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漫画・ドラマ『サイレーン』感想

昨夜ドラマ「サイレーン」を観ていて凄く面白かったので勢いで漫画を全巻買ってしまいました。ドラマに影響されて漫画を買ったのは実に「信長協奏曲」ぶりで、とりあえず山崎紗也夏の漫画は「はるか17」といいこの「サイレーン」といい実写化に向いている気がしました。

というのも「はるか17」の平山あやも「よく見つけてきたな」って感じだったんですけど、今回のこの「サイレーン」もメインの配役が絶妙で理屈っぽい里見に松坂桃李、直感で行動する女刑事・猪熊に木村文乃、そしてサイコパス殺人鬼・カラに菜々緒というこれ漫画読んでもらうと分かるんですけど、マジで漫画から出てきたような配役の妙です。そして、凄いドラマのテンポが良かった。漫画の蛇足の部分をバッサリ切り捨ててるのでポンポン話が進む進む。ただ、そのせいで説明不足感は否めないです。

特にドラマで端折ってるなと思ったのはカラの「動機」です。まぁそこは後々語られてくる部分ではあるんですけど、なんでも理由を求めたい人たちには早々にそこは説明してやらないとこのドラマはキツいかもしれない。

で、ドラマ、漫画を楽しむためのポイントとしてはひとつの作品を指針にしていただければいいと思います。それは貴志祐介の「悪の教典」です。悪の教典も映画観てから小説読んで、漫画も購入したクチなんですけど、「サイレーン」と「悪の教典」は凄く共通点のある作品で主人公のハスミンとカラ、この二人にどれだけの魅力を感じられるかで評価は分かれます。

この二人の共通点は「カラッポ」っていうところなんですよね。前述したように、一応ハスミンもカラも本人たちなりの犯罪を犯す「理由」っていうもんがあるんですけど、それは日常を平和に生きている我々には到底理解できないものなんですよね。ハスミンとカラの理由はそれぞれ異なるんですけど、そこをファンタジーとして楽しめるかで変わってくると思います。そこを「理解しよう」とか思っちゃったら全然面白くないです。

近いとこで言うとクロノトリガーって滅茶苦茶説明不足だと思うんですよね。スーファミの時から何百回もクリアして鼻息だけでラヴォス殺せますけど、正直なんで戦ってるかイマイチよくわかってないんですよね。なんか最初の街の祭りでワープ装置が光ってるから入ってみたらいきなりラスボスで説明不足甚だしいですよね。しかもストーリーの流れ自体も一言で言っちゃえば短編集の寄せ集めなんですよね。それでもこれだけ名作RPGとして評価を得てるかっていうとやっぱりキャラクター達の魅力とその短編集の寄せ集めのストーリーが凄くよく出来てるからで、そこんとこはワンピースの人気の理由とかにも通ずる理由があるかもしれない。

例えば、サッカーって理由考えちゃうと全然楽しくないじゃないですか。サッカーとかフットサルしてても、ふと「なんで俺達必死に足でボール蹴ってんだろ、手使ったら楽なのになぁ」ってなるじゃないですか。本音をいえばオフサイドラインギリギリでのロングボールを手でキャッチしたいじゃないですか。一生懸命シザースしてる奴のボールをおもむろに掴んでそのままゴールにトライしたいじゃないですか。「この人達90分も足でなにしてんだろ」っていう気持ちを抑えてみんな顔に国旗書いて「ニッポン!ニッポン!」してるじゃないですか。ヤンバラワラエッ マンマミーヤ エーェオー ヤンバラネェェオー!してるじゃないですか。そんなサポーター感覚でお楽しみいただければいいんじゃないでしょうか。

 

 

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