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ミクスチャーブログ

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宝塚1ミリも興味なかったのに『かげきしょうじょ!!』で一瞬で底なし沼に叩き落された。

今まで生きてきて「歌劇」「宝塚」というものにほとんど興味なかったんですが、『かげきしょうじょ!!』のアニメ始まったタイミングで原作漫画読んだら一瞬で沼の手前まで来てる。これ以上踏み込むのが怖すぎる。

『かげきしょうじょ‼︎』、『ガラスの仮面』『ちはやふる』『トップをねらえ』にも通じる激熱漫画だった。最初「か、過激少女?エロそうだな」とか思っててマジですいませんでした。誰か首落としてくれ。

 

スポーツでも芸術でも芸能でも、現実にあるコンテンツを題材にした漫画を読むとき俺がめちゃくちゃハマる要素として一番重要なのが

「題材自体に興味が持てるかどうか」

例えばバレーボール漫画読んで実際に春高やプロの試合を観るようになるか、農業漫画読んで現実の農業について考えるか。ただ単にその題材を「描きやすいから」「作品のネタ」としてそれを扱わずに、作品に触れることでそれが窓口になって題材のファンそのものが増える描き方をしてるか。

そういう「作者がその題材に対してどこまで愛情があるか」が強い漫画に心臓ブッ刺さるんですが、『かげきしょうじょ!!』は作品自体に対する愛と「歌劇」そのものに対する愛、その両方が天元突破してて一発で殺られた。愛殺された。

表と裏、美しい部分だけじゃなく裏の泥臭い部分を隠すことなく描こうという姿勢、カテゴリーとしては少女漫画なんですが、理想を描くファンタジズムとその枠を超えたリアリズムのバランスがどうしようもなく絶妙。どうして宝塚、歌劇がここまで人気があるのか、歌劇の面白さとはなにか、ファン以外にはどうしても理解されにくい世界を漫画に落とし込むことで「とっつきにくさ」を極限まで取り払って、「漫画としての面白さ」プラス「歌劇そのものの魅力」をめちゃくちゃ上手く描いてる。

 

舞台は歌劇団の養成学校で、そこに入学した予科生たちの物語。主人公の「渡辺さらさ」は恥ずかしいぐらいのTHE主人公で、身長がクソデカ、声もクソデカ、主張もクソデカ、圧倒的なスター性を持ち、時に空気が読めずに他人の心にズカズカと入り込む圧倒的な「陽」。オーラを他人に振りまき、自分の信じた道だけを見てただひたすらに突き進む。しかも大空翼や越前リョーマよろしく、一度観た演技を「完璧にコピーする」という特殊技能まで持ってるバケモノ。

俺はこういうキャラを「善玉サイコパス」と呼んでるんですが、さらさの天才性、主人公性が必ずしもプラスだけに働かないのが面白いところで、さらさは序盤でいきなり「あなたには夢は叶えられない」という事実を突きつけられ、その恵まれたギフトゆえにどうしても抗うことのできない現実がさらさの前に大きな壁として立ちはだかる展開も「才能がなければどうしようもない」「才能があってもどうしようもない」厳しさもちゃんと描こうとしている誠実さに脱帽超えて脱脳だよ。

 

とはいえ、さらさはまぎれもなく圧倒的に主人公で、他のキャラクターにとってはある意味で最大の魔王。その無意識に核心を突く言動は時に人の心をえぐり、傷つけ、癒やす。強すぎる光はそれ以上に深い影を作り出してしまう。

ある意味「諸刃の剣」でもあるさらさと他の子たちとの触れ合い、そこが俺はこの『かげきしょうじょ!!』の最大の魅力だと思っていて、その一番影響を受けるのが、もうひとりの主人公「奈良田愛」。

彼女は元国民的アイドルグループメンバーで、とある理由があってグループ脱退後に「男と一緒の空気を吸いたくない」という理由だけで歌劇学校に入学するんですが、一言で言えばTHIS ISツンデレ。さらさとは正反対の意味で「人との距離感がわからない」彼女は最初こそ辛辣な態度を取り続けるのですが、彼女の過去を取り巻く胸糞すぎるエグささえ乗り越えればあとは「最高」しか待ってねぇ。辛くても目をそむけるな、愛から逃げるな。お前も一緒に乗り越えろ。そうすれば太陽と月、全人類が望むさらさと愛の関係性がそこにはある。

二人だけじゃねぇ、入学試験主席合格で委員長の杉本紗和、歌劇団の祖母と母を持つ星野薫、歌は上手いが気が弱い山田彩子、双子で入学した沢田千夏と千秋…さまざまな個性やコンプレックスを持つ予科生たちが、時にぶつかり、認め合い、成長し合っていく姿を見ているだけで俺は明日も生きていける。失われた青春がここにあった。俺にできることは、全員の夢が叶うことを願って金振り込むことだけ。

 

良い意味で飾らない等身大のキャラクターたちの魅力と、細部まで描ききる過激そのものへの愛、嫌味のない多幸感とキラキラ感を全身で浴びる最高のビッグ・ラブ・コミック。アニメともども一生楽しみたい。

ただ、普通に怖い。ガチ勢に「宝塚は底無し沼」って聞いてマジで歌劇にハマるのが怖くて真夏なのにガタガタ震えてる。

 

アイネクライネもHANABIもポルノグラフィティ岡野昭仁が歌うことで「新曲」になる

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「岡野昭仁 配信LIVE2021『DISPATCHERS vol.2』」 セットリスト

01. ギフト(ポルノグラフィティ)

02. リンク(ポルノグラフィティ)

03. マリーゴールド(あいみょん)

04. HANABI(Mr.Children)

05. 勿忘(Awesome City Club)

06. 人として(SUPER BEAVER)

