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ミクスチャーブログ

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お嬢様性転換グルメ漫画『ゴキゲンよう!ごはん様』を読んで五臓六腑爆発しました

俺と同じ北海道出身の漫画家、芋畑サリー・キタキ滝の漫画『ゴキゲンよう!ごはん様 元・令嬢男子の新しい日常』を全力で応援したい。

勘違いしないでいただきたい。俺は決して同郷だからと言ってひいきするような人間ではありません。俺は北海道に住んではいますが、北海道の人間が基本的にめっちゃ嫌いです。なぜなら全員アホみたいに暗いから。

じゃあなぜ紹介するのか。それは同郷とかそんなもん抜きにして、シンプルに「漫画が面白かったから」しかありません。

 

超お嬢様学校・白百合女学院の生徒の中で最も優雅な存在、愛静慈真澄(おしずしますみ)。財閥令嬢でいつも羨望の的の彼女が密かに憧れているのは「らぁめん」を食べること。ある晩、叶わぬ自由を亡き母に願った翌朝、真澄は「男子」に生まれ変わっていた…!!TS(性転換)令嬢の庶民派フード初体験ストーリー!

ざっくり説明すると、超絶お嬢の真澄が男への性転換をきっかけにドヤンキーのキヨタカと出会い、庶民のメシを教えてもらいながら少しずつ絆を深めていく性転換グルメ漫画だと思うんですが、

 

 

性転換グルメ漫画ってなに?

 

 

そんな物語ないだろ。まだ新しい漫画のジャンル存在したのかよ…なんでグルメと性転換を合わせようと思うんだよ…それにお嬢様とヤンキー?情報が、多すぎる。クレイジーすぎる。すき家のスパイシートマチ牛丼か?

『スパイシートマチ牛丼』4月20日(水)朝9時より販売開始 | すき家

 

多すぎて五臓六腑爆発しそうになるんですが、恐ろしいのが「めちゃくちゃ読みやすい」んですよ。普通これだけ情報過多だと色々とっ散らかって読みづらくなるものなのに、それが全く無いんですよ。

その理由として俺が声を大にして言いたいのは、物語の軸

 

「真澄とキヨタカの関係性、最高!!!!!!!!!!!!」

 

だということです。ここがしっかりと描かれてるから、なんのストレスもなくツルツルと読むことができる。スパイシートマチ牛丼の見た目したソーメンでした。

俺は「天然お嬢様」と「実は優しいヤンキー」のコンビが死ぬほど好きな男なのだ…

出典ゴキゲンよう!ごはん様 元・令嬢男子の新しい日常 1巻/芋畑サリー・キタキ滝

 

出典ゴキゲンよう!ごはん様 元・令嬢男子の新しい日常 1巻/芋畑サリー・キタキ滝

 

俺が思うこの漫画の魅力は、大きく分けて3つあります。

まず1つ目は、愛静慈真澄の天真爛漫なかわいさだ。ご飯をおいしそうにいっぱい食べるのがかわいい。素直で、美味しいものは美味しいと、ありがとうはありがとうと、照れずに口に出すことのできる。そういう子の存在が何よりも俺の腐りきった五臓六腑を癒やしてくれる。

しかも、単に「自分ではなにも出来ない世間知らずなお嬢様」じゃなくて、世間知らずで金持ちだけど、借りた金をちゃんと返したり、家事を自分で頑張ったり、アルバイトも積極的に挑戦したりと「意外としっかりしてる」という、漫画的なキャラだけど性格に奥行きがあって絶妙に「いそう」と思えるのが凄い。

そして明るくポジティブでありながら、お嬢様にはお嬢様の苦労があって必死に愛静慈真澄を演じている自分と、キヨタカといる時の何も演じていない自分のギャップとの戸惑い、そういう他人からは理解されない苦労を抱えながら、今を精一杯生きている。

俺はそういう人間が好きだ。断言しよう。俺は真澄が好きだ。

 

出典ゴキゲンよう!ごはん様 元・令嬢男子の新しい日常 1巻/芋畑サリー・キタキ滝

 

