漫画『君に届け』で主人公・黒沼爽子の恋のライバルとして登場し、爽子と想いを寄せる風早の仲をさんざん邪魔するが、爽子の純粋さに触れたことで徐々に心を開き、最終的に爽子の親友になるツインテールの性悪美少女キャラ・くるみちゃんこと「胡桃沢梅」のスピンオフ『運命の人』がどうしようもなく最高で頭狂った。
いつもいつも地味主人公の良いようにあてがわれ傷つき諦め硫酸よりも苦い苦い辛酸を舐めてきた「恋愛漫画で地味な女主人公の恋のライバルとして登場して最終的に一番の親友になるツインテール性悪美少女」、その筆頭、日本代表、代表取締役、頭取、総裁、提督のくるみをっっっっっ、主人公にしたっっっっ、スピンオフ漫画…そんなもん最高に決まってる…
最高だ、最高なんですが……ただ…今回くるみの相手役として登場する「赤星栄治」とかいう男…コイツがマ〜〜ジで信用できねぇ…赤星は椎名軽穂先生の過去作『CRAZY FOR YOU』の登場人物で爽子のイトコで、長身長髪の年上クソイケメン。は?誰だお前?俺は初見だったんだが…なんかスゲェいけ好かない野郎でよぉ…
くるみと出会って7ページ…たった7ページ…時間にして2時間足らずでくるみのことを、
「はずれ合コンで残念だったなぁ…梅!」
ころす
くっ、くるみがっ、一番のコンプレックスで親友の爽子にすら呼ばせなかった「下の名前」をっ、「梅」をっ、たっっ、てっっ、あぁぁぁぁあ〜〜〜〜〜いきなり出てきてなんなんだテメェェええはよおおお!!!!ゴルアアァァァァ!!!!あ???あゝ????おまっ、ああああ?だれか、だれか猟銃をくれ…コイツだきゃあ生かしちゃおけねぇ…
それだけじゃねぇ…コイツはくるみがずっと張ってきたバリアをどんどんどんどんぶち壊す…くるみが、
「たまに思うの、爽子ちゃんはわたしの…運命のひとなんじゃないかって…爽子ちゃんのいない人生だったらわたし、完全にダークサイドの人間だもん……ううん今もかなぁ…だってためしちゃうもん爽子ちゃんのこと…どこまでだったら許してくれる?困らせちゃうの、ためしたくて、まだわたしのこと、好き?大丈夫?どこまでだったら大丈夫……?」
ってこの自分に自信がないゆえに爽子がどれだけ自分のことを想ってくれてるかっていう不安を吐露した瞬間、
「つきあうか、梅」
「安心しろよ、許してやるから」
「ためしてみ?」
はぁァァァあああああああああああ〜〜〜〜?なあぁっぁぁあああなんだテメェえはァァァ!!!????テメェがくるみのなぁぁぁに知ってんだコラァァァああああああ!!???
なにが
「つきあうか」
だよこのクソボケカス!??「つきあうか」じゃねぇだろうが、
「あっ、あのォ〜〜〜〜。話しかけて申し訳ありません……もっもしご不快でなければ、この人間の最々々々下層の底の底、ウンコミジンコゴキブリ以下のわたくしめと、おっ、おっ、おつきっ、おつきおうてはいただけないでっっ、、、あっ、いえっ、あっ、めっ、滅相もありませんでした、、、よろしければ、靴をっっっっ、靴をお舐めいたします………」
だろうが。なに上から目線なんだ?!??あァアぁ???
マジで意味わかんねぇなんだこいつ……で、後日くるみがコイツとなんか二人で会うはこびになるんだけどよ、その誘い方もスゲぇムカつく。電話したかと思えば、
「めし行くぞ梅!今日6時こないだの店な」
これだけ。は?なにそれ。お前の都合だけか?もしくるみがその日法事だったらテメェどうしてたんだ?「今日の夜予定ある?」最低限これは聞けやなんなんだよオイ。
それでくるみがまんまとやってきたかと思えば、
栄治「よー!梅こっち!」
くるみ「わたしに拒否権は!?