07. ジュビリー(くるり)

08. サヨナラCOLOR(SUPER BUTTER DOG)

09. 情熱(UA)

10. 今だから(松任谷由実・小田和正・財津和夫 )

11. アイネクライネ(米津玄師)

12. 若者のすべて(フジファブリック)

13. フラワー(ポルノグラフィティ)

14. Shaft of Light(岡野昭仁)

15. 光あれ(岡野昭仁)

16. その先の光へ(岡野昭仁)

 

助けてくれ。マリーゴールド歌う前に

「日本の音楽史を探訪していきたいと思います、よろしく」

とか今回のライブのテーマを言ってたんですが、聴いてるこちら側からすると探訪というか時空ごと振り回されるタイムマシン、歌のバック・トゥー・ザ・フューチャーだった。本当に意味がわからない。俺の情緒どこいった。

前回を超えた「岡野昭仁がポルノグラフィティ以外の曲を歌う」ということの唯一感。「この曲を今まで岡野昭仁が歌ったことなかったの嘘だろ」と思う曲と「この曲と岡野昭仁が結びつく世界線が存在するなんて」と思う曲のギャップが激しすぎて発狂した。

UAの『情熱』は「これもうポルノだよな?ポルノの楽曲ってことで良いですよね?ポルノがもらっちゃっても問題ないですよねUAさん!?」とUA本人に確認の電話いれたくなるほどポルノで失禁案件だったし、Awesome City Clubの『勿忘』は良い意味で「あまりにもパワー」だった。もし岡野昭仁の勿忘が『花束みたいな恋をした』のインスパイアソングだったら、主演は菅田将暉と有村架純じゃなく北村一輝と小池栄子になります。

「その曲であることは間違いないのにすぐに認識できない」

という経験はカバーするボーカルの個性が強すぎるとたびたび起きるんですが、岡野昭仁のヤバさは「この曲は声質的にさすがに合わんだろ…」と思う曲だろうが自分の声に引き寄せてしまう「声力(せいりき)」と、その声力の強さがあっても決して原曲の良さが損なわれないバランス感覚。技術がどうとかのレベルはとうに超えていた。

米津玄師の『アイネクライネ』やくるりの『ジュビリー』のような本来原曲で流れるように歌ってる曲でも「一音一音ハッキリと歌う」という自分の個性を一切崩さない。まるで太鼓の達人かなにかのようにバチッ!バチッ!と「ここでこの音を出せば耳が一番気持ち良く感じる声」をピンポイントに当ててくる。わかりやすい部分で言えば「サビ一音目」の爆発力が原曲3倍の増しになります。

結果、曲のほうから、音楽のほうから岡野昭仁の声に合わせにいってるんじゃねぇか、とすら思う。原曲と比べてもリズムの取り方や音程が違う部分はところどころあるにも関わらず、聴いてると「これが正解」になる。くるりのジュビリーがチオビタドリンクなら岡野昭仁のジュビリーはリポビタンDだった。菅野美穂じゃなくケイン・コスギになる。滋養強壮がエグい。

かと言ってメチャクチャにリズムを崩して歌って原曲が壊れるというわけじゃない。むしろメロディには誰よりも忠実に歌いながらその中で岡野昭仁を出す。だからこそ楽曲そのものの良さがさらに引き立てられ原曲をより深く聴き込みたくなる。

 

誰かがカバー曲を歌うと必ずつきまとうのが「原曲とカバーどっちが良いか問題」。例えば、Mr.Childrenの『HANABI』。ミスチルもポルノも誇張無しでそれぞれの曲を100万回ずつ聴いてるくらい耳がこの2組によって支配されてる身という個人的な部分を差し置いても「やっぱりアキヒトより桜井さんが歌うHANABIが最高」とか「アキヒトのカバーは桜井さん超えた」とか1ミリも思わない。「どっち良い」とかそういう次元じゃない、焼き肉と寿司どっちが好き?とか言われてるようなこと。

桜井和寿の生と死の狭間を行き来し迷い立ち止まりながら日常の中にある微かな光を見出していくようなHANABIも、岡野昭仁の光が掴めないんだったら自分が花火になって光放ってやるよみたいなHANABIも、どっちも紛れもないYABAI HANABI。

それどころか岡野昭仁が歌うことで歌詞は一緒なのに出てくる登場人物が全く別の人間になる。マリーゴールドも勿忘も人としても情熱もジュビリーもアイネクライネも、岡野昭仁に歌われた曲は全て「新曲」に生まれ変わると言ってもいい。今すぐにカバーと原曲を交互に無限ループさせたくなる。

岡野昭仁…もっともっと歌ってくれ…この世に存在する全ての曲を歌ってくれ…

 

頼む…特にDragon Ashの『Fantasista』かSOUL'd OUTの『To All Tha Dreamers』かどついたれ本舗の『あゝオオサカdreamin'night』か千石撫子の『恋愛サーキュレーション』をアキヒトの声で…

 

※7月31日(土)までアーカイブ配信

sp.pornograffitti.jp

「オタク」を下に見てたのに自分から「オタク」って名乗るやつ全員デスゲームに招待したい

高校の同級生(ハヤト)と話してたら急に「俺最近アニメオタクでさ〜」とか言い出したので「へぇ、なに好きなの?」って聞いたら

 

「鬼滅と呪術と東リベ、めっちゃ流行ってんじゃん」

 

なんだァ?てめェ……

ビックリしすぎて白目むいたわ「流行ってるから」ってだけの理由でちょっとアニメ観たくらいで「オタク」?寝言言ってんなよこのトゥルースリーパー野郎がよお。あまりなめるなよ。そもそも「アニメオタク」ってなに?範囲が広すぎるだろうがよ。キュベレイかお前?そんなもん「食べ物オタク」って言ってんのと同じだからな。食べ物オタク=全生命体だろ。なんだこの理論?

