朝の連続テレビ小説『なつぞら』終わりましたが、僕にとっての主人公、僕にとってのヒロインは、広瀬すずでも吉沢亮でも中川大志でも岡田将生でも松嶋菜々子でも比嘉愛未でも鈴木杏樹でも山口智子でもなく、草刈正雄でした…
草刈正雄が演じる泰樹は、北海道十勝に住む開拓者。無口で豪傑、これと決めたら絶対に自分の意見を曲げない「ド」がつくほどの頑固オヤジで、赤の他人だったなつ(広瀬すず)を厳しく育てた男なんですけど、厳しさ以上になつのこと可愛がってて…なつに対するツンデレぶちが回を重ねるごとに超愛おしくなってくるんですね…
まだ幼いなつに容赦なく仕事をさせて怒鳴りまくったかと思えば、落ち込むなつをこっそり家から連れ出して「家族には言うなよ」つってお菓子屋デートしてアイスクリーム一緒に食べたり、なつが演劇始めたときも最初は「全然興味ないですぅ〜」みたいな顔してたくせにいざやるってなったら「お前が出るなら楽しみじゃ…」とかデレるし…。それで、なつに、
「やっぱりじいちゃん大好き!」
って言われて
「バカ…い、いちいち家族にそんなこと言うな…」
って顔赤くしてたりとか…もうね…付き合いたいよ俺は正雄と。あと甘いもの好きだから夜中こっそり起きておまんじゅうつまみ食いしてノド詰まらせちゃうとか、ただの「かわいい」です。ネコ、マカロン、草刈正雄です。
そんなかわE超えてかわΩの泰樹なんですけど、朝ドラってなんか急に3年とか5年とか経つじゃないですか…だから後半の老けっぷりがハンパなくて、あんなに逞しく、強く生きてたじいちゃんが久しぶりに登場したかと思ったら玉手箱開けたんかってくらいヨボヨボのジジイになっててぇ…
誰かが話しかけても「うむ……」とか「好きにせぇ……」みたいな空返事だし、たまに歩き出したかと思ったら遠くの空みてボーッとしてたりぃ…動きが明らかに「もうそろポックリ逝く人」のそれになっててぇ…
極めつけは、毎週土曜日の放送終わった時点で次週の予告流れるんですけど、そのラストシーンで泰樹が牧場の牛舎の中でぶっ倒れてるシーンがあって…もう絶対ダメなやつじゃないですか…おまっっ…最終回直前に死へのカウントダウン始まるんじゃねぇよ…
だからラスト1週は、なつがどうとかアニメがどうとかそんなんどうでもよくて、「泰樹が生きるか死ぬか」ってことしか頭になくて毎日テレビの前で、
「まだ死ぬなよ…死ぬなよ…えっっっ!?!?なにその眼!?なっ、なにそのフワッッっとした感じ!!!??やめてやめて!!??アッッッ!??オイッッッッ……!ちょっ、、、ヤバッッッッ!!!!待って……まだ死ぬなよッッッ!!???………よっ、、、よ〜〜〜〜〜しッッッッ!耐えたァァァ〜〜〜〜!!!あと4話ァ!!っしゃあオラァァァア!!!」
ってワールドカップ決勝なみの騒ぎ、ひとりで草刈リックビューイングやってた。
でも結局最後までちゃんと泰樹は生きてくれて…ラストには泰樹となつが思い出がいっぱい詰まった畑を耕しながら、
泰樹「なつ…ワシが死んでも悲しむ必要はない…」
なつ「じいちゃん…なに言ってんの…」
泰樹「天陽(吉沢亮)と同じじゃ…」
なつ「天陽くんと…?」
泰樹「わしの魂もこの大地に染み込ませておく…寂しくなったらいつでも帰ってこい…お前は大地を踏みしめて歩いていけばそれでいい…」
なつ「わかった…」
泰樹「それに…わしはもう…お前の中に残ってる…お前の中に生きておる…それで十分じゃ……しかしよくやったな…なつ…お前はよく東京を耕した……」
なつ「…」
泰樹「いつでも東京帰れ…わしはいつでもお前と共におる……(ニコォ…)」
なつ「じいちゃん…だいすき…」
泰樹「なっ…?おっ…おっ…!」
ドテッ…!(驚いて転ぶ泰樹)
なつ「じいちゃん…!だいじょうぶ?」
泰樹「ヘッヘッヘ…!ハッハッハッハッ…!!」
なつ「アハハハハハ!」
って最高のやりとりをするシーンまであって…泰樹殺したら最低の朝ドラってボロクソ言ってやろうかと思ってたんですが…本当に最高の朝ドラでした…
だから今、心の底からホッとして軽い抜け殻になってて…全然仕事が手につきません…
…でも…ダメだよな…サボってたらじいちゃんに
「なにやっとるんじゃあ!働けぇ!開拓してこい!」
ってぶん殴られちまうよな…
…じいちゃん…俺…がんばるよ…開拓者として恥ずかしくない仕事…してくるよ…
通販サイトで使ったことない商品に星5評価つけて適当な褒めレビュー書く仕事…がんばるよ…