霧の街「釧路」
漫画「バキ」の作者・板垣恵介や直木賞作家・桜木紫乃などを輩出し、ジブリ作品「思い出のマーニー」、映画「僕らがいた」などの舞台となったが、年々人口は減少し、駅前商店街の店舗は次々と閉鎖、テーマパークも観光地も少ないゴーストタウン釧路において唯一と言っていい観光の楽しみといえば「食」しかない。
そこで釧路で生まれ育った経験を元に釧路に来た時にこれだけは食べておくべきグルメを5つにまとめた。
1.勝手丼(和商市場)
釧路が世界に誇る市場「釧路和商市場」
釧路駅近くにあり、初めて来た観光客は駅前の寂れっぷりに涙がでると思うが、ここで食べられる「勝手丼」を目当てに釧路に来るという人も多いだろう。
プラスチックの容器にご飯を盛り、いろいろな店を回りながら自由に海鮮物などを乗せていく。
正直なところ、値段はなにも知らない観光客の足元を見てるのか割高で、身も店によっては小さいが、場合によってはおまけしてくれたりするので、コミュニケーション力が高ければ交渉してみるのもアリ。味は間違いなし。
ゴーストタウン活性化だと思って思い切り高いネタ食べてほしい。
2.スパカツ(泉屋)
釧路ならではのグルメといえば?と聞くとこの「スパカツ」を思い浮かべる人も多い。それだけこの「スパカツ」特に「泉屋」という店のスパカツはあまりにも有名だと思う。本州の人間にスパゲッティの上にカツを乗せた食べ物があるという話をすると決まって変な顔をされるが、これはミートソースとトンカツの相性の良さに気づいた釧路人の勝利だと思う。
個人的にはスパゲッティとカツは別々に食べたい派なので、泉屋ではいつも「ピカタ」を頼む。
3.ザンタレ定食(南蛮亭)
釧路群の遠矢町というところにあるレストラン。ザンタレというのは釧路風のから揚げ「ザンギ」に甘しょっぱいのタレをかけた料理のことで、ローソンの弁当にもなっていたので知ってる人もいると思う。しかし、このザンタレ定食はから揚げの量が尋常ではなく、皿にブルトーザーのように盛り付けてある。個人的には二郎系みたいなバカ盛りはあまり好きじゃないが、このザンタレ定食は味もしつこくなくおすすめ。
4.カレーチキン(ジョイパックチキン)
鳥取大通り沿いのビッグハウスの中にあるファーストフード店ジョイパックチキン。
はっきり言ってこの店以上のフライドチキンを知らない。現存するフライドチキンの中で最高のものだろう。
衣のサクサク感といい、鶏肉のジューシーさといい、ほんのりついたカレー風味といい、非の打ち所なし。
一度食べると中毒のように手が止まらなくなる。付け合せのポテトの揚げ加減も絶妙。ファーストフードの王と言える。
このジョイパックチキンを知ってしまったらまず他のフライドチキンは食べることができない。
ちなみにジョイパックチキンが入っているビッグハウスの近郊にケンタッキーフライドチキンの店舗がある(今もあるかは不明)のだが、これはケンタッキーの自殺行為としか思えない。
ひとつ惜しむべきは、分店が一店舗もなく、この店でしか食べることができないということ。
もし自分に十分な資金があるのなら札幌にもぜひジョイパックチキンの店舗を出したい。
釧路に来てジョイパックチキンに寄らずは釧路に来たとは言えない。それくらいの逸品。
5.ラーメン(ラーメンの高橋)
また鳥取大通沿いのローソンの隣にあるポツンと建つビーニルハウスの店舗。それがラーメンの高橋。
釧路にラーメン店は数多くはあれど、ラーメンの高橋を超えるラーメンはないと個人的には思う。
正直、ラーメンなんてどこで食べても大して違いはないというのが持論だ。
だが本当に「ラーメン」というものを食べたいと思った時、ここの店以外に選択肢はない。
余計なダシや、大げさなトッピングなど一切なし。ネギ、メンマ、チャーシューのみ。これぞTHEラーメン。風格さえ感じる。ぜひその目で確認してほしい。
煮干しダシ?二郎系?なんぼのもんじゃい!と言った店主の声が聞こえてきそうだ。
日本人が愛したラーメンがここにある。
最後に
今回挙げた店舗のうち3つは釧路市鳥取大通で食べることができる。
釧路観光に来て、どこに行こうか迷ったときにはこの鳥取大通を選んでおけば、まず間違いない。
お盆の時期に合わせて来れば、近くの橋で大きな花火大会などもやっていて非常にオススメ。