そして2つ目はキヨタカの不器用すぎる優しさ。

初めてラーメン屋に入った初対面の真澄に対し、悪態を付きつつもラーメンを奢ってやったり、セルフサービスの水をわざわざ持っていってあげたり、行くあてが無くなった真澄を家に泊めるなど、雨に濡れた子犬の面倒を見てやるような優しさを持つ男だ。

あと小さいコマの、真澄に寝る毛布を貸してやるシーンで一緒に「水」も置くんですが、そういうキヨタカの人間性が滲み出ている細かい気配りの描写が、俺は脳溶けるくらい好き人間なのだ…………………

出典ゴキゲンよう!ごはん様 元・令嬢男子の新しい日常 1巻/芋畑サリー・キタキ滝

 

そしてまた、キヨタカも「他人から理解されない人間」であるところ。族を一人で潰したと言われるほど 家事全般ができ、 作中でも「口は悪いけど少し臆病なんだ」と言われてるように、キヨタカは人と深く関わることを恐れているように見える。

一人で暮らしているところを見ると、なにか事情を抱えているのは分かるのだが、普段の態度からは決して悲壮感を出すことはない。キヨタカ自身も他人に詮索や同情なんてされたくないんだろう。だが、自分を頼ってくれる真澄を決して無碍(むげ)にはしない。

そう、2人は正反対のようで似ている部分があるのかもしれない。だからこそ、真澄はキヨタカを頼るし、キヨタカもなんだかんだ真澄を放ってはおけない。

そして純粋無垢な真澄と触れ合うことで、キヨタカの心の氷が少しずつ溶けていく。この関係性…

 

出典ゴキゲンよう!ごはん様 元・令嬢男子の新しい日常 1巻/芋畑サリー・キタキ滝


アッ!!!!!!!!!!好きぃ…好きぃぃいいいいぇええええ…………

 

そして、3つ目は「グルメ」だ。庶民の食べ物を知らない真澄がラーメンやナポリタンを初めて食べることで、その美味しさに衝撃を受けるんですが「知らない」っていうフィルターを通すことで、俺達が今まで当たり前のように食べてきたものを何倍にも美味しそうに見せる描き方、一言で言えば

 

出典ゴキゲンよう!ごはん様 元・令嬢男子の新しい日常 1巻/芋畑サリー・キタキ滝

 

「赤ちゃんのリアクション」

 

なんですが、その描き方がめっちゃ上手い。しかも真澄のお嬢様の部分をしっかりと描けてるから「知らない」に矛盾が生じないんですよ。だからこそ、真澄のする赤ちゃんのリアクションにまったくわざとらしさがない。

グルメ漫画読んでて「わざとらしさがない」っていうのはかなり重要だと思ってて、ごはん食べてる時は主軸がキャラだけじゃなくごはんにも向いてるので、結果ちゃんと美味しそうに見えるのがすごい。設定はブッ飛んでるのに描いてる内容は「真っ当そのもの」で、ちゃんと良いグルメ漫画を描こうとしてるのが全ページから伝わってくる。

 

…そして正直、俺は1巻の時点で真澄とキヨタカに対してどういう感情を抱けばいいのか本当に分からない。こんな複雑な感情は久しぶりだよ。

 

現時点ではあくまで「男同士の物語」…そこに「元・令嬢」という属性が加わることで読者の脳味噌をかき乱す想像の余白が生まれるんですよ…これは友情なのか…?いや…しかし…必ず真澄が女に戻る瞬間は訪れてしまう…そうなった時、2人の関係性はそのままではいられないだろう…変わってしまうのか… ?真澄が女だと知ったときキヨタカはどうするんだ…?まさか…ラブか?ラ、ラブですか…?お…おい…早く、早く続きくれ…バナナおあずけされたサルか俺は…?

 

このボリュームでまだ1巻。いくらなんでもメガ盛りすぎる。とにかくこの漫画が長く続いて、2人が仲良く美味しそうなごはん食ってる姿を見られるなら俺はそれだけで満腹でございます。

そのために全員ぜひ読んでみて下さい。それではゴキゲンよう…