kansou

ミクスチャーブログ

広告

米津玄師『Plazma』とガンダム作品の親和性についての考察

www.youtube.com

近年の米津玄師作品の洗練された曲構成と、diorama、YANKEEいやそれ以前から続くハチ名義のボーカロイド曲を彷彿とさせる賑々しく複雑な音の作りが、絶妙に物語とリンクした歌詞と少年性を保った米津玄師の真っ直ぐな歌声に見事に絡み合った新たな名曲が誕生した。

驚くべきはその「親和性」。映画『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』については直接的な言及、ネタバレは避けるが、映画本編だけでなくガンダムシリーズそのものを内包するかのような歌詞、メロディになっているのだ。

プラズマとは、物質が限りなく高温の状態になることで原子を構成する粒子一つひとつの運動エネルギーが増大し正の電荷を持つイオンと負の電荷を持つ電子に電離する。その電離によって生じた粒子は電磁場と相互作用しながら高速で集団運動を起こす。そうして生じる物質の状態のことを言う。

この記事では米津玄師がなぜガンダムの主題歌としてこの曲を書き上げ、『Plazma』というタイトルをつけたのか。考察していく。

 

米津玄師『Plazma』と「機動戦士ガンダム」 の親和性の高さの大きな理由の一つに、米津玄師が幼少期ガンダム原体験」がある。

米津玄師とガンダムとの出会いは、小学生の時にプレイしたプレイステーションのソフト『SDガンダム ジージェネレーション F』だという。そう、ここに全ての始まりがあった。

SDガンダム GGENERATION-F

ジージェネレーションFはまさに「選択」のゲームだ。ジージェネレーションシリーズは1000機を超える膨大な数のMS(モビルスーツ)、MA(モビルアーマー)を開発し自分だけのオリジナル部隊を作りながらガンダムの歴史を追体験できるシミュレーションRPG。とりわけこの「F」は自由度がシリーズの中でもずば抜けて高い。

その最大の特徴は、マルチシチュエーションモードという、簡単に言えば「どの作品から進めてもいい」仕様だ。つまり、史実どおりファーストガンダムから始めてアッザムに絶望するのもよし、Endless Waltzから始めてウイングゼロカスタムをACE機に登録して無双するもよし。米津の好きなポケットの中の戦争から始めてもいい。そう「選択の連続」だ。

さらに、ジージェネレーションFには「F.I.F」という拡張ディスクが存在することをご存知だろうか。これは、本編「F」で出来なかった限界を超えた機体、パイロットの育成や、より高難度のステージへの挑戦など、プレイヤーの願いを叶えてくれる夢のようなゲームだった。 米津玄師が「F.I.F」の存在を知らないはずがない。ここでaメロの歌詞に注目したい。

「もしもあの改札の前で 立ち止まらず歩いていれば
君の顔も知らずのまま 幸せに生きていただろうか」

「もしもあの裏門を越えて 外へ抜け出していなければ
仰ぎ見た星の輝きも 靴の汚れに変わっていた」

「もしもあの人混みの前で 君の手を離さなければ
もしも不意に出たあの声を きつく飲み込んでいれば
もしもあの改札の前で 立ち止まらず歩いていれば
君はどこにもいやしなくて 僕もここにいなかった」

繰り返し強調される「もしも」。そう 「F.(I.F)」だ。冒頭でも述べたように、この歌詞は映画本編の圧倒的なネタバレになる、と同時にガンダムという作品そのものを描いたものになっていることは、もはや明白。

ジークアクスの内容がどうであれ、米津玄師がガンダムの主題歌を務めた時点で「もしも」という言葉が使われるのは決まっていたことのなのかもしれない。

特徴的なのは歌詞における「対比」。

「飛び出していけ宇宙の彼方 目の前をぶち抜くプラズマ
ただひたすら見蕩れていた 痣も傷も知らずに
何光年と離れていても 踏み出した体が止まらない
今君の声が遠く聞こえている
光っていく」

「もしも」から始まる「選ばなかった未来」を思う冒頭と、「衝動的」とも言えるサビの歌詞。人はどんなに後悔して立ち止まっていても、なにかに導かれるように進まなければならない、進んでしまう瞬間は必ず来る。そう、これが「選択」だ。

ガンダムは基本的に主人公が「自分で運命を選び取る」物語だ。みな「ガンダムに乗る」という大きな選択を最初に迫られていく。ガンダムは人を簡単に殺めることのできる恐ろしい「兵器」でもある。仮にその選択のせいで、誰かが不幸になろうとも、その選択は決して変えることはできない。だが、そんな自分の運命に抗うため、命を賭した戦いに身を投じていく彼ら、彼女らの輝きは何よりも眩しい。米津玄師はそのことを伝えたかったのではないだろか。

そしてそれは「他者」との関わりの中でより大きくなっていく。ガンダムには「ニュータイプ」という概念が登場する。それと呼ばれる彼ら、彼女らは時に時空を超えた非言語コミュケーションでもって他者と接することができる。まさに冒頭で述べた電磁場と相互作用しながら高速で集団運動を起こす粒子、それを米津は人と人が無数の選択の中で時にぶつかり合い時に手を取り合う姿から生まれるその一瞬の煌めきこそタイトル『Plazma』と

 

あ〜〜〜〜やっぱり考察とかクソめんどくせぇえ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!! 「直感」で聴け!!!!!!ピキーーーーン!!

 

イントロでなんか喋ってるのカッケェ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!

 

ピコピコ音も米津くんの早口もキモチイイイイイイイ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!

 

「あの日君の放ったボールが額に当たって
倒れる刹那僕は確かに見た
ネイビーの空を走った飛行機雲を
これが愛だと知った」

 

誰か〜〜〜〜〜〜〜!?!?!?!?!!今すぐこの人に文学賞の一番いいやつを与えてくれませんか!!??!?!????

 

「目の前をぶち抜くプラズマ」

 

いや!!!米津こそ!!!!!!

 

俺の耳の穴をぶち抜く!!!!!!

 

音楽のプラズマ〜〜〜〜〜〜!!!!

Plazma

Plazma

  • Sony Music Labels Inc.
Amazon