一作品二作品観てアニメオタクとか名乗っていいんだったら40年間ほぼ毎週欠かさず『サザエ』観てる俺のバアさん(80)がトップ・オブ・アニメ・オタクだろ。日本人で唯一、サザエに「さん」つけねぇんだぞ最強だろ。

そもそもコイツのなにが白目案件って、漫画『ルックバック』で主人公が漫画描いてたらクラスメイトに「中学で絵描いてたらさ…オタクだと思われてキモがられちゃうよ…?」とかバカにされてるシーンありましたけど、完全にそっち(クラスメイト側)の人間なんですよ。俺があのページでお前の顔浮かんでゲロ出そうになったのがわかるか?

昼の校内放送でガチ勢が流してたハルヒ劇中歌『God knows...』にちょっと反応しただけで俺のこと「5年」イジってきやがったのマジで一生許さねぇ…いつかその時の復讐するためだけにお前とまだ友達やってるまであるからな…覚悟しとけよ、私ついていくよ!どんな辛い!世界の闇の中でさえ!ってか?やかましいわ。お前の2週間永久にループさせたろか?

いいか、よく聞け。オタクってのはな「油」なんだよ。クラスで誰にも話かけられなくて一人で浮いてるか、同じ種類の人間同士で固まって浮いてるか、その2種類しかいねぇ。油は「汚れ」に変わった瞬間に拭き取られちまう。だからそれを悟られないように必死に擬態してバレないように息をひそめてたんだよ。 

…なのになにが「俺最近アニメオタクでさ〜」だ?怒りで脳みその血管ちぎれるかと思ったわ。いや、ハヤトだけじゃねぇ15年前はディズニーとジブリとワンピース以外のアニメは「キモコンテンツ」みたいな扱いしてたバリバリの1軍どもが今じゃ流行りのアニメとかゲーム触った程度で恥ずかしげもなく「オタク」自称しやがるのマジでハラワタ煮え繰り返るわ、お前ら俺たちの『いちご100%』北大路さつきのこと足蹴しただろうがよ、なにが「胡蝶しのぶかわいい」だ?いい加減にしろよ。『恋愛サーキュレーション』でギャルが踊る狂う現代はっきり言って地獄だからな?なんだその「世界の平和のために戦ってきた勇者が力を得すぎて気がついたら魔王そのものになっていた」みたいな展開はよ、いやそんなカッコイイもんじゃねぇからなァ?自惚れんなオラァァア!お前らは人見てすぐ「陽キャ」とか「陰キャ」とかバカみたいなレッテル貼ってっけどなあ、俺から言わせればお前らこそ真の陰、闇、悪だよ。この魔人ブウ(純粋)どもがよ。

もしかして「オタク」を名誉かなにかと勘違いしてんのか?何度も言うが俺たちの時代のオタクってのはな、バレた瞬間に積み上げてきた生活が一瞬で終わりかねない忌み嫌われし存在「呪われし烙印」「背負いしカルマ」なんだよ。後ろから槍刺されながら泥水すすって茨の道を歩くことしかできない悪魔の落とし子が汚れた多くの苦しみを持つ「汚多苦」と呼ばれてきたんだよ。その覚悟がお前らにあんのか?

わかったか?わかったなら、アニメだろうがゲームだろうが漫画だろうが音楽だろうがちょっと好きなくらいで「◯◯オタク」って言うの今すぐやめろ、「◯◯好き」「◯◯ファン」って言え、オタクって言葉をありがたがるな。「過去にオタクを笑わなかったやつだけがオタクを自称しろ」、俺はそういう話をしてる。

 

だがな、どうしてもオタクって名乗りたいんだったらな、コンテンツを骨の髄までしゃぶりつくして

「今からこの作品に関する問題を出す、正解できなければお前は死ぬ」

ってデスゲームに24時間365日いつでも参加できる人間だけ名乗れ。少なくとも俺はなんの分野においても自分のことをオタクって言ったことは一度もねぇ。軽々しく誰かに「◯◯のオタクなんですよ」なんて口が裂けても言えねぇ。なぜなら「真のオタク」とは「武士」と同じ意味だからだ。コンテンツのために死ねるか?その覚悟ができたとき「汚多苦」は雄々しく太い躯を持つ「雄太躯」になるんだよ。だが俺には「まだそこまでは達せられていない」という自覚がある…

ハヤト、お前はどうだ…?死してなお主君を守れんのか…?

 

俺「ヘェ〜!!!じゃあアニメオタクのお前に問題で」

 

ハヤト「…あ、でも俺それ以外あんまり知らねぇからさ、よかったら色々教えて?お前そういうの詳しいだろ?」

 

 

俺「えっ…ま、まぁな〜〜!!し、しょうがねぇなァ〜〜〜!まず今期で言うと『Sonny Boy』と!『かげきしょうじょ!!』と!」

 

 

…オタクとかオタクじゃねぇとか…俺がこだわってきたことは1軍にはなんの価値もなかった…コイツら…ただ純粋に「今」が楽しけりゃそれでいいんだよ…もう全然いいわ…言う事ねぇわ…やっぱコイツ強ぇわ…もうダメだ…強い…

漫画『ルックバック』祈りとか百合とか関係なくヤバい

t.co

藤本タツキの読み切り漫画『ルックバック』がヤバかった。

これは追悼です祈りです、違いますこれは百合です、違いますなにが百合じゃこれは友情です的な読者間の殴り合いは作者が明言してない以上、誰がどう捉えてもどう咀嚼しても個人の感想でしかないので「知らん!勝手にやれ!」と思いますし、正直なにがモチーフとかなんでもいい。それ抜きにしてもルックバックは単純に話としてべらぼうに面白いし、漫画としての完成度が異常に高い。それだけ。とにかく今はこれを描ききった藤本タツキっていうバケモンに恐れおののきたい。

