kansou

ミクスチャーブログ

広告

ドラマ『初恋、ざらり』の風間俊介が「普通のオッサン」すぎて怖くて漏らした

ドラマ『初恋、ざらり』の風間俊介、いったいどういうことなんですか…

 

中学時代に兼末健次郎を見た日から、俺にとって風間俊介は「恐怖」の具現化だった。

風間俊介はいつどんな時でも主犯であり、裏切り者であり、黒幕であってほしい。全ての刑法の横には「演:風間俊介」と書いてほしい。

風間俊介に弱み握られて一生支配されたいですし、風間俊介に自分の返り血を浴びてもらいたいですし、風間俊介に踏まれる死体になりたい。夏の王様がキンキなら風間俊介は「闇の王」。風間俊介の下で闇に飲まれたい。

そんな歪んだ思想を持つ俺にとって、ひとまわりも年が離れた女子にうつつを抜かすくたびれたオッサンの風間俊介など、決して見たくねぇんだよ…

 

などと、ほざいてたんですが…『初恋、ざらり』があまりにも素晴らしすぎて眼球が吹き飛びました。

軽度知的障害を持つ女の子・有紗の初めての純粋な恋を描いた物語で、単なるキラキラのラブストーリーではない、誰かを好きになるという桜ようなふわふわとした美しさの中に、「普通」という価値観のざらつきが交錯する今クールの中でも間違いなく大傑作のドラマ。

漫画の実写化として圧倒的な再現度と、原作を越えるほどの生々しさを、ギリギリの描写で見事に表現していた。そして、とにかく主演の小野花梨と風間俊介の演技力が鬼。

 

今回、風間俊介が演じるのは、髪ボッサボサで、ダサい眼鏡をかけ、安そうな腕時計をつけ、紙タバコを吸う、ただ人生をなんとなく生きている岡村龍二(35)。職場に新しく入った有紗にベタ惚れし、無償にも近い優しさを提供する男なんですが、風間俊介自身も作中で「こんなオッサン」と自称するほど、どこにでもいる普通のオッサンで、いつもの俺なら

 

「こんなもん風間俊介にやらすなボケェエエエエエエエエエ!!!!!!」

 

と叫び散らかしているところですが、前作『勝利の方程式』の「目的のためなら手段を選ばない謎の脚本家」を演じた後の「普通のオッサン」。このギャップに、俺はとんでもないほどの「色気」を感じてしまっているのである…

 

そもそも、風間俊介が「普通のオッサン」を演じるというのは、そのへんの俳優が演じるのとはまるでワケが違う。

なぜなら、風間俊介が「普通の人間」を演じる時、それはイコール「ヤバい人間」なのです。風間俊介の「正常」はすなわち「異常」。風間俊介が投げるただのストレートは誰も捕れない魔球になる。

例えるなら、正義の味方ばかり演じている俳優がたまに悪役を演じた時のゾクゾク感。あれとまったく「逆の現象」が風間俊介に起こっているのです。

 

同じ現象が過去にもありました。2011年のドラマ『それでも、生きていく』で風間俊介は本当に文章で書くことすらためらう、ハイパー胸糞ゲボカス人間モドキ野郎・文哉を演じており、このドラマを観た後は三日三晩眠れなくなり「風」「間」「俊」「介」の文字を見るだけでも蕁麻疹が起き、目に映るもの全てが風間俊介に見えるという症状に襲われました。

そしてこの最悪風間俊介を浴びた3年後、2014年のドラマ『僕のいた時間』で、やつは「難病になってしまった主人公の親友・守」として再び帰ってきたのです。俺は、

 

「ま、またトラウマを植え付けられるのか…?もうやめてくれ…たすけてくれ…」

 

と、ガタガタ震えていたんですが、守は周りが主人公・拓人に対して過剰に気を使い、腫れ物を触るような扱いをしているなか、唯一「病気前とまったく変わらない態度で拓人と接する最高風間俊介」だったのです…

一緒に鍋をしている時、皿を掴むのも苦戦する拓人に「モタモタしてると全部食べちゃうよ〜ん♡」と冗談を言う守と嬉しそうに笑う拓人のシーン、日本ドラマの最高到達点なのですぐにでも見ていただきたいんですが、その時の尊さとまったく同じ感情になりました。

 

主人公・有紗がAM・PMの意味が分からず困惑している時の

 

「アルファベットで書かれてもわかんないよねぇ…俺も最近まで知らんかったし」

 

と庇うシーンも、有紗が「髪くくってきます」と言った時の

 

「おぉ…えらいぞぉ…」

 

と褒めるシーンも、作り出す空気感があまりにも上手過ぎる。本当の闇を知っているからこそ本当の光を演じることができる、とでも言うのか…?

問.風間俊介が「恐怖」に全振りしていたその演技力を「優しさ」に向けた時、どうなるか分かりますか?

 

答.視聴者の目が溶けます

 

そして、なんと今回はキスシーンやベッドシーンが当たり前のようにあるんですが、誤解を恐れずに言えば、

 

 

 

死ぬほどエッッッッッッッッッッッロ

 

 

 

よくある、ふんわり恋愛ドラマの「やってますよ風」みたいな生ぬるい描写ではなく地上波でできる限界ギリギリを攻めている。食っちゃダメな牛レバー隠れて食ってるような背徳感…

特に衝撃だったのが4話のキスシーン。風間俊介こと岡村はキスしたあと、こう言います

 

 

「ちょっと待って…

 

死ぬかもしれん…

 

キスしただけで…

 

心臓が…

 

こんなの今までない…

 

ハァハァ…

 

さて…

 

食器でも片付けるか…」

 

 

 

きっっっっっっっ、きめええええええええええええええ!!!!!!!!!

 

 

反応が童貞のオッサンすぎる…な、なんだ?だ、誰だ…誰なんだ?お前は…?本当に風間俊介なのか…?

俺の知ってる風間俊介はキスしたあと抱き合って相手の顔が見えないところで「ニヤリ…」、もしくはそのまま舌噛み切って「まっずw」では…?

 

ぜひ、一度この風間俊介がする「計算じゃないマジのキス」の衝撃を味わっていただきたい。

もっとくれ…もっと「普通のオッサン」の風間俊介くれ…