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逃げ恥人間を殺しにくるドラマ『カルテット』1話感想

ドラマ『カルテット』1話感想です。

まずこの人の脚本ドラマの特徴として「ながら見できない」というのがあって、登場人物たちのちょっとした仕草とか目線の動き、会話のタメ、みたいなとこが後々毎回必ず挟んでくるであろう長回しシーンの伏線になってたりして、今時の「ドラマの内容とか感想をTwitterでグダグダ呟きながら観る」みたいなのとはすげー相性悪い。1話でも唐揚げレモンだとか画鋲を壁に刺す刺さないとか一見どうでもいいシーンがどこでどう後々のセリフに繋がってくるかわからなくなるから9面パズルみたいなストーリー展開に頭がクラクラしてくる。

あと、基本この人のドラマに登場する奴らは会話が下手というか、ちょっと目を離すと「いや、なんの話してんだよこいつら」ってなることがほとんどで、それは俺達が暮らす日常にかなり近い。普通生活してるなかで理路整然と自分の気持ちを順序組み立てて話せる人なんかほとんどいない。だいたいの会話はオチもまとまりもないし、他人の話も聴いてんだか聴いてないんだかわからない。自分の想いを伝えたいがあまり思わず全然関係ない話もする。だからこそ、坂元裕二作品に登場する奴らの良い意味でドラマらしくないぎこちないやりとりはまるで自分たちを見ているようで苦しいし、いたたまれなくなる、だけどそれがたまらなく愛くるしい。

すずめ(満島ひかり)が飲んでいる三角パックのコーヒー牛乳やベンジャミン(イッセー尾形)が被ってた「あしたのジョーの帽子」など明らかになんらかのメタファーを表してるであろう小道具の数々、どこまで小賢しい。逆にどこまでもライトでポップだった前クールのドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』からの『カルテット』は逃げ恥キッカケで普段あんまりドラマ観る習慣なかった人には流動食しか口にしてなかった病人を退院初日に「いきなり!ステーキ」につれていくくらい順序踏めてない逃げ恥人間たちを殺しにかかってくるドラマです。

秘密を抱えた音楽家の男女4人が共同生活、ラーメン山嵐並みに濃いメインキャスト、詳しいストーリーあらすじは他でさんざん語られてるので俺はあえて語ることはしません公式サイトで無料で本編いくらでも観られるんだから観ろ、高橋一生好きなら医龍2観ろ、満島ひかり好きならモテキ観ろ、松たか子好きなら一周回って王様のレストラン観ろ、松田龍平好きなら二周回って鬼武者2やれ、それより俺が推したいのは4人が定期演奏を行うことになるレストラン・ノクターンでウエイトレスをしている来杉有朱(吉岡里帆)の存在です。吉岡里帆ちゃん本人曰く、「4人を引っ掻き回す小悪魔的キャラ」らしく、店長に向かって「ただいまで〜〜す」と猫なで声で現れる初登場シーンからヤバい女の臭いをプンプンさせてやがる。うわー!かわいい。やばいかわいい。死ぬ。ガッキーがなんぼのもんじゃい。まず、声めっちゃかわいくない?で、顔めっちゃかわいくない?あと、仕草超かわいい。「吉岡里帆」って一回ググってみたらいい、こんなもん最終兵器彼女だろ。

(余命9ヶ月のピアニストってことで)あたしもすっごい泣けて気持ち良かったんですけど、これ言い始めてから一年経ってて、でも、こういう人やめさせちゃったら、お店が炎上しちゃうじゃないですか。ふふっ。あたし、元地下アイドルなんですけどしょっちゅう炎上してました(目が笑ってないからじゃない?と釘を刺される)

(やめさせたピアニストの代わりに演奏することになった4人の前で)ベンジャミンさんも前にドーナツの話してましたよ。「音楽っていうのはドーナツの穴のようなもんだ、なにかが欠けてる奴が奏でるから音楽になるんだよね」って。全然意味分からなかったですけど(笑)へへへへへっ。じゃ、3分前です

おいおい、絶対こいつあれじゃん、その気にさせといて告ったら「え?なに勘違いしてんの?(笑)」とか言ってくるタイプだろうが。基本パーソナルスペースぶっ壊れてて、ちょっ、お前、顔近いんだよ、ベタベタ体触ってくんじゃねぇ、「もぉ〜〜」とか言って頭叩こうとするんじゃねぇかわいいんだよ糞が、それ俺の飲み物だぞボケ、なにが「一緒にいたらずっと笑ってる」だよ、なにが「なんでも話せる」だよ!グッ!頭が…!

ああ〜、さんざん振り回された挙句ボロ雑巾のように捨てられたいです。ありがとうございました。