なので「ここおもしれー!」という話を勝手にします。

 

まず藤野と京本が出会うまでの過程。最初は校内新聞に4コマを載せていたのは藤野だけで小4で「面白い漫画が描ける」っていうのはそれだけで尊敬の対象になったりするのはあるあるだと思うんですけど、そこのリアリティがただの現実。特に最初の4コマ『ファーストキス』が「クラスの明るいやつが調子乗って描いたちょっと面白い4コマ」のクオリティで震えが止まりませんでした。やってくれたな藤本タツキ…「こういうのをクラスで描いてたらチヤホヤされるだろうな」のラインを完璧にわかってやがる…。藤野は最悪別に漫画じゃなくてもいい、友達もいるし、運動もできる、ただ「ウケるための手段のひとつ」として描いたっていう共感と羞恥でめっちゃゲボ出た。絶対卒業文集でボケるタイプだろ藤野。

それで次の4コマで藤野の『奇策士ミカ』と京本の『放課後の学校』が同時に並んでるんですけどここの対比恐ろしすぎるだろ。たしかに京本より絵は下手ですけど「廊下を走るのは校則違反」からの「運動会の100m走で相手のレーンに廊下を敷いて走らせない」の流れはちゃんと起承転結のある4コマ漫画になってる、反対に京本は絵は上手いけどほとんど風景画で4コマ漫画の体をなしてない、完成度的には五分五分。が、さっきも書いたように藤野の4コマはあくまでも「ちょっと面白いだけの漫画」なので隣に小学生のレベル超えたクソウマ絵が載ってたらそっちに傾くのは性(サガ)、ヒューマンネイチャー。

そこから京本というライバルが登場して「自分だけがチヤホヤされてたのに…」っていう優越感が削がれていく流れがとんでもなくリアル。それを受けてムキになった藤野は「京本に勝ちたい」「京本より目立ちたい」って動機から漫画にのめり込むわけですけど、そもそも藤野って別に「漫画を描くこと」が好きなわけじゃないと思うんですよ。別にウケれば、目立てればなんだっていい。

そこで「絵を描いてる奴」=「恥ずい」みたいな空気がちょうど蔓延してくる6年の時に、クラスメイトが絵に没頭している藤野に対して「中学で絵描いてたらさ…オタクだと思われてキモがられちゃうよ…?」と腐したり、姉ちゃんに嫌味言われたり、最後に描いた4コマ『真実』がクオリティの高さに反して周りの反響がまったくなかったことに加えて、「絵を勉強したからこそわかる京本の絵の上手さ」を悟る眼球アップのシーン、しかも小学校時代おそらく2000年代初頭って全然「体育会系>文化系」の雰囲気はゴリゴリにあったし。という、藤野が漫画を諦めるに至るまでの心境変化があまりにも自然でゲボ超えて胃液出そうになった。

 

だからこそ京本との出会いは藤野にとってド衝撃で、褒められたのが他の誰でもなく「京本」だから藤野は漫画をまた始めた。仮にクラスで藤野の漫画がウケ続けてたとしても、仮に家族から応援されてたとしてもたぶん藤野は漫画描くことをやめてたでしょう。自分が一番のライバルだと思っていた人間から尊敬されていた、「(絵の)天才」だと思ってた人間から「(漫画の)天才」だと言われた、これが藤野にとってのビッグバン。

藤野が京本の家に入るシーンもすごく良かった。藤野が母親に「これ一緒に捨てといて」と言ったときのスケッチブックの量と京本の家にあるスケッチブックの量の差、ここで明確に一回「ああ…勝てねぇわこれ」と思わせるのも、そこから「話は自分で絵は京本」にもっていくのも上手い。

二人が漫画賞の佳作を獲ったシーンも担当者が藤野キョウの「話と背景」を評価しているところも刺さる。「藤野は一人でも描いてやっていけた」って感想みかけたんですけど、うるせぇ。少なくともこのときの二人は絶対に「二人」じゃなければいけなかったんだよ。ゆえに「背景」を評価されてた京本が「もっと絵が上手くなりたい」って思うようになるのも、そこから二人が別れてしまうのも「そうなるだろうな」って説得力が生まれる。

そして一人残された藤野が「漫画を描く理由」なんですが「そうするしかなかった」んだと思うんですよ。青春時代のほとんどを漫画に費やし、ここからまた別の道を探すなんて労力がデカすぎる。もう藤野には「それしかない」。言い方悪いんですが続ける意味もないけどやめる理由もない。さっきも言ったように藤野は漫画に対して「これしかない」ってほど熱量あったわけじゃなかったと思うんですけど「京本に勝ちたい」って理由からのめり込んだ漫画が、京本と一緒に漫画を描くようになったことで「京本と描く漫画が好き」に変わっていった。だから成功した自分を見せてついてこなかった京本を後悔させてやろうっていう当てつけもあったのかもしれない。その意地とか覚悟みたいなもんがセリフなしの「ひたすら描き続ける背中」で表現されていたんですよ。「漫画がうめぇ…」ってなって感情が終了した。

そしてあの事件が起きて藤野が見る「if」に繋がっていくんですが、小学校時代の姉ちゃんが言った「カラテ教室来なよ」から藤野が漫画をやめて空手を始めるのも、京本が藤野と出会わず絵だけを描き続けて同じように美大に進むのも自然。「現実」と「if」は決してかけ離れてない「あったかもしれない世界」。これは「餃子」のことを「ギョーザ」と読むのか「チャオズ」と読むのか、それだけの違い。餃子と天津飯、それが京本と藤野だったんだよ…

 

そうして2つが交わり、あのラストシーンに繋がっていく。藤野が京本の家で4コマ『背中を見て』を見つけるじゃないですか。さらに京本の部屋の窓に貼ってあった4コマが一枚はがれてるのもわかりますよね?そこから最後のページで藤野が窓になんか貼ってますよね?これって藤野が京本の『背中を見て』を貼ったってですよね…?

