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ミクスチャーブログ

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ミスチル、ポルノ狂いは『Official髭男dism』聴け

相変わらずMr.Childrenとポルノグラフィティを狂ったように聴いてるんですが、最近は若手バンドも熱い。中でも『Official髭dism』はまごうことなき激熱。絶対に売れる。

そもそも、ポルノとミスチルには多くの共通点があり、片方にハマってる人はもう片方にもハマる素質は十分にあると思っていて「高音が意味分からんほど出る」「滑舌が良く歌詞が聴き取りやすい」「人間離れしたロングトーン」「声に名前が書いてある」だとか「フィクションとしての歌詞の表現力」「韻の踏み方が超絶気持ち良い」「楽曲の振り幅がエゲツない」「一音目からリスナーを引き込む音力」「その時々に流行ってる音楽を上手く自分達のサウンドに落とし込む」「新曲リリースのタイミングが意味不明」その他諸々あるんですが、その最たる共通点それが

めちゃくちゃ「ィェッッヘッヘ!」「ア〜ァン、アァ〜ハァァン」「ヒィッヒィ〜〜!」「アーォオ!」と叫ぶ

これです。

じゃあ件のOfficial髭dismはどうでしょう。例えば、バキバキのサイケデリックサウンドとエロエロの歌詞が聴くアダルトビデオ『Tell Me Baby』、


Official髭男dism - Tell Me Baby[Official Video]

出会って4秒で

 

「アーォオッ!!」

 

さらに後半部分は抑圧された感情が爆発し、

 

「ドゥッ…ルトゥルトゥッルルルルルットゥルトゥルルルルルルル」

「オーーーーゥオウオォオーーーーーー!イェエッイエイヘァァッッ…アォオッッォオォッッ…ディドゥルドゥットゥ…ドゥッドゥ…テルミーテルミーテルミベイベェエウォオオオオオオオーーーーー!イェエエエイトゥルルゥウウ…」

 

この衝撃を今すぐ味わって欲しい。『叫びボーカル界』の超新星がここに爆誕した。

耳ごと持っていかれるぶち上がるイントロ、日本語詞と英語詞の絶妙すぎるバランス、抜けの良い高音ボーカル、打ち込みを多用しながらもしっかりバンドサウンドを重視してる。『2012Spark』『カメレオン・レンズ』2010年代のような近年のポルノグラフィティサウンドっぽいし、『Dance Dance Dance』なんかの『Atomic Heart』期の1990年代のミスチルっぽさも感じる。ボーカル藤原聡のビジュアルもなんとなく桜井和寿と岡野昭仁を足してギューン!ってしたみたいな感じで超カワイイ。

この曲について番組内でプロデューサー蔦谷好位置も、

世間では洋楽的なサウンドに英語詞をのせるタイプの曲もあるが、この曲は洋楽的要素をうまく取り入れながらちゃんと日本のポップスになっているところがいい。

とかなんとか言っていたんですけど、そう、一言一句違わず全く同じことを俺も思った。むしろ俺のほうが先に思った。いろんなジャンルの音楽をインスパイアしつつもJ-POPとして昇華させてるところなんか、ポルノミスチルサイコである俺の血をビンビン刺激してくる。J-POPの良さと、海外のトレンドを組み合わせた時代感覚を昇華させる音楽嗅覚が天才。


Official髭男dism - SWEET TWEET[Official Video]

反対にキラキラ爽やかポップの楽曲を演っても気が狂うほど良くて『SWEET TWEET』は「ハチミツ舐めながら書いたんかお前」と思うほどの甘々な歌詞に、アグレッシブで内蔵飛び出るほど暴れたくなるサウンドのギャップに殺されてしまう。そして最終的にはやっぱりガマンできなくなって

「恋する僕刻むメモリィ イェイイェェェェエェェィァ!!…アーーーーーーーー!!アーーーーーーーー!!アーーーーーーーー!!アーーーーーーーーーーー!!!イェイェーーーーーーィ!!」

とガッツリ叫んで終了。この言葉にはならない感情の吐露、ここにOfficial髭男dismの魂を感じるのです。

メンバーの優しそうなルックスと荒々しい演奏とのギャップも髭男の魅力ひとつ。なかでも『55』『Amazing』はその最たる例。イカれたメロディとイカれたアレンジ、イカれた歌声とイカれた歌詞がバッツリ噛み合ったド名曲。


Official髭男dism - ノーダウト[Official Video]

メジャーデビュー曲である『ノーダウト』も最高で、いきなり月9『コンフィデンスマンJP』の主題歌っていうドでかいタイアップをもらいつつも、やりたい音楽をちゃんとタイアップに落とし込んで自分達の色を無くさないのも2組に共通する部分があるし、ミスチルもポルノも「2番から本気出す」みたいな部分があるんですが、『ノーダウト』もドラマ主題歌なのにフルで聴くとより良さがわかる曲。起承転結がしっかりしてて「フルで聴いてもらう」ことを前提に作ってるのが若いのにプロ。特に2番サビ後からの展開は脳汁洪水案件。

しかも、共通点の部分でも書いたように藤原聡の歌詞の韻の踏み方が秀逸で、2番Aメロ

「偽のウォーアイニー 撒き散らして暴走してるあなたたち 使って華麗に浴びるわ9桁のビルシャワー」

この口ずさんだときの気持ち良さ、聴く麻薬、歌う麻薬、ピエール髭。そして恐るべきは、これだけ色んなこと詰め込んで曲時間が3分ちょいという奇跡。

「名曲」と呼ばれる曲の9割は曲時間3分〜4分である

という音楽の理を「本能」で知っているのがOfficial髭男dismというバンドなのだ。

続く『Stand By You』『FIRE GROUND』が、輪をかけて化物曲で『Stand By You』のグルーヴ感は「作られるべくして作られた名曲」、そして『FIRE GROUND』の持つ圧倒的なパワーと主題歌にもなっているアニメ『火ノ丸相撲』との親和性は完全に「タイアップの手本」。『絶対ハズさないタイアップソングの作り方』のタイトルで本出してほしい。


Official髭男dism - Stand By You[Official Video]


Official髭男dism - FIRE GROUND[Official Video]

なによりどの楽曲を聴いても「100人に無視されても1人に刺さればいい」的な曲作りじゃなくて、ちゃんと「100人に刺さるように」音楽を作ってる。ドキャッチーなTHE J-POP。そっから一歩も逃げてない。「ド真ん中で勝負して売れてやるぞコラ」という気合いがビンビン伝わってくる。「一生応援したくなるバンド」がここにもいた。

ミスチル、ポルノ、この二組に一歩も引けを取らない圧倒的なオリジナリティを持つバンドなのは間違いない。確実に天下取る。その時は胸張って古参ぶりたい。