最近観た、面白かったけど胸糞悪くて二度と観たくない邦画5選です。
代わりに観ておいたので安心してください。
流浪の月
更紗(広瀬すず)は小学生の時、従兄弟から虐待を受けており、自分の居場所がなく家にも帰らず近所の公園をさまよっていた。そんな中、近所ではロリコンと噂されていた青年・フミ(松坂桃李)の家に招かれる。
絶対になにかされると思ったが、意外にもフミは紳士で、更紗はしばらくフミの家で穏やかで幸せな生活を送っていた。しかし案の定、警察に見つかりフミは児童誘拐で逮捕されてしまう。
そこから15年後、大人になった更紗には横浜流星というイケメン彼氏がいたのだが、コイツが自分より下の人間しか愛せない束縛が激しすぎるハイパーメンヘラ男で、更紗は関係を続けていくか悩んでいた。そんな折、偶然フミと再会し、密かにまた心を通わせていく。
しかし、そんな一般的に見れば「異常な関係」を世間が放っておくはずがなく…。
松坂桃李、広瀬すずを始め、環境が特殊すぎて共感できるはずがない人間たちをとんでもない演技力で完璧に演じているので、まるで自分のことのように刺さって、ニンニク一気食い後くらい胃もたれします。
特に、彼氏役・横浜流星のキモさに全振りした演技、もはや池袋ドブ石。
それを経て、ラストの松坂桃李の姿を見た瞬間、1人で
「えっっっ!?!?!?と桃李!!??!モ、モザイクは!!??!?え!?!?おまっっっっ………それっっっ………………」
って叫びながらその日に食ってたもの全部出た。
ナミビアの砂漠
脱毛サロンで働く・カナ(河合優実)は、身の回りの世話をなんでもしてくれる優しいけどつまらん犬系彼氏ホンダ(寛一郎)と、プライド激高で自信家だが自由奔放の猫系浮気相手ハヤシ(金子大地)で、めっっっちゃ二股かけてた。
結局、ホンダが付き合いで風俗に連れて行かされたことをキッカケにホンダを捨て、ハヤシを選んだカナだったのだが、案の定ハヤシのアホな面、クズな面が見え隠れし、少しずつ精神を病み、狂っていく…。
登場人物全員いけ好かねぇし、起きてる問題の8割自業自得。そんなヤツらの半径2メートル以内の超個人的なイザコザが2時間ずっと長回しで続くので、毎秒
「なに見せられてんだこれ…」
のタメ息しかでねぇのに、河合優実がその異常演技力でカナという1人の人間を細部まで演じているせいで、どうでもいいのに1秒も目が離せない。完全に演技のバケモン。「陰鬱」を演じたら間違いなく今ナンバーワン。
なにが言いたいのかよくわからんのに、最後まで見てしまう、邦画の良い部分と悪い部分が詰まりに詰まった映画。
Cloud クラウド
オレ、マジメ系・転売ヤー、菅田将暉!
片手間でチマチマした転売での小銭稼ぎがイヤになった俺は、ガチで転売一本で食っていこうって決意!
仕事辞め、群馬に一軒家買って彼女と住み始めたんだけど、逆恨みされてめっちゃイヤがらせ受けるし、偽ブランドバッグを売っぱらったことが警察にバレそうになるし、売上は厳しくなるし、彼女は出ていくし、と散々な目に!?
そんなある日、なんか急に!?!?元上司の荒川良々、先輩の窪田正孝、転売元の社長、彼女の古川琴音、マジで知らんヤツの岡山天音、マジで知らんヤツ、マジで知らんヤツ、他々、全員から命狙われたオレ!?
あっけなく捕まって、このまま拷問を受けて無様に死んでいくのか…?
とか思ってたら、なんか適当にバイトで雇ってた奥平大兼に謎に気に入られてて、しかもそいつがめっちゃプロの殺し屋で、助けてくれたーーーーッッッ!?
しかも復讐してるヤツら、マジで素人!超だらしねぇミス連発!アッサリと形勢逆転!?ぜ、全員死亡?!
まさかの転売ヤー、勝利ーーーーッッ!!!?!?!
質の良いサスペンスだと思ったら、途中から急にクソ雑バトル・ロワイアルでした。
色んな雑さを疾走感とノリだけでやりきった、スター取ってるときのマリオカートみたいな映画。
先生の白い嘘
高校教師の美鈴(奈緒)は、ある日、友人の婚約者・早藤(風間俊介)に襲われ、その後も関係も迫られてしまう。
そんな中、美鈴と同じように誰にも言えないトラウマを抱えた生徒・新妻(猪狩蒼弥)と心を通わせていく。
しかし、早藤の行為はどんどんエスカレートしていき…。
とにかく、最悪の人間を演じさせたらアイドル界1、2を争う「風間俊介の演技」の最終形態を見ることができる、それに尽きます。
カス中のカス、この世に産み落とされた悪魔、人間のキモい部分の全部を煮詰めたゲロの塊。どんなに言葉を尽くしても言い表せられないほどのクソ。己の欲のまま突っ走るだけの頭の悪いバカではなく「理性」があるのが尚更キモい。
この映画見たあとに、キラキラした目でディズニーの素晴らしさ語ってる風間俊介を見る、それがなによりのホール・ニュー・ワールド。
月
重度障害者施設で働く「洋子」(宮沢りえ)、「陽子」(二階堂ふみ)、「さとくん」(磯村勇斗)、その労働環境は想像を絶するほどに、ひどいものだった。
徐々に削られていく体力と精神、職員たちのストレスは限界に達しようとしていた。
そんな中でも、献身的に患者たちを世話してた「さとくん」。しかし、その真面目さ、真っ直ぐさゆえ、思考が歪み、ついに史上最悪の凶行に走ってしまう。
「全員よく最後までメンタル壊れずに演じられたな」
という心配しか沸かない、最初から最後まで1秒たりともなんの救いもない、まったく知らない他人の吐いたゲロを飲まされているような映画。
長時間見続けると絶対に目が悪くなる眼精疲労確定の画面の薄暗さと相まって、ずっと海の中にいるような息苦しさ。
犯行シーンよりも、むしろ特に宮沢りえ、磯村勇斗、二階堂ふみ、オダギリジョーの4人で酒を飲むシーンの「自意識のぶつけ合いからくるキモさ」は格別。
胸糞を毎秒更新する胸糞ボジョレーヌーボー。なぜ公開できた、この映画が。
心のバランスを保つためにこれから松山ケンイチ主演、実写版『デトロイト・メタル・シティ』を観ます