これって「if」では事件後に京本が藤野のことを思い出して『背中を見て』を描いたわけですけど、現実ではそれ以前に京本が藤野と別れてからも彼女をずっと想い4コマ漫画を描き続けていたというなによりの証…

二人で作り出した漫画を描き続けてきた藤野と、藤野を想い続けてきた京本…だとしたら…風景4コマしか描けなかった京本が「おもしろい4コマ」を描いた、これってまぎれもなく「二人が歩いてきた時間」を肯定するものになってると思うんですよ…あの4コマは藤野と一緒に漫画を描いていたあの時間があったから描けたものだし、そうであってほしいんだよ俺は…

 

…って書き終わったあとに読み返したんですけど…は…?ラストページ…よく見たら藤野が貼った紙…「コマ割」描いてねぇ…しかも京本の家で藤野が発見した紙にもコマ割描いてねぇ…い…いや待て…『背中を見て』の筆跡…ふ…藤野…お…おまえ…これ…え…?なんだこの漫画…?

 

えーと…ルックバック、祈りで、百合です(考察ぶん投げ)

『恋はブレッキー』を聴いたことないおまえはまだ「本当の嵐」を知らない

7月16日、嵐のカップリングベスト『ウラ嵐BEST』がサブスク解禁された。

今回紹介するのはたった一曲、6枚目のシングル『時代』に収録されている『恋はブレッキー』だ。当時の嵐でも異色。この曲を聴かないイコール「おまえはまだ本当の嵐を知らない」そう断言できる。

今までは「嵐のカップリング?知らね」で済ますことができたかもしれない。しかし、ついにそれが世に放たれてしまった。今日生まれた赤子から明日死にゆく老人まで生きとし生けるすべての人間が嵐のカップリングに触れる時代がきたのだ。嵐から逃げ続けてきた人生に終止符を打つのは今だ。

怖いか?本当の嵐を知るのが怖いか?ならすぐにママのもとへ帰りな。だが俺は信じてる。おまえは逃げない、まだ見ぬ嵐を知り、そして嵐をもっと愛することができると。

 

ブレッキーってなに?

タイトルを見た瞬間、ほぼ全人類の頭にクエスチョンマークが出現するであろう謎の単語「ブレッキー」。ウェブで「ブレッキー」と調べても出てくるのは栃木県のプロバスケットボールチーム「宇都宮ブレックス」のマスコットキャラだけだった。

 

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#028 ブレッキーのへや | 宇都宮ブレックス

え?ふざけてるの?この曲ってトンチキソングなの?と思う人間もいることだろう。しかしその油断は再生して10秒で打ち砕かれる。

「Breakin' Breakin' My Hearts 離さない 君が恋をするのは僕しかいない」

『Breakin'(Breaking)」とは「壊れている」という意味、さらに「Break in」で窃盗、押し入り、不法侵入といった意味にもなる。つまり「ブレッキー」とは自分の心が壊わされても、罪を犯してでも「君」を手に入れたいという狂気を現したダブルミーニングだと私はにらんだ。

決しておなかに「ひなたぼっこ」とプリントされたかわいらしいクマチャンではない。嵐におけるブレッキーは飢えた淫獣。ゴリゴリのサウンドに「なに一人でわめいてんだ…?」と言いたくなる恋に狂った歌詞の数々。

この曲はいわば、女にいいように利用され続けてきた男の「復讐」。数々のラブソングを歌ってきた嵐の楽曲のなかで最も貪欲で純粋で醜い曲なのだ。

女は「僕(嵐)」という相手がいながらも「体調が悪い」と嘘をつき別の男と会うという不貞行為を繰り返すとんでもない女だと判明する。当時ポケモンやおジャ魔女どれみに夢中のピュア・キッズ小学生だった俺には刺激が強すぎた。はじめて聴いた次の日、おなかが痛くなり学校を休んだ。クラスの女子が誰も信じられなくなった。

しかし腰抜けの俺と違い、男は諦めない。周りの助言に耳をかさず女だけを愛し続ける。男の心はすでに壊れている。そこには歪みに歪んで逆にまっすぐになってしまった「愛」だけがある。嘘をつかれようが、言い訳をされようがそれでもいいと吠える。

「Breakin' Breakin' My Love 淋しさを 誰かの胸でまぎらわせないで

昨日までの僕じゃない なりふりかまわず取り戻したい今すぐに」

最終的に男は女を殺して自分も死ぬんじゃないのかというほど男が壊れてるのがわかるだろうか。完全に目がイッてしまっているのが音だけで伝わるし「My Hearts」から「My Love」に変わってるのが怖すぎる。愛も壊れている。大野智の「マネキン一体買い」よりも怖い。

おそろしいのは、この曲がリリースされたときの5人の年齢は18〜20歳。この若さでこんな昼顔みたいな曲を歌い、それがとんでもない完成度を保って作品になっているという事実。震えが止まらず、寒さのあまりパーカーの上からもう一枚パーカーを着るという櫻井翔しかやらないファッションをしてしまった。

初期の嵐は、アイドルにもかかわらずバキバキ童貞が悶え苦しむような曲がよく似合う。おそらくまだまだ自分達の主張も通せず「やりたいこと」と「やらなければいけないこと」のはざまで葛藤していた背景もあるのかもしれない。

