kansou

ミクスチャーブログ

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映画『カラオケ行こ!』実写化などできるはずがないと思っていました。どうせ失敗すると。ホンマすいませんでした

 実写化がアリかナシか、是か非か、みたいな話ってもう耳腐るほどされてますけど、正解は「最初に見たものが親」じゃないですか。

例えば『るろうに剣心』の実写映画ってめちゃくちゃ評判良いですけど、俺は漫画を家族よりも愛してるのでアレ以上のウンコはないと思ってますし、逆に悪名高き『進撃の巨人』は漫画1話で読むのやめた状態で映画見て「進撃の巨人の映画おもろすぎる神」って漫画ファンに言ったら普通に犯罪者扱いされました。

原作厨にとっては、ただ話そのまんまなぞっても「さっっっむじゃあ漫画読むわ」「人気作におんぶに抱っこで恥ずかしくないの?」って呆れられるし、かと言って変えたら変えたで「なんも分かってねぇこいつら」「いらねぇことするなバカ」ってバチクソにキレられる。行くも地獄、戻るも地獄、修羅の道。それが実写化。

 

それを踏まえて『カラオケ行こ!』は、俺は原作漫画をムシャムシャ食べるほど読み狂っているので「絶対にこの世界観を再現できるわけねぇ」って思い込み死ぬほどありますし、そもそも和山やま漫画実写化なんてHUNTER×HUNTER実写化するよりムズいじゃないですか。

日常系だから実写化しやすいでしょ?とか舐めてると猟銃で頭吹き飛ばされるくらいバーバリアンな漫画で、明確なボケもツッコミも存在しないのに登場人物たちの存在そのものが面白いと思わせられる人物描写とそこからくる絶妙な「セリフ回し」、計算し尽くされたコマ割りからくる独特な「間」、そしてなにより少女漫画と劇画を足して割ったような唯一無二の「絵柄」、それがあるからこそ和山やまの世界は成立してるんですよ?

それを実写で?ヘソで茶どころか硫酸沸かすわ。と思ってました。

監督、山下敦弘?脚本、野木亜紀子?いやたしかによ?リンダリンダリンダももらとりあむタマ子も苦役列車もスゲェ良い映画だったし、ラッキーセブンも重版出来!も逃げ恥もアンナチュラルもMIU404も目ぇ溶けるほど見た最高のドラマでしたわ。

でも今回ばかりはさすがに無理だから。やろうとした時点で負け確。お疲れ案件。そのデコに失敗の焼印が押されることだろうよ。

そう思ってました。

 

ホンマすいませんでした

 

グウグウグッッッッッッッッッッッッグググウッッッッッググッッッッッググググググググググググッ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜(涙)(涙)(涙)(涙)(涙)

聡実くぅぅぅぅうぅぅぅぅぅううぅううぅうううぅぅぅぅううぅぅん…………狂児ぃぃいぃぃぃぃぃぃぃぃいいぃいぃいぃぃいぃぃぃぃぃぃぃぃいいぃいぃいぃぃいぃぃぃぃぃぃぃぃいいぃいぃい…………

 

おもろすぎる…漫画を読んでいるからこそ、どれだけこの映画が丁寧に作られているのか乳液のように染み込んでくる…山下さァァあぁぁああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん♡…あんた天才だよ…Chu!

とにかく「青春の終わり」を描くのがあまりにも上手…あくまで主人公2人が中心の物語の前提は崩さず、原作でほぼ描いていない合唱部の青春にもフォーカスし、和田…中川…栗山といった他の生徒たちとの絡みによって、等身大の中学生である「岡聡実」の人物像が、よりはっきりと浮かび上がってくる…そしてそれによって聡実と狂児の非現実な関係性がより尊いものになっていたのだ…野木さァァあぁぁああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん♡…あんたこそ脚本界のノゴーン・ベキ…

 

聡実役の齋藤潤を見つけた時点でこの映画は「勝ち」だった…思春期のモヤモヤと狂児への言葉にできない想いをセリフだけでなく儚さと憂いを帯びた表情で演じていた…特にこの作品最大の核である「紅」絶唱シーンは「宝(たから)」としか言いようがねぇ…これから国は責任を持ってこの才能を守っていく義務がある…

そして狂児。綾野剛。映画『日本で一番悪い奴ら』で役作りのために数週間歯磨きしなかったという異常エピソードを持つ別名「激・ヤバ男(げき・やばお)」

『GANTZ』『亜人』『ヤクザと家族』…これまで数々のトンデモ犯罪者役をこなしてきたからこそ出せる誰がどう見ても「こいつはやばい」と思わせる雰囲気を醸しながら、一瞬でスッと人の懐に入る柔和さも併せ持つ。これは『最高の離婚』や『フランケンシュタインの恋』で培ったものだろう…

その狂気と優しさのスタイルバランスを最も感じさせたのが、聡実に絡んできたシャブ男をアタッシュケースで頭をブン殴るシーン。原作の狂児は「日常の延長線上」のように殴っていて、それはそれでめちゃ怖いんだが、綾野剛演じる狂児はヘラヘラした通常モードからのブチ殺しモードに変貌する一瞬の「ガチ目」漏らすほど興奮しました。狂児に脳味噌カチ割られたい人生…

脇を固めるヤクザ役のキャスティングも北村一輝、橋本じゅん、吉永秀平、やべきょうすけ、RED RICE、チャンス大城…「ぼくのかんがえたさいきょうのおもしろやくざ」 すぎるが??????祭林組だけで映画1本作ってくれ…

決して単なる「和山やま世界の模倣」ではない。原作漫画を下敷きにしながら、実写でしか表現できない映画『カラオケ行こ!』を完璧に作り上げていたのだ…あっぱれ…あっぱれだよ………

結果、俺は「紅が一生頭から離れない病」にかかってしまいました…そして…

 

前奏約42秒

 

ティレティレィティレティティティティテテレレレィテレィテレィテテレィテレッロレロッレォッレォレォッレォレレォレェイレェオレレリエレイレィティィレティィレレィレレレェェェェエン……

 

ティレティレィティレティティティティテテレレレィテレィテレィテテテレレレィテレッロレロッレレロレロレレロッレォレレォレェイレェオレレリエレイレィティィレレィレレティィレレィレレレェェェェエン……………

 

俺「アイ…クドノットルックバック…ユゥドゴォンナウェイフロムミィィィィ……

 

アイ…フェルトマイハァトエィク…アイワズアフレイドオブフォロウゥングユゥゥゥウゥ……

 

ウェン…ナイハヴルッガッ…ザシャドーズオンザウォォォォオオォオォル……

 

アイ…スタァティッラニイントゥザナイト……トゥファインザトゥルゥスィンミィィィィィィィ………………………………

 

ヒィィィィィィィィイィィイィイィィ………

 

紅だアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

聡実くん…カラオケ行こ…?