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かんそう

かんそうブログ。20代後半男。札幌

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欅坂46『サイレントマジョリティー』感想

音楽

最近、欅坂46の『サイレントマジョリティー』が頭の中をグルグルしてます。


欅坂46 サイレントマジョリティ

一応、補足説明として書いておくと欅坂(けやきざか)46というのはAKB48の公式ライバルである乃木坂46の妹分的存在のアイドル、という非常にややこしい立ち位置の彼女たち。そしてこの『サイレントマジョリティー』そんな欅坂46のデビュー曲です。ファッションレンタルアプリの「メチャカリ」のCMソングとして最近やたらとテレビで流れているアレです。

俺が最初にこの曲を聴いたとき、いの一番にモヤッとするような言い知れぬ違和感を感じた。違和感と言っても曲自体はもちろん、編曲もその道のトッププロが作ってるので、イマドキのデジタルロックサウンドで格好良い。既存の48・46グループの曲で例えると乃木坂の『制服のマネキン』のイメージが近い。


乃木坂46 『制服のマネキン』Short Ver.

『サイレントマジョリティー』も『制服のマネキン』もミュージックビデオを観てもらうと分かるのがダンスにいわゆる「アイドル」ぽさはまるでなく、良く言えばシャープな、悪く言えば無機質な振りのダンス。両曲とも全体的にロボットダンスのような動きが多く、終始無表情、というかキメ顔で息一つ乱さず踊っている。逆にそのギャップが良くバラエティ番組の「乃木坂工事中」とか「欅って、書けない?」の彼女達を観た後だとグッと来てしまう。センターの娘もそうだけど例えば欅坂の渡辺梨加っていうルックスはグループ内でもトップなのだがマジで日常生活を普通に送られているのか疑うレベルでパラメーターがルックスだけ10で運動神経、コミュニケーション能力、家事力、全部1未満の娘がいて、そんな娘がバチッと顔を決めてキレキレでダンスしているのを観ると不思議と無敵感がある。

俺がなにより違和感を感じたのは歌詞だった。内容は長渕剛とか尾崎豊を踏襲したような「お前が決めろお前が舵を取れヨーソロー」「わかりあえない腐った大人」みたいなメッセージソングでそれ自体はそこまで目新しいものではないのだけど、違和感の正体は「メロディに対する言葉の詰め込み方」にある。もうAメロからおかしいんだが「似たような服を着て 似たような表情で」という歌詞に大してメロディは

「テテテテテ(にたような)」5音、発音5文字

「テテテテテ(ふくをきて)」5音、発音5文字

「テテテテテ(にたような)」5音、5文字

「テテテテ(ひょうじょうで)」4音、7文字

と最後の「表情で」4音に対して言葉が7文字だ。マイナ3音余り。

最大の見せ場サビもそうだ。「君は君らしく生きていく自由があるんだ」の部分。メロディは流石の一言で秋元康の選ぶ曲はどの曲もサビのキャッチーさが半端じゃなく、ちょっと聞き流すくらいのレベルでも一発で覚えられるくらい耳馴染みが良いものが多い。しかし、そんな中でもこのサイレントマジョリティーのサビは異質で、

「テテテ テテテテテ(きみはきみらしく)」8音、8文字

「テテテテ テテテテテテ(いきていく じゆうがあるんだ)」10音、12文字

「テテテテテテ テテテテテテ(おとなたちに しはいされるな」6音、7文字

また音に対して言葉が字余り。そう、この字余りの違和感こそがサイレントマジョリティーの最大のキモなのだと思う。この違和感は聴く人間に良くも悪くも「引っかかり」を持たせる。「なんか気持ち悪いな」そう思わせたらもはや秋元康の術中に嵌まっていると言ってもいい。それがたとえマイナスの印象であったとしても次から次へと一分一秒ごとに新しい楽曲が更新されていく今の音楽シーンにおいてこの「引っかかり」というのはとても重要な要素。ミュージックビデオにしても楽曲にしても違和感を持たせて、晩飯に食べたコーンがずっと歯に挟まっているときのように、歯では触れるのにいざ口の中に手を突っ込むと今度はどこにあるかわからなくなるときのように、印象付けるやり方はやっぱり上手い。グループ全体のイメージが決まるデビュー曲で、従来のアイドルソングではなくこれを持ってくるあたり、かなり勝負に出た感があるのでこの次に何を持ってくるのかセカンドシングルが凄く楽しみ。

ひさかたの ひかりのどけきはるのひに しづここころなく けやきざかフォーティシックス

 

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