のちに嵐の5人は復讐の魔王、親殺し高校生、サイコパスクイズ司会者、不倫教師、ムヒ…といった世間が持っていた嵐のイメージから大きく離れた狂った役を演じることになる。そしてそのすべてを完璧に演じきってきた。目がくらむようなキラキラした眩しい光嵐の裏には、誰もが震える闇嵐がいる、それを感じさせた最初の曲が『恋はブレッキー』だった。

 

嵐とは

この曲が単なるアイドルが歌う恋愛ソングと違うところは櫻井翔のラップの荒々しさにある。嵐における櫻井翔の立ち位置とは単に「知性」だけを与えるではない。櫻井翔は知性と同時に「野性」を嵐にもたらす。サクラップの存在によって嵐がただイイ子ちゃん集団などではなく、心の奥底にナイフを隠し持ったギャング集団だということを改めて感じさせる。

松本潤は嵐にセクシーと情熱を、二宮和也は優しさと切なさを、相葉雅紀は明るさとハスキーを、大野智は安定感と爆発力をそれぞれ嵐に与えている。日本中の誰が聴いても一瞬で「5人の声」だとわかる、それが嵐。『ウラ嵐』には5人が培ってきたもののすべてが詰まっているし、『恋はブレッキー』を聴けばその一端にふれることができる。

 

…これだけじゃねえ、聴いてほしい嵐のカップリング曲はまだまだ山のようにあります。

妖し変態ラブソング『時計じかけのアンブレラ』、変幻自在メロディに耳がちぎれる『モノクロ』、切なくも爽やか失恋嵐曲の真骨頂『I say』、広い野原で嵐に腕枕されるような錯覚に陥る『Still…』、5人の声の良さが限界突破している『街角の恋人たち』、二宮和也に抱かれる『虹』、大野智の存在が爆発する『Take me faraway』『冬のニオイ』、今すぐにでもシングル化しろ『スパイラル』『うたかた』『Fake it』『season』『僕が僕のすべて』……

これからも真の嵐を知ったおまえたちの耳が許す限りウラ嵐のすべてをぶちこみたい、全曲2000字ずつレビューを書き殴って読み聞かせたい…そう思ってるし、『ひみつの嵐ちゃん』のマネキンファイブ再放送して…とずっと思ってる。

 

ポルノグラフィティ岡野昭仁にカバーしてほしい曲108曲

7月25日にポルノグラフィティ岡野昭仁の配信ライブ『DISPATCHERS vol.2』が開催されるのでカバーしてほしい曲を108曲選びました。

ちなみに1回目のセットリストは、

 

01. ROLL/ポルノグラフィティ

02. Zombies are standing out/ポルノグラフィティ

03. 愛なき…/ポルノグラフィティ

04. 白日/King Gnu

05. 優しさ/藤井風

06. One more time,One more chance/山崎まさよし

07. 空も飛べるはず/スピッツ

08. Aokage/ポルノグラフィティ

09. 旅せよ若人/Fairlife

10. ワインレッドの心/安全地帯

11. だから僕は音楽を辞めた/ヨルシカ

12. 丸の内サディスティック/椎名林檎

13. 真夜中のドア~Stay With Me/松原みき

14. 未来予想図II/DREAMS COME TRUE

15. Shaft of Light/岡野昭仁

16. 光あれ/岡野昭仁

 

…というトレンドの楽曲や誰もが知ってるヒット曲などをまんべんなくおさえた選曲だったことをふまえ、できるだけ「現実的な楽曲」を選びました。それではどうぞ。

 

1. 恋愛サーキュレーション/千石撫子(花澤香菜)

2. Lose Yourself/エミネム

3. To All Tha Dreamers/SOUL'd OUT

4. Fantasista/Dragon Ash

5. Make you happy/NiziU

6. 星間飛行/ランカ・リー(中島愛)

7. コネクト/ClariS

8. inner universe/Origa

9. One More Time/ダフト・パンク

10. あゝオオサカdreamin'night/どついたれ本舗

11. GIRLS'LEGEND U/ウマ娘

12. POISON~言いたいことも言えないこんな世の中じゃ~/反町隆史

13. 花の唄/Aimer

14. Wherever you are/ONE OK ROCK

15. クロノスタシス/きのこ帝国

16. ヒラヒラヒラク秘密ノ扉/チャットモンチー

17. 青い栞/Galileo Galilei

18. マンピーのG SPOT/サザンオールスターズ

19. フェイク/Mr.Children

20. 今夜月の見える丘に/B'z

21. 誘惑/GLAY

22. LOVER SOUL/JUDY AND MARY

23. ドライフラワー/優里

24. カーテンコール/yama

25. あいまいでいいよ/羊文学

26. 向こう髪/君島大空

27. 渦/iri

28. 歓びの陽/SHE'S

29. One Day/Omoinotake

30. 爆笑/syudou

31. 暗く黒く/ずっと真夜中でいいのに

32. セーラ☆ムン太郎/マハラージャン

33. 悶々/Cody・Lee(李)

