテンテンテンテテンテンテンッッッ!!!!デンデンデンデデエエエエエデデデエデデエデ!!!!!ギャギャギャギャギャアアアアアアガヤガガアアアア!!!!デドドッデオッドドッドドオドドドドッッ!!!

 

「ヌ゛ァァァアアアアアアアア!!!!!」

 

ドゥンンン!!デドデドドドデドドエデドエオドドオオオオオ!!!テテッッテテテポアパパラパパパアアペピッペペペペラアッァァアア!!!

 

「袋に詰められたナッツのようなァ…」

 

音源を聴き比べると再現性の高さが分かると思います。ぜひ曲を聴いてみて下さい。

私はこの一文を書くのに一週間、休むこと無くこの曲を聴き続けました。何百、何千と視聴を繰り返し、曲と自分を「一体化」させる。

すると、自分は人間なのか、それとも音楽なのか、その境目がなくなってきます。そうして初めて「音の文字化」が実現します。

 

別曲『Cry Baby』の2番は、

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「どうしてェ……!?しくじってェ…!?隠し通してェ…?どうしてェ……!?食らいついてェ…?しくじってェ…?肩落としてェ…?どォォオオオオオオオオオオウしてェェエエエエエエエエエエエエエエエァァァアアアアアアアアアアアン!?!?!?!?!?!?」

 

デェェエエエエエエエエエエエエン!!!!!!デェェエデェエエエエエエエエエエ〜〜〜〜〜!!!!!デデデェエエエエデデェエエエ〜〜〜〜!!!!!!デェェエデェエエエエエエエエエエ〜〜〜〜〜!!!!!ギャアアァァァァアアアアアアアンッッッ!!!!!グチャアアァァァァァッッッッッッッ!!!!デェェエエエエエエエエエエエエン!!!!!!デェェエデェエエエエエエエエエエ〜〜〜〜〜!!!!!デデデェエエエエデデェエエエ〜〜〜〜!!!!!ギェェェェエエエエエエエエエエエ!!!!!!フェエエェェェェエエエエエエエンッッッッ!ブリュリュリュリュリュリュリュッッッ!!!!!!デェェエエエエエン!!!!デェェエデェエエエエエエエエエエ〜〜〜〜〜!!!!ギュエエェェェェェェェェエエエエエ!!!!!フェェエンフェェエンュェエエエエエェェェエ!!!!

 

「あァッ……傘はァ…いらないからァ……」

 

キーの高さからロングトーンの秒数に至るまでを文字化するのですが、この一文は一文字も削ることができません。

 

「秒数×文字数=カタカナ」

 

この法則によって「音の文字化」は成り立っています。また、大切なのは「〜」で逃げない、ということです。「ここはロングトーンだから「〜」でいいか、という怠惰な考えは「音の文字化」をする上で絶対に禁物です。

 

「どォォオオオオオオオオオオウしてェェエエエエエエエエエエエエエエエァァァアアアアアアアアアアアン!?!?!?!?!?!?」」

 

が仮に

 

「ど〜〜〜して〜〜〜〜〜〜!!!??」

 

だった場合、ボーカル藤原聡が表現している相手に対する狂気的な愛は伝わってきませんが、前者は「心の機微」を完全再現することに成功しています。

ボーカル、ギター、ベース、ドラム、ピアノ…曲を構成する要素を一つひとつ分解し、正確に文字に起こしていく。これは理屈ではありません。「経験」と「慣れ」、そして「愛」によって生まれます。

決して簡単な作業ではありませんが、トライ・アンド・エラーを繰り返すことで、まるで文字が歌っているような、文字から音が鳴っているような錯覚を起こすブログが完成するのです。

 

では、練習してみましょう。初級編です。King Gnuの名曲『白日』。あなたはこれをどう文字起こししますか?

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「すぅ時〜には〜」

 

これはNGです。

 

「〜」はポップな曲あれば非常に有効な記号なのですが、これでは曲を聴いたことのない人が読むとあのシリアスな雰囲気は全く伝わらず

 

「あれ?日向坂46の新曲かな?」

 

と思われなねません。白日のような曲では、なるべく使わないように心がけましょう。ここでは「小文字」を使って表現していきます。さらに頭のブレスもこう表現します。

 

「スゥ時ィにはァ」

 

だいぶ良くなりました。一音一音の語尾に注目して、母音を正確に当てはめていきます。ポイントは「語尾はひらがなではなくカタカナを使う」です。語尾にカタカナを使うことで曲のシリアスなイメージを表現することができます。「ひらがなを使うのはかわいい曲だけ」が基本です。

 

しかし、まだこれでも不十分です。臨場感を100%表現できてはいません。語尾のブレス0.1秒につき小文字1文字を意識して下さい。これを基準にすると、

 

「スゥ時ィィにはァァァ」

 

これでほぼ完成と言ってもいいのですが、最後にもうひと工夫することで曲の「余韻」を最大限に表現することができます。そのために最も有効なのが「…」です。

 

「スゥ…時ィィ…にはァァァ…」

 

あのボーカル井口理の儚くも美しい声が頭の中で鳴り響いたかと思います。

 

これを元に続きを文字起こしをすると、こうなります。

 

井口「スゥ…時ィィ…にはァァァ…誰かァをォ…知らず知らずのォォ…うちにィ傷つけてしまァッッたィ…スゥ失ったりィ…スゥして初めてェ…犯した罪をォォォォォオオォォォ…知ッるゥゥゥウウウ…

 

スゥ戻れないよォ…スゥ昔のようにはァ…スゥ煌めいてみえェェエたァとォしてもォ…スゥ明ィ日ァへとォ…スゥ歩き出さなきゃァ…スゥゆゥきが降りきィィイイイイイ…ろォうともォオオオオオ……!!」

 

ンダッインチダッタッ!ンベロパロンパチョンパッッッ!!!!!

 

常田&井口「今の僕にはッ何ができるのッ?何になれるのッ?誰かのためにィ…生きるならァ…正しいことばかり言ってらんないよァ?

どこかの街でッ!また出会えたらッ!僕の名前を覚えていますかァ…その頃にはきィイイっとォ春風が吹くだろォオオオオオオオオウ?」

 

井口&常田「真ッッッ!!!!新ァに生まれ変わってェ…!人生一から始めようがァッ…!

 

へばりついてェ離れない地続きの今をォ歩いてるんだァ…!!!

 

真ッッッ!!!白に全てさよならァ…!降り頻る雪よォ全てを包みこんでェくれェ今日だけはッ!全てをォ…隠してくれェエエエエエエエ……………………!!!!!!!!」

 

ギュゥウウウウン!!!!!ギュウグウグウギュウウウゥンユウニュウウウニュウウウウヒィイイイイイイイイイイユイウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ…………………………………モゥウウウウウウウウウウ!!!!!戻れないよォ…!昔のようにはァ……!羨んでしまったとしィイイイてもォオオ…

 

どうですか。どうもこうもありません。なんですかこれは。俺だって理論的に音楽を解説したかったよ。