栄治「え?あったでしょ。連絡先知ってんだし、なんなら連絡無しでぶっちぎればいーんだし」
あァァ?優しいくるみにそんなことできるわけねぇだろうがいい加減にしろよお前。
くるみ「〜〜〜〜こ、来ないと思った!?」
栄治「来てほしーなーって、思ってたけど?」
なァァああああにギャップ出してきてんだテメェえええええ〜〜〜〜〜……こんなの慣れっこですみたいな感じビンビコ出しとして「来てほしーなー」だと?好きになるだろうがそんなもん一発で好きになっちゃうだろうがよくるみ純粋なんだからよ弄んでんじゃねぇぞコラ風邪引けお前マジで……
デート中盤
栄治「ここの店美味いんだって。こないだほとんど食ってないじゃんお互い」
くるみ「あーたしかに…」
栄治「食おーぜー、いただきまーす」
栄治「あ、うめー」
くるみ「はい?」
くるみ「!!あっ!あ!!!違っ、違うの!!ちょっ、ちょっと名前呼ばれ慣れすぎたっていうかっいや呼ばれ慣れっていうかっあの、今までほんと呼ばれてこなかったから名前では!!」
栄治「……」
「だからちょっとうっかり間違えちゃっただけなの!!決して天然ではないから!!絶対!!」
栄治「…うめーーーー」
くるみ「そっそーだねおいしーねっっ」
栄治「じゃなくてー」
栄治「梅ーーー!」
くるみ「!」
栄治「反応かわいーーー!」
アーーーーーーーーーーーーーー!!!!!アーーーーーーーーーーーーーー!!!!!アーーーーーーーーーーーーーー!!!!!アーーーーーーーーーーーーーー!!!!!
こっ、、、こいつ殺……こっあっ、アアア…
今まで「外見だけ」を褒められてきたくるみにとっての一番の急所……キラーポイント……「中身」をっっっ、、「仕草」をっっっ、、「反応」をっっっ、、こっこいつ、、、ヒィィイイイイイイイイイ〜〜〜〜〜!????
が、ああ、いや……それよりなによりこれに対するくるみのリアクションがマジでっっっっ……かわっっっっ……ど、どこに振り込めばいいですか……??
…が…3回目のデートで、くるみは疑問に思う。「なんでわたしなの?」って…ズルくて汚い自分を知ってるからこそくるみは思ってしまう…わたしの中身を知ったら絶対好きになんかならないって、こんな優しい人はわたしのことを好きにならないってな…
「やさしいひとはさ…わたしのことをすきにはならなくない??やさしいひとはさ…やさしい女の子をすきになるんじゃない…?」
…わかるか…?オイ赤星お前に言ってんだぞ聞いてんのかコラ?
くるみ「どーしてつきあおうなんて言ったの?顔?」
栄治「いや…だから顔はさ…」
くるみ「顔かな!」
栄治「聞けよ」
くるみ「だってわたしじゃなくていーじゃない!?他にいたでしょ、いー人いっぱい!どーして!?」
栄治「…梅」
くるみ「いー子だったら他にいっぱい……」
栄治「梅」
くるみ「…」
栄治「全然自分を守ってなかったからだよ。今までどんな扱われ方してきたんだよ」
……は……?
な、なんでコイツ…知ってんだよ……なんでこいつくるみの弱い部分知ってんの…?まさかコイツ…読んでんのか……?『君に届け』全30巻を…読んでから来たのか…?あ…?コイツ…ま…まさか……
くるみ「…わたしは…なんで?逆だよ…自分だけ守ってきたんだから…ずっと…壁を作って……」
栄治「自分で自分を攻撃してんだから、そんな壁なんてあったって無意味だろ」
くるみ「…」
栄治「呼べよ、守るから」
こっ、、、、コイツ…もしかして……「俺」………?
「くるみに幸せになってもらいたい…」そう願う俺の、読者の願いを具現化した姿…それが『赤星栄治』なのか……?あ、アア…
…
……もう好きにしろよ…なんも言わねぇ…好きにして…二人でうんと幸せになればいい……くるみを…いや…梅をよろしくな…栄治……