34. 愛のレンタル/マカロニえんぴつ

35. 怪物/YOASOBI

36. 不可幸力/Vaundy

37. あなたがいることで/Uru

38. Closer/ザ・チェインスモーカーズ

39. ODDTAXI/スカートとPUNPEE

40. 貴方解剖純愛歌~死ね~/あいみょん

41. 痛いよ/清竜人

42. Mr.PLAY BOY…/清竜人25

43. 地獄先生/相対性理論

44. Touch Me/三浦大知

45. even if/平井堅

46. FIRE GROUND/Official髭男dism

47. ナノ・セカンド/UVERworld

48. ぬえの鳴く夜は/Creepy Nuts

49. FAMILIA/millenium parede

50. HOT LIMIT/T.M.Revolution

51. Believe/玉置成実

52. 秘密基地/高田梢枝

53. 集結の園へ/林原めぐみ

54. 鳥の詩/Lia

55. Ca Va?/ビッケブランカ

56. 高嶺の花子さん/back number

57. フルドライブ/KANA-BOON

58. 愛をとりもどせ!!/クリスタル・キング

59. 星をあつめて/fhána

60.The Cut -feat. RHYMESTER-/Base Ball Bear

61. COLORS/Folw

62. 星に願いを/flumpool

63. ポリリズム/Perfume

64. 不思議/星野源

65. Inferno/澤野弘之

66. 応答セヨ/関ジャニ∞

67. ループ/坂本真綾

68. Buzy/鯨

69. 1/3の純情な感情/SIAM SHADE

70. 夏の幻/GARNET CROW

71. 海辺にて/Maison book girl

72. なんでもないや/RADWIMPS

73. アイ/秦基博

74. アルエ/BUMP OF CHICKEN

75. 陽炎/サカナクション

76. Driver's High/L'Arc~en~Ciel

77. リライト/ASIAN KUNG-FU GENERATION

78. ホログラム/NICO Touches the Walls

79. マイペース/SunSet Swish

80. アイスクリームシンドローム/スキマスイッチ

81. イコール/sumika

82. ピースサイン/米津玄師

83. 永遠の不在証明/東京事変

84. 零 -ZERO-/福山雅治

85. タマシイレボリューション/Superfly

86. 残ってる/吉澤嘉代子

87. time will tell/宇多田ヒカル

88. 猟奇的なキスを私にして/ゲスの極み乙女

89. さよならエレジー/菅田将暉

90. セロリ/SMAP

91. ボクの背中には羽根がある/KinKi Kids

92. 愛なんだ/V6

93. 雨傘/TOKIO

94. truth/嵐

95. Sexy Zone/Sexy Zone

96. Keep the faith/KAT-TUN

97. Luv Bias/Kis-My-Ft2

98. Imitation Rain/SixTONES

99. メロディー/玉置浩二

100. アシンメトリー/スガシカオ

101. Rain/大江千里

102. 美しく燃える森/東京スカパラダイスオーケストラ

103. エイリアンズ/キリンジ

104. カルアミルク/岡村靖幸

105. 風をあつめて/はっぴいえんど

106. 若者のすべて/フジファブリック

107. サーカスナイト/七尾旅人

108. プレイバック part2/山口百恵

 

なんだこの選曲。煩悩グラフィティ。

SixTONES『マスカラ』のヤバさを語るのをガマンできない

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フル解禁まで黙ってようと思っていたんですが無理でした。耐えられませんでした。苦しい…一刻も早く感情を文章にして楽になりたい…と俺の両手が叫んでる。

俺、King Gnu大好きなんですよ、言ったらここ数年は確実に親の声どころか俺の声よりKing Gnuの音聴いて生きてるんですよ、もう自分の発する声が高音なら井口理、低音なら常田大希に聴こえるんですよ、耳鼻科行っても治んないんですよ、正直なれるんなら今すぐ常田大希になりたい、だから「作詞作曲:常田大希」の時点で申し訳ないがハードルの上がり方が尋常じゃなかったんですよ。大気圏を突き抜けてハードルが月にぶっ刺さってるわ。大丈夫かオイSixTONESさんよ?

 

…結果、余裕で月超えましたよね

 

今は月の模様がウサギじゃなくて6人の男に見えるわ…

えー、わたくし「日本ジャニーズエロ曲に精神狂わされたい協会」の会長をやっているものなんですが、俺の中の殿堂入りエロ曲、SMAP『Mistake!』、KinKi Kids『雨のMelody』、嵐『P・A・R・A・D・O・X』、関ジャニ∞『大阪レイニーブルース』、Sexy Zone『NOT FOUND』…に並んだ、いや鮮度込みで言えば正直ブチ抜いてしまった。曲というよりもはやアダルトコンテンツ。世界の価値が変わってしまう前に早く規制したほうがいい。

どっからどう聴いても「常田大希」、King Gnuとmillennium parade のエッセンスが濃縮還元。開始6秒「プワォ〜ン」の時点で常田大希の名前が全身に写経された。

常田大希の音楽は、常人が下手に耳にすればそのメロディの複雑さに一瞬で「あ、歌うの無理だわ」っつって絶望して喉がボイコットするんですよ。カラオケで調子乗って常田大希の作った曲を入れてAメロすら満足に歌えず地獄の空気となっている部屋を俺は腐るほど知ってるんですが、そんな悪魔曲を歌いこなせる時点で「異常」。無意識に「SixTONES異常っす」とクソラップが口から出ました。今日から俺はSixTONES専用のジョイマン。

 

…もうダメだ、ガマンできねぇ。ちょっとワンフレーズずつ言っていきますね。

飾らない笑顔でありきたりなキスをして

凡庸なラブストーリーが丁度いい/ジェシー

まず、こういうエロ全面放出曲の出だしの難しさ、東大に入る以上に難易度高い。阿部寛すら諦める。そのプレッシャーを微塵も感じさせない「飾らない」、推薦入学です。この一言で『マスカラ』がどういう曲なのかを完璧に体現してる。

特に「凡庸なラブストーリー」「丁度いい」の韻を聴いたか…?舐めるような「ストォオリィ」…ここのメロディが聴いてる限りでも鬼中の鬼だと思うんですが、なんなんだこの泳ぎこなしっぷりはよ…今すぐリズム水泳代表選考会に出席して下さい。リズム水泳?

 

終わりがあるのなら 始まらなきゃ良かったなんて いじけてばかりで/松村北斗

一音一音のキレ、バタフライナイフか?「入れる時は入れる、抜く時は抜く」の出し引きが死ぬほど上手い。フレーズ終わりの「ばかりィでェェェ……」で集中してた神経が溶かされる。ただの色気の凶器。

 

わかりきっていた 変わりきってしまった

馴染みの景色を 喰らえど喰らえど/高地優吾、森本慎太郎

「景色を喰らえど」って表現が狂おしいほどに常田大希なのよ…いわば「作詞家の名前が書いてある」フレーズ。曲の心臓部分だと言っていい。そのキラーフレーズに厚みを持たせる二人の野太くて猛々しい声、俺には二人の声がライオンのおたけびに聴こえたね。

 

味がしなくなってしまった日々の 貴方の酸いも甘いも忘れたままで/京本大我

2番が入ってくればどうなるかわかりませんが、『マスカラ』において歌の「根幹」をなす部分を担ってるのが確実にこの京本大我。

「忘れェ…たァ゛…ままでェ…」

耳が顔面ごと地面にめり込んだぞオイ…「ァ゛」…ここ狙ってやってるんだとしたらマジ恐ろしすぎる…声の掠れと吐息のダブルベッドか…?

 

強くなれたならば 素直になれるかな 見えすいた完璧なフリは もうやめて

枕を濡らした 涙が乾いたなら 出かけようか マスカラ剥がれたまま

一気にサビでリズムが跳ねる感じは完全に常田大希のそれなんですが、ポップスとしてのキャッチーさは決して失われてない、それどころか変則的なリズムのメロ部分を経たことによってよりサビが際立つ構成になっていて耳汁のダムが決壊した。

歌詞中で男女の目線を限定させてないのも化物の所業。断言せず「余白」部分を持たせて何度も繰り返し聴いて咀嚼するような仕掛けによって考察の海に溺れる。「マスカラ剥がれたまま」とは単に女の化粧を指しているのか、男の心を表しているのか…エロ川コナンですら10年かかっても解けない謎がここに爆誕した。 

 

終わらない夢の狭間を切り裂いた

一筋の真っ直ぐな瞳 狂おしいほどに胸を貫いた/京本大我

口ずさむことすら許されないグニャッグニャのメロディにいっさい負けてないんですが…ポケモンGOやってる人間の中でいま一番歌上手いんじゃないですか…?

喰らえど喰らえど満たされぬ腹 

打たれて打たれてびしょ濡れのまま ありきたりの毎日に

足りて足りて足りない僕ら/田中樹

ここでまた「喰らえど」を持ってくる常田大希の作詞家としての鬼才ぶりがわかるか…?1番の「喰らえど」は「景色」、心が満たされない「心理的な飢え」を表してる。2番の「喰らえど」は「腹」、そう「身体的な飢え」。つまりどれだけ日々を過ごそうと愛する人を失った悲しみで心身ともに満たされない絶望を「喰らえど」の4文字で表現してる。

「満たされぬ腹iaaeuaa」「びしょ濡れのままioieoaa」、「喰らえ(ど)uae」「打たれ(て)uae」、「ありきたりaiiai」「毎(日に)ai」「足り(て)ai」「足りないaiai」韻の固さは言うまでもねぇガッチガチのガチ。そしてこのパートと真正面から殴り歌う田中樹のラッパーとしての強度。プロとしてSixTONESを認めてるゆえの歌詞、常田大希とSixTONESの信頼関係が見えて泣きながらテキーラがぶ飲みしました。

 

強くなれたならば お互い許せるかな

見えすいた幼稚なフリはもうやめて/ジェシー

「許せるかな」後の泣き叫ぶようなギターと甘い声のギャップは「アイドル」にしか出せない極上の味。これだからアイドルの歌う失恋曲はやめられねぇ…

 

枕を濡らした 涙が乾いたなら

出かけようか マスカラ剥がれたまま/京本大我

ラスサビ前は全人類の耳に「この曲ヤベェSixTONESヤベェ」と一発でわからせる絶対的な力を示さなきゃならねぇ、SMAPで言えば木村拓哉、嵐で言えば大野智が数々の名曲で担ってきた場所でもある。そこにまったく引けを取らない圧倒的な安定感。嬉しさのあまり1年ぶりに実家に電話した。「母さん、天才がいるよ」って…

 

“あの頃の二人のまま” /高地優吾

ここの短いフックを確実に印象に残せる存在がいるだけでこのグループはとんでもねぇ才能の集まりだということがわかる。

 

強くなれたならば 優しくなれるかな

見えすいた嘘で 茶化してばかりで

悲しみの雨を 丸々飲み干したら

出かけようか 出会った二人のまま

複雑な歌割りで個々の個性がぶつかり合うからこそサビのユニゾンでの爆発力が何倍にも膨れ上がる。「合体」ってテンションゴリ上がりするじゃないですか、これが『マスカラ』がKing Gnuでもmillennium paradeでもなく「SixTONES」じゃなければいけない一番の理由。ドラゴンボールで言うところのフュージョン、遊戯王で言うところの融合、やっぱりSixTONESって少年漫画だったんですね…

 

飾らない笑顔で/森本慎太郎

ありきたりなキスをして/松村北斗

凡庸なラブストーリーが丁度いい/京本大我

終わりがあるのなら/高地優吾

始まらなきゃ良かったなんて/田中樹

いじけてばかりで/ジェシー

最後はAメロに戻り6小節を6人で回すあまりにも美しい「それは“SixTONES”という、一人の男のお話」の伏線回収。もう、なにも言うことは無い。俺はただ空を見上げてた。

 

2番来たらどうなるの?死ぬんですか俺は…?

 

…これフルで聴けないとかもはや拷問以外の何者でもないのでCD購入は確定事項なんですが、できれば街行く人間の耳にかたっぱしからAirPodsぶちこんでマスカラ大音量で流して回りたいのでサブスク解禁お願いしマスカラ…